小籠包、ラビオリ、サモサ、ピロシキ…世界には皮で具を包んだ料理は多く存在しますが、フライパンで焼く日本式の焼き餃子もその一つ。パリッモチッとした独特な食感も相まって、立派な日本食として世界中で愛されています。
日本では餃子といえばビールですが、ヨーロッパで人気の食べ方は「ワインと餃子」の組み合わせ。ビールと餃子はもちろん文句なく美味しいですが、それは脂を流して口をリセットしてくれるから。
対するワインは、餃子自体を爽やかにしたりコクや風味をプラスするなど、味わいを共存しつつ相互にランクアップさせるマリアージュを楽しめます。
餃子とワインの合わせ方の基本
近年は、餃子とワインをテーマとしたお店も増え、マニアの間では定番になりつつある組み合わせですが、そこで出される餃子はワイン向きにアレンジされたもの。家庭で作るスタンダードなレシピや冷凍餃子にワインを合わせるのは、ちょっと難易度の高いテーマでもあります。
そこで今回は、家庭餃子に合わせるワインについて考えてみましょう!
最大のハードルとなるのは、ニンニクやニラなどインパクトの強すぎる風味。タンニンがガッチリした渋みの強いワインと共存させるのは難しいので、基本は軽めのワインがいいでしょう。閉じ込めた肉汁の脂っぽさを流してくれる、酸味や爽やかな風味もポイントです。
ワインが酢の代わりになるので、タレもいつもの酢醤油からチェンジ。何もつけずにそのまま、塩、粗びき黒コショウ、トマトソースやスイートチリソースなど、ソースをアレンジすることで合せるワインの幅が広がるということも押さえておきましょう。
やっぱり定番!焼き餃子
日本式餃子のスタンダードは、やっぱり焼き餃子。長年ビールを合わせてきたので、辛口のスパークリングワインのフレッシュ感はスッと受け入れられる安心感がありますね。
スッキリした泡で爽やかにするだけではなく、更なるマリアージュを目指すなら、断然ドライタイプのロゼスパークリングワイン!
ロゼ特有のエレガントでフルーティーな風味が、ニンニクやニラの香りをふんわり包み込み、肉汁の甘みと絶妙にマッチ。上品な余韻が残り、庶民的な焼き餃子をグッと格上げしてくれます。
この商品はこちら
ニラたっぷり餃子
控えめのニラであれば、ソーヴィニョン・ブランやベルデホなど、同系統の香りが楽しめる白ワインを合わせ風味をグレードアップさせるのもありですが、ニラがたっぷり入った餃子ではちょっと強烈になりすぎます。
そんな時は、トマトソースや粉チーズなどをちょいがけすると、ワインと餃子の橋渡し役になってくれます。
ワインは白ではなく、軽めの赤ワインを合わせてみましょう。通常だとワインの風味を邪魔してしまうニラの強い香りも、どこか素朴なニュアンスと手を取り合ってくれます。
この商品はこちら
もちもち食感が魅力!蒸し海老餃子
プリっぷりの海老を薄皮で包んだ蒸し餃子。生地の質感が柔らかいので、輪郭のクッキリしたワインより、しっとりとしてやさしいタイプのワインが合います。
きれいなピンクに軽い果実感のロゼワインを合わせれば、味も見た目も美味しいマリアージュの完成。
ロゼワインはドライタイプで、海の近くで造られた”ちょっと塩味を帯びた”物を合わせてみてください。ミネラル感が共鳴し、ほのかに甘い香りが一段と心地よく感じられます。
繊細なマリアージュですので、たれは醤油ではなく粗塩で。はたまたスイートチリソースをかければエスニックなニュアンスも楽しめます。
この商品はこちら
つるりと美味しい!水餃子
つるりとした食感が特徴の水餃子。焼き餃子より厚めの皮に包まれているため、インパクトのある具より、柔らかでほのかに甘みのある皮の存在感がポイントです。この皮、淡泊で懐が深い存在なので、合わせるソース次第でワインも選べる万能選手と言えるでしょう。
一番のおすすめは、ニンニクと唐辛子をきかせた”食べるラー油”をかけた水餃子に、甘口の白ワイン。心地よい酸味と甘みのバランスが良いリースリングを合わせると、辛味と甘みがスッと溶け合う感覚に魅了されます。水餃子の皮の甘みも引き立ち、奥行のある味わいになります。
この商品はこちら
サクサク食感が楽しい!揚げ餃子
いつもの餃子を油で揚げると、皮がサクッと軽やかな食感に。この食感は、イタリア料理のカルツォーネに少し似ています。そこで、合わせるワインはイタリアの赤い微発砲ワイン、甘口タイプの”ランブルスコ”。
軽快でベリーのニュアンス、ほどよいコクと爽やかな酸味が、サクッサクッという食感にピタリとマッチ。あまりの相性の良さに「揚げブルスコ!」と呟いてしまいそうです。
そのままはもちろん、ハニーマスタードソースやドライトマト、ブラックオリーブなどをプラスしていただくのもおすすめです。
この商品はこちら
まとめ
合せるのが難しい印象の餃子ですが、やってみると意外と楽しい!調理法やソースを変えることで、ビール以上の魅力的な組み合わせを発見できます。
餃子パーティーなら、それぞれにワインを持ち寄り、ソースを並べてマリアージュ探しをするのもいいですね。
それでもどうしても迷ってしまったら、ドライタイプのロゼスパークリングワインをチョイス。調理法やソースを問わず、全体的に素晴らしいマリアージュを発揮してくれますよ。