【スタッフが語る】ちょっと寝かせても美味しいボジョレー・ヌーヴォー
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ボジョレー・ヌーヴォーの解禁まで残り2か月となりました。
秋の新酒の解禁がより一層楽しみになるよう、そしてボジョレー・ヌーヴォーの魅力を存分に知っていただくために、エノテカスタッフのボジョレー・ヌーヴォーへの想いをお伝えします。
今回は六本木ヒルズ店で店長を務める鈴木さんにお話を伺いました。
ヌーヴォーが濃くて甘いとグレートヴィンテージ
―ボジョレー・ヌーヴォーは毎年欠かさず飲まれますか?
はい、もちろんです。その年の個性を自分で理解するために毎年必ず飲みます。
「ボジョレー・ヌーヴォー」もブルゴーニュなんです。1番早く、その年のブルゴーニュのワインが飲める機会だと思うと、飲まずにはいられません!
ブルゴーニュは単一品種のワインが多いので、年ごとの傾向が出やすいと思います。それはガメイも同じです。
畑もブドウの品種も条件はほぼ一緒で、変わるのは基本的に天候などが主だと思います。
ボジョレー・ヌーヴォーを飲むことで、もちろんその年のボジョレーの個性も知れますし、そのあとにリリースされるコート・ド・ニュイやコート・ド・ボーヌなどのピノ・ノワールの出来や傾向、性格などがだいたい分かるので、毎年すごく楽しみにしています。
―これまで飲んできて美味しかった印象的な年はありますか?
2006年に入社してからは毎年のように飲んでいますが、特に2009年と2015年ですね。
その年は一口目から「濃くて甘い」。インパクトがある年でした。
ボジョレー・ヌーヴォーがしっかり濃くできている年は、そのあとにリリースされるブルゴーニュのワインも筋肉質でパワフルなピノ・ノワールができることが多く、グレートヴィンテージとなる可能性があります。なので、翌々年のブルゴーニュワインの入荷にすごく期待が持てますね。
案の定、2009年も2015年もグレートヴィンテージしたが、個人的には、2017年のような「エレガント」な味わいの年が好みなので、そういう年はたくさん買ってしまいます!
そういった指標にするのもボジョレー・ヌーヴォーの楽しみの一つでもあります。
あえてすぐに飲まない
―鈴木さんは毎年、ボジョレー・ヌーヴォーをどのように楽しんでいますか?
ボジョレー・ヌーヴォーってやっぱり解禁直後はお祭りなので、すぐに楽しむものというイメージがあると思いますが、発売から3か月後も美味しいんです!
もちろん解禁直後のヌーヴォーらしい生き生きとした味わいも美味しいですが、リリースから3、4か月経った頃も、味わいが落ち着いてきておすすめです。
パリの名門レストラン「タイユヴァン」がセレクトした「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ」が人気なのも、ヌーヴォーのイメージとは違った濃さや凝縮感があると思うんです。そういったしっかり感が3、4か月寝かせることでどう変わるのかの変化も楽しんでもらいたいなと思います。
私もエノテカに入社してから先輩社員や知り合いのソムリエさんからこういった楽しみ方を教えてもらって知ったので、ぜひ皆さんにも試してもらいたいですね!中には翌年の夏ごろまで飲まずに取っておくという方もいるくらいです。
―自宅用に毎年決まって買う1本などありますか?
解禁すると、アンリ・フェッシの「スウィート・バブルス・ヌーヴォー」を買って帰ることが多いですね。少し甘みのある赤の泡なので、そのワインを飲むだけで仕事の疲れが癒される気がします。
甘口ですが、冷やして飲むので、辛口が好きな人にも甘さがそこまで気にならずスッキリさっぱりと飲めると思います。
生ハムの塩気とワインの程良い甘さとの相性が最高で、一緒に買って手軽に合わせることができるワインですね!そういった使いやすさからもお気に入りの1本です。
後は、赤ワインじゃないのですが、「マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ」も美味しいです!スタッフの間で評価も高いですね。
水炊きとか寄せ鍋などにピッタリです。ヌーヴォーらしい素直な香りとニュートラルな味わいなので、そういった和食のような雑味が少ない料理と合わせるととても美味しいと思いますね。これからの時期にピッタリなペアリングです。
ボジョレー委員会の速報によると2020年のボジョレー・ヌーヴォーも濃厚な仕上がりが予想されています。
解禁直後に新酒の解禁を祝うのはもちろん、鈴木さんのようにちょっと寝かせて変化を楽しんでみても楽しそうですね!
そしてその新酒の出来から、翌々年のブルゴーニュワインの傾向を予想するなんて、なんだか通なボジョレー・ヌーヴォーの楽しみ方に感じました。