近年、世界中で人気が広まっている「ブッラータ」。真っ白で巾着のような形をしたフレッシュチーズです。
とろりと中から濃厚なクリームがたっぷり溢れ出す、チーズ好き垂涎の個性的なチーズは、一度食べると病み付きになる味わいが魅力。
今回は、そんなブッラータの基本知識と美味しい食べ方をご紹介します。
ブッラータ(Burrata)とは
ブッラータは、非熟成のフレッシュタイプのチーズで、原産地は南イタリアのプーリア州です。歴史は比較的浅く、1920年頃に誕生したと言われ、当時は一部の地域だけで楽しまれていました。
ブッラータと関連が深いチーズがモッツァレラチーズ。気温が高い南イタリアで、パスタフィラータと呼ばれる製法で造られています。熱湯の中で凝固した乳を融かし、さらに練って生地を伸ばし、繊維状に仕上げるという伝統的な製法で造られるフレッシュチーズです。
ブッラータは、伸ばしたモッツァレラの生地の中に生クリームと細かな繊維状のモッツァレラを包んで造られる、チーズの中にチーズを入れるという個性的なタイプです。原材料は牛乳または水牛乳とクリームが使用されます。
ブッラータはこぶしほどの大きさで、外観はモッツァレラチーズ同様、白く滑らかで柔らかく、お餅のようにモチモチとした弾力があります。チーズ上部の口部分を縛り巾着のような形に仕上げるタイプや、丸型があります。
ナイフを入れると中からクリームが流れ、脂肪分の高さから生まれる濃厚なミルクの甘味と優しい味わいが広がります。
中からクリームが溢れ出す見た目や、ミルキーで濃厚な味わいから、近年世界中で人気です。
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フレッシュさが要!短い賞味期限
ブッラータは南イタリア以外でも造られるようになりましたが、「賞味期限が短い」という鮮度が要のフレッシュチーズであるため、日本国内ではあまり見られない希少性の高いチーズの一つでした。
それが最近では、輸送手段の発達や国内でブッラータを生産するチーズ職人や工房が増えたことで、オンラインや大手スーパーなどでも手軽に購入が可能になり、徐々に人気が広がっています。チーズ料理やイタリア料理の飲食店でも、ブッラータを提供するお店が増えてきました。
そんな人気の高さから、今なおフレッシュなブッラータは入手が困難とも言われているほど、注目を集めています。
ブッラータはイタリア語で「バターのような」という意味があります。リッチで濃厚、溶けるような味わいは、作りたてのフレッシュさが美味しさに繋がります。
生産当初は、アスフォデルと呼ばれる葉に包まれた状態で製造されていました。葉が枯れずに緑色のうちに食べ切るようにという、昔から新鮮さが重要視されていたチーズです。
現在でも賞味期限は、ほとんどが数日から一週間以内なので出来るだけ早く、そして開封後は残さずに食べきりましょう。
ブッラータの美味しい食べ方
ブッラータは、フレッシュさを味わうために、購入後はなるべく早く召し上がってください。食べる際は冷蔵庫から取り出し20~30分ほど室温に置くことで、本来の香りと食感、風味を楽しめる温度となります。
ブッラータは開封後に水を切って、お皿にそのまま載せます。ナイフで切ると中からたっぷりのクリームが溢れ出すので、ソース感覚で付け合せとともにミルクの風味を楽しむことができます。
フレッシュなオリーブオイルと塩で味付けをしたサラダ仕立てがおすすめです。材料はフレッシュなトマトとブッラータだけでも、充分に美味しさを堪能できる組み合わせですよ。
また、最近ではフルーツとフレッシュチーズの組み合わせが大変人気です。「桃モッツァレラ」をはじめとして、フルーツの酸味と甘み、チーズの濃厚さが合わさり、癖になる美味しさです。季節のフルーツとブッラータを合わせるだけで、甘みと香りを楽しめる前菜やデザートを手軽に作ることができます。
他には、パスタやピザの上にブッラータを載せる食べ方もおすすめです。トマトソースやミートソースなど、味わいがしっかりしたパスタやピザにクリーミーなブッラータを載せ、絡めて食べます。パスタやピザの温度でブッラータがじわじわと融けだし、リッチなクリームがソースのように絡まる至福の美味しさです。
フレッシュなブッラータはスパークリングワインや白ワインと好相性。また、濃厚な味付けの付け合せと合わせれば赤ワインともマリアージュするので、ワインとの組み合わせも広がりますね。
まとめ
とろりと溢れ出すリッチでクリーミーな味わいがたまらない、ブッラータ。モッツァレラチーズが国内で人気のように、フレッシュで濃厚な味わいのブッラータは、今後さらに人気になること間違いなしのチーズですね。
思わず笑みがこぼれてしまう、溢れ出すクリームのパフォーマンス性は、おもてなしのチーズとしても最適ですよ。暑くなると食べたくなるフレッシュチーズをぜひお楽しみください。