毎年心待ちにしているというファンも多い、シャトー・ムートン・ロスチャイルドのアートラベル。例年、著名なアーティストによるラベルがファンの話題をさらっています。
今回は、つい先日発表された最新2017年のアートラベルをご紹介します!
2017年のラベルに選ばれたのは、フランス人女性美術家、アネット・メサジェ女史による作品「Hallelujah(ハレルヤ)」。
作品では字体(エクリチュール)を素材のひとつとしており、重なって寄せてくる波のように繰り返される「Hallelujah(ハレルヤ)」がデザインされています。そこに聖書の中でしばしば関連づけられるふたつの物質「ミルクとワイン」のモチーフを描き、その効能を謳うと同時に、アネット・メサジェ女史はこの作品を通してリアルかつシンボリックな表現手法でふたつの物質に賛辞を贈ります。
フランスを代表する女性美術家
アネット・メサジェ女史は1943年フランス生まれ、グラフィックデザインおよび造形芸術の分野で活動する美術家です。彼女の作品はパリ、ロンドン、東京、ニューヨーク、世界各地の有名美術館にて展示され、2005年ヴェネチア・ビエンナーレでは金獅子賞、2016年には高松宮殿下記念世界文化賞など、多数の栄えある賞を受賞しています。
その作品はデッサン作品から立体的アッサンブラージュ作品、そして巨大インスタレーションまで多岐に渡り、アーティスト自身の好奇心がそのまま作品に反映されています。
そして彼女の作品はフェミニズム的メッセージ性が強くありながら、独自の規律と制約でもって世界を捉えると同時に、その世界を超越し覆す、楽しみながら因習を打破していくことを意識した作品が多く見られます。
恵まれたテロワールが生きた、奇跡的な2017年
2016年ヴィンテージに続いて今回のアーティストをセレクトしたのは、シャトー・ムートン・ロスチャイルドの3名のオーナーファミリー。
ちなみに、アートラベルを手がけるアーティストの報酬は0円で、その代わりにシャトー・ムートン・ロスチャイルドを数ケース(もちろん、アーティストが手がけたヴィンテージを含む)を受け取るという慣例が今も続いているそうです。かつてはピカソやシャガールといった名だたるアーティストが手がけてきたムートンのアートラベル。選ばれたアーティストにとってそれは、何ものにも代えがたい名誉なのでしょう。
2017年は4月27日に起きた春の遅霜によってボルドーのテロワール全域が被害に遭うという特異なヴィンテージでしたが、シャトー・ムートン・ロスチャイルドのブドウ畑はその恵まれたテロワールのおかげで奇跡的に被害を免れました。
生育スピードの早さと乾燥した夏の天候の影響で例外的な早期収穫となったものの、できあがったワインは芳醇で非常に色味が濃く、素晴らしいタンニン・ストラクチュアを備えたものに仕上がりました。肉づきもよくリッチ、かつたっぷりとしたみずみずしさを備えたアプローチャブルな味わいです。
こちらのシャトー・ムートン・ロスチャイルド2017年のリリースは来年春を予定しています。どうぞお楽しみに!
生産者について詳しくはこちら