近年、よく見かけるようになった「ノン・ドサージュ」のスパークリングワイン。
有名シャンパーニュのメゾンが新商品として発売したり雑誌でも特集が組まれたりするなど、新しいトレンドとして注目度が上がっています。
今回はそんな「ノン・ドサージュ」のスパークリングワインについて、ご紹介したいと思います。
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目次
そもそも“ノン・ドサージュ”とは?
シャンパーニュやスパークリングワインを造る際、果汁を発酵させた後に旨味の元である滓と一緒に寝かせた後、その滓を取り除く際、ワインの中の液体が目減りします。
減ったままではネック部分の空気が多すぎるため、ワインに糖分を加えた「門出のリキュール」で補います。この作業を「ドサージュ」(Dosage)と言いますが、「ノン・ドサージュ」のスパークリングワインはこれを行っていません。
スパークリングワインには必ず残糖量が表示されており、中でもよく見かけるのが「Brut」(残糖量12g/リットル以下)ですが、「ノン・ドサージュ」は「ドザージュ」をしないので残糖量が1リットルあたり3g以下になります。
その際の表示はフランスの場合、「Brut Nature」(ブリュット・ナチュール)、「Pas Dosé」(パ・ドセ)、「Dosage Zéro」(ドザージュ・ゼロ)など。
ブドウ本来の味わいを生かして造られるため、裏を返せばしっかりと選別されたブドウを使用しないと美味しいワインにはなりません。そのため、各メゾンは自信を持ってこの「ノン・ドサージュ」のスパークリングワインをリリースしています。
味わいは、糖分が極めて少ないためにすっきりと爽やか。辛口のさらに上をいく超辛口と言えますが、ブドウ本来のほんのりとした甘味とコクが感じられる絶妙なバランスを持っています。
“門出のリキュール”が添加されないスパークリングワイン
「ノン・ドサージュ」のスパークリングワインに添加されない「門出のリキュール」。このちょっと不思議な名前の由来をご存知でしょうか?
「門出のリキュール」はフランス語で「Liqueur d’Expédition」(リキュール・デクスペディション)と言います。
ワインの出荷を「門出」に見立てた何ともオシャレな言い回しですよね。それゆえに、特にシャンパーニュは門出のお祝いに好まれ、新しい出発の際にお祝いとして贈られることが多いのです。
しかし、「ノン・ドサージュ」にはおめでたい意味を後押しするはずの「門出のリキュール」が添加されていません。「お祝いに贈ってもいいの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、実際は問題ありません。
ワイン研究家の堀賢一さんが監修したワイン漫画『ソムリエール』では、主人公である女性ソムリエが旅立つ前に、大事な人が選んだ「ノン・ドサージュ」のシャンパーニュをバーで出されて一緒に飲むというシーンがあります。
口をつけてはじめて、それが「ノン・ドサージュ」だということに気付いた主人公。彼は彼女の門出を祝いながらも、あえて「ノン・ドサージュ」のシャンパーニュを選んだことで未来の再会を願った思いを伝えたかった……という演出だったのです。なんてロマンチック!だと思った方は、ぜひ大事に思う人がしばらく遠方地に行ってしまうというようなときには、ぜひ「ノン・ドサージュ」のワインを贈ってみてくださいね。
おすすめの“ノン・ドサージュ”スパークリングワイン
シャンパーニュからフランチャコルタまで、“ノン・ドサージュ”ならではの甘さを抑えたピュアでドライな味わいが楽しめるおすすめの銘柄をご紹介します。
クリスタルを造るルイ・ロデレールがリリースしたノン・ドサージュ
多くのセレブに愛されているクリスタルや、1万円を切るとは思えないほどハイクオリティなブリュット・プルミエで知られるルイ・ロデレールが40年ぶりに自信を持ってリリースしたのが、このブリュット・ナチュールです。
ルイ・ロデレールといえば素晴らしく上質な酸味が目を見張るほど。ブドウそのものの旨味がしっかりと味わえるクリーミーでピュアな出来となっています。
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家族経営のシャンパーニュメゾン、ポール・デテュンヌが造るノン・ドサージュ
ピノ・ノワールの聖地アンボネイ村が誇る家族経営のシャンパーニュメゾン、ポール・デテュンヌが手掛けるのが、ポール・デテュンヌ ブリュット・ナチュール。
ピノ・ノワールのコクとシャルドネのキレが見事なバランスで表現されており、ブドウ本来の力強い果実味が魅力の1本です。
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ローヌの名門が手掛けるノン・ドサージュ・ロゼ・スパークリング
ローヌの名門シャトー・ド・サン・コムが2019年に取得したヴァンソーブルの歴史あるシャトー、シャトー・ド・ルーアンヌが造るノン・ドサージュのロゼ・スパークリング・ワイン、ルーアンヌ・ブリュット・ナチュール・ロゼ。
チャーミングな果実のアロマと酸味のバランスが抜群の爽やかな1本で、サラダなどの前菜と相性抜群の1本です。
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まとめ
暑くなるにしたがって美味しくいただけるシーンも増えてくる「ノン・ドサージュ」のスパークリングワイン。
残糖量が少ないということからダイエットに勤しむ女性にも人気があり、ブームも高まりつつあります。超辛口といっても飲みづらいことはなく、飲んでみてはじめてその飲みやすさに驚く人も多いです。ぜひ、夏に向けてすっきりとした味わいを楽しんでみてくださいね。
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