長野産ワイン RUE DE VIN(リュードヴァン)のメーカーズディナー

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レポート
公開日 : 2017.8.21
更新日 : 2019.6.13
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エノテカのワインバイヤーが、ワインの最新情報について語り、時にワインの生産者やワイン界で活躍する人々と語り合う「ワインバイヤーズトーク」。本日は入手困難な日本ワイン、RUE DE VIN(リュードヴァン)の小山代表が主催したワインメーカーズディナーの模様をお届けします!
目次

フランスでもよく見かけるブドウの房が付いた標識

海外にいるかのような風情ある光景
ワイナリー名はフランス語で「ワイン通り」。すべての歴史はブドウ畑とワイナリーに通じる一本の通りRue de Vinから始まり、やがてこの通りにはレストランやオーベルジュが現れ、新しいワイナリーやブドウ農家が誕生する。それはまるで点と点が繋がって線が出来るように、「ワイン通り」は延びてゆくのです。
長野県東部、軽井沢にほどちかい東御市(とうみし)に2008年に設立されたワイナリーで、かつては一面に広がるリンゴ農園だった荒廃農地をブドウ畑に変えていき、現在は5.5haの広さの畑を所有。白ブドウはシャルドネやソーヴィニヨン・ブラン等、赤ブドウはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ等を栽培していますが、ブルゴーニュの平均栽培面積に近い小さな規模であるため、生産量が限られ、さらに限られたお店のみが取り扱いを許されているため、市場の流通量は非常に少なく買いたくても見つけられないのが現状です。

泡→白→赤→泡と続く素敵なラインナップ

品種毎にカラーが変わる一枚張りの可愛らしいラベル
場所は東京・湯島のビストロ「ブテイユ」。ワインバイヤーズトークの第4・5回目で登場頂いた山本シェフが、昨年の10月にボランティアとして参加したシャルドネの収穫体験がきっかけで、その後今年の5月に小山代表がお店を訪れワイン会の開催が決定。実はこの時期、小山代表は闘病から回復段階にある状況だったため、今回は快気祝いも兼てのディナーでした。

シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵のヴァン・ムスーNV

左)エビパン 中央)山梨産白桃と水牛モッツァレラのカプレーゼ 右)とうもろこしの冷製スープ
ヴァン=ワイン、ムスー=泡。つまりスパークリングワインのことですが、シャンパーニュと同じシャルドネとピノ・ノワールを使用して造られます。香りは非常に芳ばしく、西洋梨、蜜蝋、白い花など複雑。泡の量自体は控えめで味わいは濃密、奥行きがあり旨味もしっかりのっていますので、だし系のお料理とも相性は良さそうです。最後に樽由来のライトな苦味があり、どっしりとした骨格が感じられます。エビとホタテのピューレをパンで挟んでカットし、バターでソテーしたエビパンは何本でも食べれそうな美味しさで、ヴァンムスーとの相性もぴったりでした。

フランスのロワールに近いスタイルのソーヴィニヨン・ブラン2016年

近海穴子と夏野菜のテリーヌ、ソース・フヌイユ
ロワール河流域には白ワインから赤ワインまで沢山の銘醸地がありますが、ソーヴィニヨン・ブランで造られる白ワインと言えばサンセールとプイィ・ヒュメ。現地のテロワールは石灰質やシレックスが主体ですが、東御は花崗岩が混じる粘土質と異なる土壌ですがスタイルは似ているそう。グレープフルーツや西洋梨、アニス、金木犀、野菜やハーブのアロマが複雑で、酸味が凄くきめ細かいのが印象的です。それらの特徴を踏まえて用意されたお料理は、野菜の旨みとフヌイユ(ういきょう)の風味がワインとマッチしていました。

標高の高い場所で栽培されたシャルドネ2016年

オマールエビのポワレと白身魚と帆立のクネル ソース・アメリケーヌ
2種類造られるシャルドネの中でフレンチオークの小樽を使用した上級キュヴェにあたるコリーヌ・ドール。ヴァニラや樽、白桃などのアロマが絶妙にミックスされており、パイナップルなどエキゾチックな香りも感じられます。このニュアンスは、ブドウ畑が広がる一帯は日中は暑いのですが標高が高いため夜間は涼しく、寒暖差により北と南の産地の特徴を併せ持つことに由来するそうです。熟成に樽を使ったシャルドネと相性の良い甲殻類、特にオマールエビとのペアリングは抜群でした。

自社栽培のブドウのみを使用したメルロ2011年

和牛ほほ肉と万願寺とうがらしの赤ワイン煮込み
赤ワインは単一ブドウで造られるピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロの3種類に加え、ブレンドして造られるドゥー・ローブ・ヴィオレットを合わせた4種類。2011年は軽やかなヴィンテージでしたが、6年を経ても色調はガーネット色が残り、ブルーベリーやラズベリーの香りが広がりながら、小豆のフレーバー、東洋漢方、黒胡椒、山椒、丁子などのスパイスブーケが逞しく立ち上ります。滑らかでつるんとした味わいのメルロは、とろとろに煮込まれたほほ肉と合わせると加速度的に溶け合い口の中で上品に消えていきます。

シャンパーニュ製法で造られるリンゴのお酒、極みシードル

リンゴのお酒にはやっぱリンゴ三昧のデザート
まず名前がゴージャス。ポム・ドール=黄金のリンゴ、シードル・スペリュール=上級シードル。一般的にシードルはリンゴを圧搾して果汁を絞った後、酵母による発酵を行いアルコールと炭酸ガスが生成され、それを瓶詰することで発泡性のリンゴ酒ができあがります。つまり短期間で造ることができるのですが、このポム・ドールは発酵が終わったリンゴ酒をボルドーのワイン造りで使用される225Lの木樽に詰め、1-2年間ゆっくりと熟成させることで味わいの複雑さと丸みが高まり、更に幾つかの原酒をブレンドして瓶に詰め、瓶内二次発酵を1年間も行うのです。最古の原酒から数えて最長で3年もかけられる、気が遠くなるくらいの手間暇を掛けて造られるシードルは、リンゴの蜜の部分に近い濃厚なアロマに、穏やかできめ細かい泡と滋味深い自然な甘味が感じられます。小山代表いわく、デザート以外だと中華料理との相性が良いとのことでした。
2008年にリュー・ド・ヴァンが始動し来年は10年の節目の年。人気沸騰で入手困難なワインを造る小山代表ですが、現在所有する5.5haのブドウ畑を本人含め2.5人で運営する体制は、根性論で乗り切る部分が多いとの事。しかし、将来的には畑を増やし機械化を進めることで、生産量が増え価格を抑えることができるので、消費者にとっては喜ばしい時代が目の前に迫っているのかもしれませんね。今後も小山代表の動向は要チェックです!

今回ご紹介したワイン

※入手困難なワインですので今回はシードルのみのお取り扱いとなります。
ポム・ドール
/ リュー ド ヴァン
(日本 長野県)
2,600 円 (2,808 円 税込)

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