ハンバーガーやサラダ、お菓子などに使われるチェダーチーズは、馴染みのある身近なチーズですよね。世界中で人気があり、チーズの代表とも言えます。
淡い黄色やオレンジ色の色合い違いや、表皮の有無など様々なタイプのあるチェダーチーズ。プロセスチーズや他のチーズとはどんな違いがあるのでしょうか。
身近なチーズですが、知らないことが多いチーズかもしれません。今回は、意外と知らないチェダーチーズの特徴と、簡単なおつまみレシピをご紹介します。
目次
チェダーチーズとは?
種類 | セミハードタイプ |
特徴 | 牛乳製。ぼろぼろと崩れるような組織。 淡い黄色からオレンジ色の色合い。表皮(リンド)があるものと、表皮のないリンドレスチーズある。 |
味わい | 適度な酸味とマイルドな味わい。熟成するとコクと旨味が増す。 |
世界的に生産量が多く知名度の高いチェダーチーズは、イギリスで伝統的に作られるウエスト・カントリー・ファームハウス・チェダーチーズ(West Country Farmhouse Cheese)が代表です。
チェダー渓谷の洞窟を利用して作られたことから、チェダーチーズの名が付いています。イギリスからの移民によってチーズの美味しさが広まり、現在はオーストラリアやニュージーランド、アメリカなど世界中で作られ愛されています。
チェダーチーズには、農家製のアルチザンタイプから、大量生産型の工場製タイプが存在します。
農家製タイプは、円筒形で表皮を布やラードで覆われ、熟成させるとコクと旨味が増し、複雑な味わいに変化します。工場製タイプはブロック型が多く、フィルムに包まれ、風味は穏やかでクセがあまりないので食べやすいチーズです。
マイルドで口に含むとねっとりした味わいを楽しめるチェダーチーズですが、大きな特徴が、ほのかな酸味。チーズ製造の際に「チェダリング法」と呼ばれる独特の製法によって、この酸味が生まれています。
チェダリング法とは、雑菌の繁殖を防ぐために行う、イギリスでよく行われているチーズ製法の一つです。チェダーチーズ以外にも、ブルー・スティルトン・チーズなどもチェダリング法で作られています。
チェダリングは、カード(凝乳)を積み重ねたり反転したりを繰り返して乳酸発酵を促し、カードの酸度を高める、雑菌対策のための製法の一つです。水分量も減り、保存性の高いチーズに仕上がります。崩れやすい組織も、この製法によって生じています。
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オレンジ色の理由
チェダーチーズは、淡い黄色の色合いを持つホワイトチェダーチーズと、鮮やかなオレンジ色のレッドチェダーチーズがあります。
風味や色合いを付けるために、アナトー色素やカルテノイド色素によって着色がなされていますが、どちらも味わいに大きな違いはありません。
鮮やかなレッドチェダーは、料理に使用すると視覚からも食欲をそそり美味しく見えるため、料理やお菓子に幅広く使用されています。
チェダーチーズとプロセスチーズの違い
チェダーチーズとプロセスチーズを並べてみると、見た目がよく似ているので、何が違うのか気になりますよね。
プロセスチーズ
製法 | チェダーチーズなどのナチュラルチーズを原料として用い粉砕し、加熱溶融し、乳化させ、冷却する。 |
味わい | 味わい風味ともに穏やかでクセがない。 |
その他 | 高温で加熱溶融するため、微生物は死滅し、酵素は失活する。 それ以上熟成が進まず、風味や味わいは変わらない。 |
チェダーチーズとプロセスチーズの大きな違いは、プロセスチーズはチェダーチーズなどのナチュラルチーズを原料として作られている点です。そして、加熱溶解しているので、熟成による風味の変化はありません。
見た目こそ似ていますが、チェダリング法で作られているチェダーチーズの組織はボロボロと崩れ、プロセスチーズは組織が均一化され弾力のあるしなり具合が見て分かります。
チェダーチーズの食べ方
まず表皮があるものは表皮をそぎ落とします。リンドレスチェダーはそのままでも美味しくいただけるので、色合いを活かした可愛らしい切り方も出来ます。交互に並べたり、型抜きしてサラダなどにトッピングしても食卓が映えますね。
加熱するととろけるチーズなので、ピザなどのトッピングにも最適です。
チェダーチーズのおつまみレシピ
今回は、チェダーチーズをソースにして、とろりとかけた簡単おつまみをご紹介します。
チェダーチーズソースがけ鶏肉のソテー
【材料2人分】
鶏もも肉 1枚
塩 少々
オリーブオイル 適量
にんにく 1片
Aチェダーチーズ 30g
A生クリーム 小さじ2
A白ワイン 小さじ1/2
A塩 小さじ1/8
黒こしょう 少々
【作り方】
1.鶏もも肉は一口大に切り、塩を少々ふっておく。にんにくはみじん切りに、チェダーチーズは細かく切る。
2.フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ温め、鶏もも肉の皮目を下にして焼き色が付くまで焼く。焼き色が付いたら返して、鶏肉に火が通るまで焼く。
3.Aを耐熱容器に入れ、ラップをせずにレンジ600wで20秒加熱。一度取り出して混ぜ合わせ、再度600wで10秒加熱する。よく混ぜ合わせてソースの完成。(ソースは冷めないように、鶏肉が焼き上がってからレンジ加熱する。)
4.お皿に焼き上がった鶏肉を盛り、上からソースをかけ、黒こしょうを挽いて出来上がり。
チェダーチーズに合うワイン
チェダーチーズのマイルドな味わいとほのかな酸味には、辛口でフルーティーな白ワインがピッタリ合います。複雑性のある農家製チェダーチーズには、赤ワインも良いですね。
今回のレシピには香ばしく焼いた鶏肉のジューシーさとチェダーチーズソースのコクに、ボリュームのある白ワインを合わせると良いでしょう。鶏肉とチェダーチーズソースの濃厚さがワインのコクと合わさり、ワインの酸味が後味に広がります。
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まとめ
見た目にも鮮やかな色合いのチェダーチーズ。身近なチーズの一つですが、表皮のあるチェダーチーズと表皮のないリンドレスチェダーチーズは、同じチェダーでも香りと味わいに違いがあります。
表皮近くの複雑性のある風味や、熟成によるナッティーな香りを味わいたい時には、農家製タイプを。日常のテーブルチーズには工場製タイプをと、使い分けることも楽しみの一つです。
料理に使用すると、さらに風味が広がり味わいが増しますね。チーズによって、選ぶワインも様々に変わるので、好みのワインと合わせてぜひお試しください。