もうすぐクリスマス。家族や親しい仲間とテーブルを囲んで、「メリークリスマス!」。このシーンにケーキは欠かせません。
クリスマスは、キリストの「誕生」を祝うお祭り。世界には、様々な種類のクリスマススイーツがあります。
今回は世界のクリスマススイーツと、それぞれに合せたいおすすめワインをご紹介します。
目次
クリスマスにショートケーキを食べるのは日本だけ
クリスマスケーキの王道といえば、イチゴをたっぷり使ったショートケーキ。ふんわり焼き上げたスポンジ生地に、真っ白な生クリームと、真っ赤なイチゴを何層にも重ねたケーキは、クリスマスのテーブルには欠かせないと言っても過言ではないでしょう。
ところがこれ、実は日本だけの習慣。世界にはそれぞれのクリスマスを象徴するケーキやスイーツがありますが、日本のようにショートケーキが登場する国はありません。
フランスではブッシュ・ド・ノエル、ドイツではシュトレン、イギリスではクリスマスプディング、イタリアではパネトーネ、スペインではロスコン・デ・レジェス、アメリカではクリスマスにケーキを食べる習慣はなく、リンゴやカボチャなど旬のものを使ったパイを食べることが多いようです。
考えてみたら、4~5月が旬のイチゴは、そもそも旬外れのフルーツ。寒い季節に似合う素朴な焼き菓子を食べている国の人から見たら、クリームたっぷりのビジュアルも季節外れな印象かもしれません。
「ショートケーキ」とのペアリング
では、どうして日本のクリスマスにイチゴのショートケーキが定着したのでしょうか?
歴史的には、不二家が1910年にクリスマスケーキを発売したのがきっかけとされ、家庭用の冷蔵庫の普及も一役買っているようです。
イチゴの赤と生クリームの白、紅白の組み合わせは、日本では古くからおめでたい色とされています。また、赤はサンタクロース、白はしんしんと降り積もる柔らかな雪という、ロマンチックな乙女心をくすぐるものがあったのかもしれません。
イチゴのフレッシュ感や酸味には、シャンパーニュがとてもよく合います。でもこれは、イチゴだけでいただく時のお話。ショートケーキはスポンジや生クリームの甘みがあるので、フルーティーでやや甘口のスパークリングワインがおすすめです。
「え?甘いケーキに甘いワイン?」実はこれ、ワイン通の間では定番のペアリング。違う種類の甘さを重ねることで味わいのふくらみが増すとともに、潜んでいたワインの酸味がグッと際立ち、全体のバランスをほどよく引き締めてくれます。
スパークリングワインの泡がケーキの柔らかなスポンジ生地に溶け込み、ふんわり優しく包み込んでくれます。
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日本でも人気!フランスのケーキ「ブッシュ・ド・ノエル」
日本でも人気が高いブッシュ・ド・ノエルは、丸太をイメージして作られたフランスのクリスマスケーキです。
赤ちゃんの体が冷えないよう夜通し暖炉に薪をくべたという話や、寒さに震える恋人に薪を贈った話など、由来は諸説ありますが、いずれのエピソードも心温まるものがあります。
生地の柔らかさやクリームの甘みはショートケーキと似ていますが、チョコレートが加わり少し重心の重さを感じるブッシュ・ド・ノエル。やや甘口のスパークリングワインでも、白ではなく赤のスパークリングワイン、甘酸っぱいランブルスコはいかが?
甘いケーキに合せるとワインの酸味が引き立ちすぎてしまいがちですが、ここはチョコレートの酸味に程良くマッチ。チョコレートクリームのほろ苦さに寄りそうしっかりとした骨格、柔らかな口当たりも心地良く、ベリー系のチャーミングなアロマも相性抜群です。
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ドイツの定番!長期保存できる「シュトレン」
ドイツでは長期間保存できるケーキ、シュトレン(シュトーレン)がクリスマスの定番です。
スパイスを効かせた生地にドライフルーツをたっぷり練りこんで焼く、ケーキというより、どっしり重くて甘いパンのようなイメージ。
こちらはクリスマス当日に用意するのではなく、クリスマスの1ヶ月前に焼き、少しずつスライスして食べ進めながらクリスマスを待つというもの。日に日に味の熟成が進んでどんどん美味しくなっていき、クリスマスがどんどん楽しみになっていく、という特別なストーリーを持つスイーツです。
シュトレンの味わいは、スパイスの豊かな香りと、ドライフルーツの凝縮された甘味と風味。どちらもワインに感じるフレーバーととても似ています。
合せるワインも凝縮した果実味と少しスパイシーさを感じる赤ワイン。酸味やタンニンのインパクトは強すぎない、バランスの良いタイプが良いでしょう。
風味や味わいの共通項を合わせ、お互いの風味をより高めるペアリングになります。
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スペインのクリスマスパン「ロスコン・デ・レジェス」
スペインのクリスマスケーキは、ドーナツ型の大きなパン「ロスコン・デ・レジェス」。ドイツのシュトレン以上にパンに近い食べ物です。
赤・緑のドライフルーツとナッツがたっぷりトッピングされ、水の代わりにオレンジフラワーウォーターを使い、オレンジの爽やかな香りが広がるほんのり甘い幸せのパン。中には陶器の小さな人形が一つ隠されていて、切り分けた時、この人形が入っていた人はその年は幸運に恵まれると言われています。
合せるワインは、スペインのスパークリングワイン、ドライタイプのカヴァがピッタリです。
表面の香ばしさと、もっちり程良い生地の甘み、ほのかなフルーツの風味とバターの風味が、みずみずしさと熟成感をあわせもつカヴァの元気な泡と程良くマッチし、爽やかな余韻に導いてくれます。
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まとめ
大人の知識欲をくすぐる、その国の文化や歴史が反映されている、世界のクリスマスケーキ。ワインを合せると、更なる奥深い世界を堪能できます。
日本の定番ショートケーキにワインを合わせて楽しむもよし、世界のクリスマススイーツにワインを合わせて楽しむもよし。思い思いに大人のクリスマスを楽しみましょう!