温かな暖炉の火でとろりと焼かれたチーズをパンの上に載せ、熱々をパクっと頬張る。アニメ『アルプスの少女ハイジ』にたびたび登場するシーンです。そんな「ハイジのチーズ」としておなじみなのがラクレットチーズ。
最近では、日本でもラクレット専用のラクレットオーブンや調理器具を使用している飲食店もあるほど、人気も高まっています。
今回はラクレットチーズの魅力と美味しい食べ方、ラクレットに合うおすすめワインをご紹介します!
ラクレットってどんなチーズ?
ラクレットチーズは、山脈の多いスイスのヴァレー州が原産です。伝統的なラクレットはラクレット・デュ・ヴァレー(Raclette du Valais)と言われ、「削り取る」を意味する「Racler」が由来とされています。
また、チーズをとかして野菜などにかけて食べる料理も「ラクレット」と呼び、フォンデュと並ぶスイスの代表的な料理です。
ラクレットは山のチーズとして山地で造られるセミハードタイプのチーズで、牛乳が原料です。伝統的なラクレット・デュ・ヴァレーを名乗るには無殺菌乳で造らなければなりませんが、現在は日本でも製造されるなど、様々な国で造られています。
ラクレットチーズの造り方は、まず原料となる牛乳を温め、乳酸菌や凝乳酵素で固めます。そこからホエイ(乳清)を抜き、加熱してさらに水分を抜き、型に詰めて成形し熟成させます。
ラクレットの表皮は茶褐色で特有の香りがあり、テクスチャーはしなやかで弾力があります。香りはナッツのように芳醇ですが、味わいは食べやすくまろやかに仕上がります。ただ、無殺菌乳で造られるラクレット・デュ・ヴァレーは、香りも強くなるのでやや上級者向けとなります。
ラクレットチーズの美味しい食べ方
ラクレットはそのまま削るだけでも、特有の芳しい風味が口中に広がり、美味しさを堪能できます。削ってサラダのトッピングに、ピザ、パスタ、リゾットやグラタンなどの仕上げにも良いでしょう。削り取る時はナイフで削るか、スライサーと呼ばれる道具を使用し薄く削ります。また、厚くカットすればお酒のおつまみにもピッタリです。
もちろん、そのままの味わいも美味しいのですが、やはりラクレットはとろりとなめらかな味わいが魅力。チーズを加熱することで、香りがより一層強くなります。
ラクレットの調理法は簡単ですし、素材の美味しさをダイレクトに感じることができますよ。
【ラクレットの作り方】
①ラクレットの切り口を温める。
②温めてとろりととけたチーズを皮つきのじゃがいもに流して完成。
じゃがいもの他に、蒸したブロッコリーや人参などの野菜にかけても良いですね。また、アニメのハイジのようにパンの上にチーズをかけても絶品です。パンは、ラクレットの香りやマイルドな味わいに合う田舎パンや、クルミなどが入ったパンが良いでしょう。
ご家庭で調理する場合は、削ったチーズを食材の上に載せてオーブントースターで加熱するだけで美味しいごちそうが出来上がります。また、ホットプレートに少し厚めにカットしたラクレットを載せて焼き、とけてきたところをお好みの食材に絡めれば、ホームパーティーで喜ばれる簡単おもてなし料理になります。
一度とけると固まってしまうのも意外に早いので、なるべく熱々の状態で楽しんでくださいね。
ラクレットチーズと相性抜群のワイン
マイルドな味わいと芳醇な香り、そしてミルクの優しい甘みが特徴のラクレットに合うワインは、辛口でフルーティーな白ワイン。
中でも、同郷のスイスの代表的品種シャスラがおすすめです。シャスラは柑橘の香りに爽やかな酸味のあるドライな味わい。ラクレットの旨味やコクに爽やかさをプラスし、食べ飽きることなく味わうことができます。
アルコール度数も低めなので口の中もリセットされ、濃厚でこってりしやすいチーズ料理とともに楽しめます。大勢でワイワイと熱々のラクレットを囲む際のワインとしてピッタリです。
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まとめ
ラクレットはホームパーティーやおもてなしのシーンにも、ピッタリな気軽に自宅で楽しめるチーズです。
スイスワインをまだ試したことのない方も、ラクレットとの間違いないマリアージュを試してみてはいかがでしょうか。
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