佐藤隆正

こんなにもエレガントな
シャンパーニュがあるのかと
驚きました

佐藤隆正さん
(パレスホテル東京 シェフソムリエ)

皇居外苑の美しい緑を臨む絶好のロケーションに位置するパレスホテル東京。その6階に構えるフレンチファインダイニング、フランス料理「エステール」は、日本の旬の素材やテロワールを活かし、繊細で洗練された料理を提供しています。この「エステール」をはじめ、ホテル内すべてのレストラン&バーのワインセレクションを統括するのが、シェフソムリエの佐藤隆正さん。30年のソムリエ人生に欠かせないルイ・ロデレールの魅力を伺いました。

これほどまでにエレガンスを体現した
シャンパーニュは他にはない

佐藤さんがソムリエの道を歩み始めたのは約30年前、帝国ホテルでサービス業に従事していた頃でした。そのときにルイ・ロデレールのシャンパーニュと出会ったそうです。

「ソムリエになりたての頃、勤務していたレストランのワインリストに当時のスタンダード・キュヴェである『ブリュット・プルミエ』があり、その存在を知りました。

当時、シャンパーニュといえば有名ブランドが主流で、ルイ・ロデレールを選ぶお客様は少なかった印象です。私も『どんな味わいなのだろう』と興味を持っていたのを覚えています。

ある日、お客様が『ブリュット・プルミエ』をお選びになり、私も試飲する機会を得ました。その瞬間、『こんなにもエレガントなシャンパーニュがあるのか!』と衝撃を受けました。

通な方が選ぶシャンパーニュというイメージでしたが、これほどまでにエレガンスを体現したシャンパーニュは他にない、と感じたのを今でも鮮明に覚えています。」

新たな門出を彩った
ルイ・ロデレールとの思い出

そんなルイ・ロデレールとの出会いを経て、ソムリエとしてのさまざまな経験を積んだ佐藤さん。ロシア・アメリカ・オーストラリアなど世界各国の大統領に接客サービスをしたという類まれな経験を持ちます。パレスホテル東京に移ってからもルイ・ロデレールは欠かせない存在でした。

「2012年にパレスホテル東京へリニューアルした際、すべてのレストランでグラスシャンパーニュとしてルイ・ロデレールを採用しました。『ブリュット・プルミエ』、『ブリュット・ヴィンテージ・ロゼ』、そして『クリスタル』という3種類をご用意し、ホテルにとって新たな門出を迎えました。

特別な場にルイ・ロデレールのシャンパーニュは、まさにふさわしい存在だったと思っています。

リニューアルオープンから1年で、なんと600本の『クリスタル』を販売しました。『ブリュット・プルミエ』はその何倍にも上る数量です。本当に思い出深い経験で、リニューアルオープンを助けていただいた立役者のシャンパーニュと言っても過言ではありません。」

ホテルにとって大切な瞬間を、ルイ・ロデレールとともに迎えた佐藤さん。改めて、その人気と愛される理由を実感したそうです。

「『クリスタルをグラスで提供しているなんて素晴らしい!』と言ってくださるお客様や、『クリスタルがいただける限り、私は通い続けます』なんてお声をいただくこともありました。

30年前はこちらから提案しなければ手に取っていただけなかったシャンパーニュが、今ではエレガントな味わいと共に、ブランド力で選ばれるようになったと感じています。これはルイ・ロデレールの実直さやその美味しさを皆さんが信頼しているからです。

ブランドイメージの高さをこの30年で実感しています。」

エンターテイナーとして
お客様に最高の体験を

佐藤さんは、ワインを通してお客様に楽しんでいただくこと、そして最高の体験を提供することを大切にしているそう。その姿はまさに「テーブルのエンターテイナー」。明るく楽しい人柄と洒脱なユーモアも兼ね備え、お客様にとって忘れられないひとときを創り上げるために心を尽くしています。

特に、現在のスタンダード・キュヴェ『コレクション』※では、1本のボトルから多彩な表情を引き出すための工夫を凝らしているそうです。

※2021年よりスタンダード・キュヴェ『コレクション』をリリース。これまでの『ブリュット・プルミエ』からその年の個性を表現するマルチヴィンテージという概念を打ち出すシャンパーニュに進化しました。

「せっかくならお客様に最高に美味しい体験をしていただきたいので、細かな調整は欠かせません。料理に合わせてワインを変えるペアリングもありますが、フレンチではコースを通じて1本のワインをじっくり楽しむ方が多いです。だからこそワインを変えずとも、1本のボトルでさまざまなバリエーションのペアリングを楽しめるようにしています。

まず最初は冷えすぎくらいの温度からスタートさせます。4~5℃くらいですね。その状態を細めのグラスで提供し、アミューズや前菜とともに楽しんでいただきます。

私が特に大切にしているのは、その後のグラスの使い方です。

例えば、前菜で生魚を食べた後にシャンパーニュを飲むと、グラスにその香りが移ってしまいますよね。そうなると、次の料理と合わせた時に生臭さが気になって『コレクション』のエレガントさが損なわれてしまう。

そこで、私は料理が変わるごとに同じタイプのグラスであっても新しいグラスでサーブするようにしています。そうすることでお客様に本当に味わってほしいペアリングを堪能していただけます。

メインディッシュの際にはグラスを大きくし、シャンパーニュの温度を上げていきます。こうすることで、お料理との温度差がなくなり、シャンパーニュもボリュームを増して、より美味しく楽しめます。」

蝦夷鮑 栗の葉で包んだセップ茸。コースの一品として提供されている一皿です。

最後に食中酒としてピッタリだという『コレクション』と相性の良い一皿を紹介いただきました。

「今回、私がご提案するのは、『蝦夷鮑 栗の葉で包んだセップ茸』とのペアリングです。『コレクション』はミネラル感が際立っていて、その特徴が蝦夷鮑の磯の香りと、セップ茸の複雑さと見事にマッチします。

フレッシュなセップ茸と蒸したセップ茸を食べ比べながら楽しめる一皿とともに、ルイ・ロデレールのエレガントさを味わっていただきたいです。」

※現在、フランス料理『エステール』にて、スタンダード・キュヴェ『コレクション』をボトルでご提供しております。また、パレスホテル東京内のオールデイダイニング「グランド キッチン」では、グラスシャンパーニュとしてもお楽しみいただけます。

「もうすぐ還暦を迎えますが、その際には2012年の『クリスタル』を開けると決めています。2012年は、このホテルがリニューアルした年。その時の思い出と共に味わう『クリスタル』を、今からとても楽しみにしています。」

30年にわたり、一流ソムリエとして公私ともに寄り添い続けてきたルイ・ロデレール。そのシャンパーニュは、特別な日に彩りを持たせる存在です。佐藤さんは自身の豊かな知識とおもてなしの心で、ルイ・ロデレールの魅力をさらに引き出し、お客様に届けています。これからも佐藤さんのサービスを通じて、お客様はルイ・ロデレールの奥深さに触れ、ますます多くのファンがその世界に引き込まれていくことでしょう。

Profile

佐藤隆正

「パレスホテル東京」のシェフソムリエとしてフランス料理「エステール」やオールデイダイニング「グランド キッチン」など、全10店舗のレストラン&バーのワインを統括。ワインのある空間全体の演出するテーブルのエンターテイナーともいえる存在として、多くのお客様から指名を受ける。