教科書を何度も読んでいるのに頭に入らない、テストで点数が取れない。そんな経験はないでしょうか。
それは、気が付かないうちに「勉強したつもり」になっているからかもしれません。
アウトプットが大切
「勉強したつもり」現象を避けるためにはどうしたらいいのでしょうか。
勉強ではインプットとアウトプットの両方が大切です。インプットは授業を受ける、教科書や参考書を読むです。アウトプットは人に説明する、書くなどです。
専門家によると、効果的な学習のためのインプットとアウトプットの黄金比率は4:6とも報告されています。
成績が伸び悩んでいる人の話を聞くと、たいていインプットしかしておらず、アウトプットに割いている時間と労力が少ないという共通点があるようです。
人に話すことだけがアウトプットではない
「今日学んだことを、その日のうちに3人に説明すれば、話しているうちに覚えられるよ」とよく耳にしないでしょうか。この言葉はいかにアウトプットが重要か物語っています。
「そんなワインの話を聞いてくれる人なんて周りにいないよ」「アウトプットの機会なんてないよ」と嘆かないでください。人に話す、文章に書く以外に、一人でもすぐ出来る、簡単なアウトプットの方法があるのですから。
それが「問題を解く」ことなのです。練習問題を解くことで、理解できてなかった部分、暗記できてなかったことを簡単に確認できます。また「ここはこういう形式で出題されるんだな」と問題の形式や、パターンを知ることもできるのです。
問題集選びも重要
日本ソムリエ協会が主催するソムリエ/エキスパートは、毎年数千人がチャレンジし、なおかつ数十年も続く人気がある資格試験です。そのため複数の問題集が市販されており、学習環境的には恵まれています。
(それに対して、エクセレンスやSAKE Diplomaのような資格では今のところ問題集が市販されていません。)
まずは書店に行って、実際に問題集を手に取ってみましょう。問題数、レイアウト、厚さや大きさ、文字のフォントサイズまで様々です。
ここでは具体的な問題集の名前は控え、良質な問題集の特徴を3つ紹介します。
1.単元ごとに問題がまとまっていること
2.問題と答え&解説が見開きで確認できること
3.1問1問解説がついていること
この条件が揃っている問題集は優秀です。
問題集をうまく使って成績爆上げしよう
問題集は最低5回解きましょう。1~3回目は学習の進捗と合わせて解き、4回、5回と繰り返すたびに、正解できるところは飛ばし、間違えたところを重点的に確認しましょう。
間違えた問題に付箋を貼ったり、印をつけておいたりするといいでしょう。漫然と問題を解いたり、解きっぱなしにしたりしないことも大切です。
1ページやるごとに解説を読み、理解を深めましょう。大切なのは解けない問題を解けるようにすること、自分の苦手を知ることです。
それ以外にも、正解でなかった選択肢がなぜだめなのか吟味したり、問題から発展させて学んだりすることも重要です。「最北」が尋ねられたなら、「最南」も合わせてチェックしておけば学びは深まります。
初頭効果と終末効果を最大利用しよう
問題集を解くとき、時間を区切って勉強すると集中力が高まります。25分ごとに5分から10分の休憩を入れ、やったことを思い出すようにすると記憶が定着しやすいとされています。
もし波に乗っていたら25分でなく、60分、90分と連続で続けるのも悪くないですが、時間を区切って勉強すると「初頭効果」と「終末効果」が現れることも知っておいてください。
「初頭効果」とは勉強に取りかかり始めた最初のころ、「終末効果」とはタイムアップに近づくころのことです。この二つは集中力が高く、記憶にも最適な時間なのです。
例えば3時間ぶっ通しで勉強すると、この「初頭効果」と「終末効果」は2回しか現れませんが、3時間を1時間ごとにわけて勉強すると「初頭効果」と「終末効果」が合計6回現れ、集中した時間が3倍多くなるのです。
スマホを征する者が受験を征す
「勉強したつもり」現象によくあるのが、スマートフォンで分からなかったところを調べているうちに、SNSをチェックし始めて、結局、ほとんど勉強していなかったというパターンです。
とある調査によると日本人のSNS平均使用時間は60~70分だとか。最近では、スマートフォンへの依存性が高く、手放せない人もいるようです。貴重な勉強時間をスマートフォンに盗まれないためにも対策したいものです。気になってしまうならスマートフォンを強制隔離するしかないでしょう。
最近では、スマートフォン専用金庫が販売されているのをご存知でしょうか。時間になるまで取り出せない仕組みになっているのです。
筆者もこの金庫を半年前から使っており、とても快適です。「どうせ金庫は開けないと」と思うと、不思議とスマートフォンへの関心は薄まるものです。
金庫を買わなくても、勉強中はスマホを下駄箱に入れておく、電源をオフにするなど、強制的にスマホを見ないようにする習慣も良いでしょう。最近のスマートフォンは1週間ごとに、使用時間を教えてくれるので、数字が減っていくと励みになるものです。
まとめ
大人になると、仕事、家事、家族との時間など、学生の頃と比べると、格段に勉強時間が少なくなるものです。またこの試験は膨大な暗記が求められます。
「つもり」をなくし、効率的に勉強して合格を目指しましょう。