イタリアチーズの中でも最も古い歴史があると言われる、ペコリーノ・ロマーノ。羊乳から造られる、古代ローマ時代から食されてきた歴史の長いハードチーズです。
そのままワインと合わせてももちろん、強い塩気があるので、調味料として料理に活用できます。
今回は、ペコリーノ・ロマーノの特徴とおつまみレシピをご紹介します。食卓に欠かせない常備チーズの定番になること間違いなしですよ!
目次
ペコリーノ・ロマーノとは
種類 | ハードタイプ |
特徴 | 羊乳製。 アイボリーの色合い、つるつるとした薄い表皮。 キメの詰まった中身。 |
味わい | 水分が少なく硬い食感、塩味が強い。 羊乳の濃厚なコクと甘みを感じる。 |
イタリアのラツィオ州、サルデーニャ州 各州全域、トスカーナ州のグロッセート県全域で造られるペコリーノ・ロマーノ。イタリア語で「ペコーラ」は雄羊の意味があり、「ペコリーノ」とは羊乳チーズを指します。
ペコリーノ・ロマーノは、ローマで生まれたチーズですが、現在はサルデーニャ州で主に造られています。
古い歴史のあるチーズで、イタリア最古の2000年以上前から造られていました。疲れた兵士の心身の回復のために、ローマ軍の食料としても利用されていたそうです。
ペコリーノ・ロマーノの造り方は、温めた乳に乳酸菌とレンネット(凝乳酵素)を入れ凝固させ、ホエイ(乳清)を抜きます。加熱しながら水分を抜き、型に入れて成形し、長期熟成させます。
ペコリーノ・ロマーノは、伝統的に強い塩気によって、保存性が高いことが特徴です。そのまま食べると、ピリッとした刺激のある塩味を感じながらも、焙ったラム肉のような野性的な香りや、濃厚な羊乳のコクや旨味も堪能できます。
同じくペコリーノであるペコリーノ・トスカーノと混同しがちですが、トスカーナ州で造られるペコリーノ・トスカーノは、ペコリーノ・ロマーノよりもまろやかで、独特のコクがあり、塩味もペコリーノ・ロマーノより控えめです。
チーズにも旬がある?
チーズは季節によっても味わいが微妙に異なります。
牛や山羊、羊などが食べた牧草の餌がミルクになるので、冬の間に乾燥した草を食べたミルクと、青々とした春から初夏に草を食べたミルクでは、香りや脂肪分などにも違いが生じ、出来上がったチーズの濃厚さや香りに違いが現れます。
春は、山羊や羊が出産時期にあたり、チーズが旬を迎えます。ペコリーノ・ロマーノは、春にはそら豆とともに食卓に上がる習慣があり、オリーブオイルをかけてシンプルにいただけば、春の訪れを感じさせてくれます。
美味しい食べ方
そのまま食べるとピリッとした強い塩気を感じるペコリーノ・ロマーノ。そのまま食べることよりも、塩の代わりに調味料として使われることが一般的です。
イタリアではカルボナーラや、アマトリチャーナ、カチョ・エ・ペペ(チーズと黒こしょうのパスタ)などに使用されています。
チーズをすりおろして、パスタやリゾットなどにかけたり、粗めにカットしてサラダなどにトッピングしても美味しくいただけます。
塩気は強めですが、羊乳の濃厚なコクや甘みも感じるので、お酒のおつまみにはそのままでも楽しめます。ジャムを添えることでも、塩味が抑えられますよ。
簡単おつまみレシピ2品
今回はペコリーノ・ロマーノ特有の塩味の強さを活かした、簡単おつまみ2品をご紹介します。ペコリーノ・ロマーノをすりおろしてたっぷりと味わえば、ワインが進みますよ。
ペコリーノ・ロマーノたっぷりガーリックチーズトースト
ガーリックの香りとペコリーノ・ロマーノの塩気とコクをシンプルに味わえる、簡単おつまみトーストです。焼いている間の香りだけでも、ワインがさらに進んでしまいそうです。
【材料 2人分】
バゲット 6枚
Aペコリーノ・ロマーノ 大さじ2
Aオリーブオイル 大さじ1
Aパセリのみじんぎり 大さじ1
Aにんにくのみじんぎり 1片分
ペコリーノ・ロマーノ(仕上げ用) 適量
【作り方】
1. Aを混ぜ合わせる。
2.バゲットに1を塗り、トースターで焼く。仕上げにお好みの量のペコリーノ・ロマーノを削って、できあがり!
海老とペコリーノ・ロマーノのトマトソースパスタ
海老とトマトのパスタソースに、ペコリーノ・ロマーノをたっぷりと。さらに、仕上げにお好きなだけペコリーノ・ロマーノを削れば、風味豊かになり至福の味わいです。
【材料 1人分】
パスタ 80g
トマト缶 150g(ホールは潰しておく)
むき海老 100g(背わたを取り除く)
にんにく 1片(みじんぎり)
オリーブオイル 大さじ1
ペコリーノ・ロマーノ 15g(削っておく)
ペコリーノ・ロマーノ(仕上げ用) 適量
【作り方】
1.フライパンに、オリーブオイルと、にんにくのみじんぎりを入れ、弱火にかける。香りがたったら、トマト缶とむき海老を加え、混ぜながら海老に火を通す。
2.ソースを作っている間に、パスタを表示通りに茹でる。
3.水気を切ったパスタと、削ったペコリーノ・ロマーノをフライパンに加え、全体を絡める。
4.お皿に盛り、仕上げにお好みの量のペコリーノ・ロマーノを削りかけて、できあがり!
ペコリーノ・ロマーノに合うワイン
ペコリーノ・ロマーノの強い塩味は、ワインの果実味を引き立ててくれます。さらに羊乳の甘みとコクは、渋みをまろやかにしてくれます。
フルーティーなワインはより華やかに、渋みが強い赤ワインは穏やかに感じさせてくれますよ。
今回のシンプルなガーリックチーズトーストには、フルーティーでコクのある白ワインはいかがでしょうか。ペコリーノ・ロマーノのコクとガーリックの香りで、手が止まらない美味しさです。
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まとめ
お酒好きにはたまらない、イタリア羊乳チーズの代表、ペコリーノ・ロマーノ。長い歴史を持つペコリーノ・ロマーノは、人々の心身を癒やし、イタリアの食には欠かせないチーズとも言えますね。
塩味が強いチーズなので、日本酒や焼酎などにも合います。そのままを食べれば、牛乳製チーズとは異なる、羊乳製チーズ特有のコクと甘みを堪能できます。
調味料としても、今回のようにお料理にさっとすりおろして、気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。