冬の厳しい寒さから抜け出し、陽光きらめく爽やかな季節がやってきました。
春の市場は、旬を迎える美味しい野菜が盛りだくさん。旬の食材とワインを組み合わせると、楽しみ方も俄然広がります。
今回はそんな春野菜を使った料理とワインのペアリングについて考えてみましょう。
ペアリングのポイント
春の食材は、独特のほろ苦さ、繊細な旨みや甘みが感じられるものが多いのが特徴です。そんな食材とよく合うワインは、果実味が豊かで、酸が柔らかく、全体的に穏やかで丸みがあるタイプ。
食材の繊細さを消さないよう、淡い色合いで爽やかな白ワインを選ぶとうまくいきます。
ここからは、食材別に具体的にワインを合せてみましょう。
タケノコを使った料理に合うワイン
4〜5月、土からほんのちょっとだけ頭を出したタケノコの芽は、まさに春の風物詩。竹の寿命は100年と言われるなかで、食べられる「芽」の期間はほんの一瞬という貴重な存在です。
しっかりとした食感と瑞々しさ、ボリューム感のある食べごたえ。アジア圏以外ではほとんど食用されていないようですが、日本では定番中の定番と言える春野菜。炊く・煮る・焼く・揚げるなど、豊富なバリエーションで楽しめる春の味覚です。
青椒肉絲(チンジャオロース)のような味付け濃いめの中華料理には赤ワインを合わせたくなりますが、土佐煮、天ぷら、炊き込みご飯など、繊細な春タケノコによく合う料理には、同じく繊細な味わいの白ワインが堅実でしょう。バランスの良い穏やかな味わい、食べごたえのあるタケノコに負けないボリューム感のある白ワインがおすすめです。
タケノコは山の食材ですが、瑞々しさと独特のエグミが、海を感じさせるミネラル感と不思議な調和を発揮してくれます。果実味の中に、ミネラリーな余韻のある白ワインを合せると、タケノコ独特のエグミを程良くマスキングし、奥にひそんでいた旨みをグッと引き立ててくれます。
春キャベツを使った料理に合うワイン
秋に種をまき、4~6月に収穫する春キャベツ。冬キャベツに比べ葉の巻きがゆるやかで、やわらかな食感と甘く瑞々しい味わいは、春しか味わえないまさに旬の醍醐味です。
春キャベツの魅力を存分に堪能するには、サラダなど生のままシンプルにいただくのが基本ですが、香ばしさをプラスするキャベツステーキもおすすめです。
キャベツは芯をつけたままのくし形にカットし、オリーブオイルをひいたフライパンで表面をこんがりソテー。あえて半生状態に仕上げ、春キャベツの柔らかな食感を生かすのがポイント。キャベツの甘みが凝縮され、芯まで美味しくいただけます。
旨みたっぷりのキャベツには、同じく豊かな旨味を感じられるワインがピッタリです。味わいはドライで軽快、甘やかでトロピカルなアロマを感じさせる、穏やかな酸味の白ワイン。
春キャベツのステーキと合わせると、優しく穏やかな印象がふわっと華やかな広がりに変化。驚くほどその本領を発揮してくれます。
2023年
2,640 円
(税込)
アスパラガスを使った料理に合うワイン
通年野菜のイメージがあるグリーンアスパラガスですが、日本産の旬は春。春のアスパガラスは、他の季節に出回る物より香りが高く、瑞々しさとほろ苦さ、しっかりとした甘みを楽しめる人気の春野菜です。
春アスパラの瑞々しさには、合せるワインもジューシーなものが良いでしょう。イタリアを代表する白ワイン、フレッシュで爽やかなタイプのソアヴェを合せてみてください。
イタリア語で「心地良い」という意味を表すソアヴェ。その名の通り、伸びやかな酸と果実味が心地良い白ワインです。
柑橘系の果実味が華やかに広がり、後味にレモンピールのようなほのかな苦味。ハーブのニュアンスも感じられ、野菜らしい青さのあるグリーンアスパラガスにピッタリです。
茹でたアスパラガスに塩コショウだけ……それだけでも十分美味しくいただけますが、さらなるペアリングを堪能できるのが「ベーコン巻き」。アスパラガスにベーコンをクルクル巻き、オイルで焼いてシンプルに塩こしょうを振るお料理です。
ワインのフレッシュ感が、アスパラガス本来の甘み、ほろ苦さに寄り添いつつ、ベーコンの風味と旨みを引き立てます。余韻に残る酸がスッキリさせ、料理もワインもどんどん進みます。
まとめ
今回ご紹介した野菜の他に、新じゃが、新たまねぎ、そら豆、スナップえんどう、菜の花、山菜など、春に旬を迎える野菜は、甘く、やわらかく、ほのかな苦み、瑞々しさが共通の特徴です。
調理のポイントは、引き算の料理。あれこれ手をかけず、素材の味わいをそのままに、シンプルに美味しいのが春野菜の真価といえるでしょう。
春野菜をいろいろ一度に楽しみたい!など、迷ってしまった時は、フレッシュな果実味とシャープな味わい、ほのかにハーブ香を感じる白ワイン。または、よく冷えたスパークリングワインなら、万能タイプのワインとして最初から最後まで楽しめます。
新鮮な春野菜が手に入ったら、ぜひお試しください。