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ワインショップ・エノテカ丸の内店
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松葉 雪月
皆様こんにちは!丸の内店の松葉です。
先月に引き続き、スタッフの推しワインを語ってもらいました。
今月は、イタリア最高峰ワインのブルネッロ・ディ・モンタルチーノです。
ワイン愛が溢れ、字数制限を超える超大作となりましたので、前編・後編と分けてお送りいたします。スタッフのブルネッロ愛をぜひご覧くださいませ!
わたしが完璧なワインだと思う一本、ポッジョ・ディ・ソットのブルネット・ディ・モンタルチーノです。
エレガンスと優美さを求める近年の潮流にも完全に応えながら、潮流を超えた普遍的な喜びをもたらし、世界を祝福するかのような、美しさの極地のワインだと思います。
理想的な昼夜の寒暖差をもつテロワールや、規定の半分以下まで収量を抑えることから生み出される極めて凝縮感のある果実味。まろやかでシルキーな口当たりや豊かなボリューム感に、エレガントな感覚をもたらしてくれる酸の質感や鉄分のアクセント。やや焼けついたような果皮のニュアンスと丸みを帯びた甘やかさのニュアンスのレイヤード。甘美な果実の旨味とともに、上品かつサンジョベーゼらしい植物的ニュアンスやなめし革のような熟成感の染み渡る余韻。それぞれの要素がしっかり前面に出ていながら、これほど理想的な調和があるのかと感動します。普段は眠らされている五感のポテンシャルが「嬉しさ」をともなう活性へともたらされ、五感に調和と感動をもたらす想像力がどこまでも喚起させられます。本質と創造をもって完璧に構成された一品料理と理想を共有し、それを地上へと伝えてくれる天使的なワインとも言えるでしょうか。
まずは抜栓直後から飲んでいただきたいです。理想の調和がすでにそこにあります。数日かけて代わる代わるに顔を出してくれるさまざまなニュアンスを楽しみながら、再び丸みを帯びて、古酒かのような風格を持つに至るまで時間を共に過ごすこともできる、極上のワインをぜひとも味わっていただきたいです。
「完璧なサンジョベーゼ」と称されるブルネッロの老舗ワイナリー、イル・マッロネート。
モンタルチーノで最も歴史あるワイナリー10社の1つとされているイル・マッロネートのワイン造りの始まりは、小さな2部屋から始まりました。イル・マッロネートは1974年に現所有者の父であるジュべッゼ・モーリ氏によって購入されました。弁護士だった父がブドウ畑の一角に初めて苗木を植えた時から2人の息子はすぐに大きな興味を示しました。モーリー家はイル・マッロネートの小さな2部屋だけでワイン造りを始め、日に日に情熱を注ぐようになりました。この小さなステップを踏んだ後、進化を始めます。ワイナリーは大きくなり、父親と1人の息子は弁護士としての道を進むことにしますが、現所有者である息子のアレッサンドロ・モーリ氏はワインの世界を投げ出すことができず、イル・マッロネートとブルネッロに人生を捧げることを決心します。そして、サンジョベーゼワインにおける偉大な2人の指導を受け、今では「完璧なサンジョベーゼ」「イタリアワインの宝石」と絶賛されるワインへと進化を遂げました。
そんなイル・マッロネートは自然かつ伝統的なワイン造りを重視しています。畑では農薬を一切使用せず、極力人の手を加えないワイン造りを行い、サンジョベーゼ本来の個性が見事に表現されたクラシカルなブルネッロが特徴です。グラスから溢れ出すサンジョベーゼらしい赤系果実のアロマと美しい酸味に魅了された後、シルキーなタンニンを感じ、チャーミングながら骨格もあるその姿は、エレガントさそのもの。このワインはまさに美しさを感じるブルネッロです。再び熱視線を浴びているブルネッロ・デイ・モンタルチーノ。今まさにワイン愛好家の憧れの的、イル・マッロネートの魅力にハマる瞬間です!
ビオンディ=サンティのブルネッロは、対話するたびに自分の未熟さを思い知らされる、厳格な教師のような存在です。
ブルネッロを語る上で、偉大な始祖であるビオンディ=サンティは避けて通れません。サンジョヴェーゼといえば早飲み向けの安価なキャンティだった19世紀。「100年飲めるワインを造りたい」という夢を掲げ、より濃厚で品質の高いサンジョヴェーゼの表現として生み出されたのがブルネッロでした。親しげで人懐っこいキャンティとは対照的な、高貴で厳格、いかにも「大物」といったスタイルが追及されたのです。ブルネッロ誕生から150年以上経ち、モンタルチーノは今や全くスタイルの異なる個性豊かな生産者で溢れています。そんな中で、ビオンディ=サンティの大物的なスタイルはいまだ健在です。彼らのブルネッロを味わった多くの人は、「難しい」と口を揃えて言います。あらゆる要素がジグソーパズルのように複雑に組み合わさっていて、グッと掴みのある印象的な酸や強いタンニン、パワフルな舌触りは、人を寄せ付けない厳しさがあります。しかし、じっくり時間をかけて向き合うと、ほんのり感じられる甘みが潤滑油のような役割を果たし、全てが調和していることが徐々に見えてくるのです。しかしそれも深淵の入口に過ぎず、果てしなく続く複雑さの前に呆然とすることしかできません。
サンティのブルネッロは、歩み寄ったら手を取って引いてくれるようなワインではありません。その顔つきは厳めしく、凄みがあり、飲んでいるのはこちらなのに、品定めされているような気持ちになります。これほどまでに、もっと知りたい、もっと向き合いたい、このワインを理解したいと執着してしまうワインは他にありません。
100年熟成を謳う彼らのブルネッロについて、作り手は「忍耐強い人のためのワイン」と語っています。
今は厳しい先生も、忍耐強く習い続ければ、いつか頭を撫でて微笑みかけてくれるのかもしれません。その日が待ち遠しいです。
前編からスタッフそれぞれの個性を感じる内容でしたね!
文章量から伝わるブルネッロ愛はいかがでしたでしょうか。気になるワインはありましたか?
後編も内容盛りだくさんなのでぜひご覧くださいませ。
文章に収まりきれないスタッフの推しへの愛を聞きに来て下さると嬉しいです!
丸の内店スタッフ一同、皆さまのご来店を心よりお待ちしております。
後編はこちらからどうぞ!→私の推しブルネッロ・ディ・モンタルチーノはこれだ!!~後編~
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