本格的な夏がやってきます。暑い夏はよく冷えたスパークリングワインや白ワインをチョイスすることが多いと思いますが、赤ワインを冷やして飲むのもおすすめです。
赤ワインは常温で飲むのが定説とは言え、日本の蒸し暑い夏の常温では温度が高すぎて赤ワイン本来の美味しさを味わうことができません。
そこで今回は夏に美味しく赤ワインを飲むコツを紹介したいと思います。
赤ワインの適温は「常温」ではない!?
一般的に赤ワインは常温で飲むものと言われますが、それは夏でも日陰に入ればカラッと涼しいヨーロッパの気候でのこと。日本の夏とは環境が違います。
それでは、日本で赤ワインを飲む場合の適温とは何度くらいなのでしょうか?
それは赤ワインの種類によります。赤ワインは渋みや苦味の素となるタンニンを多く含んでいるため、高めの温度で飲めば渋みは抑えられますが、低めの温度で飲むと渋みが強調され苦味を感じてしまいます。
よって、タンニンの少ない若い赤ワインやライトボディ(軽口)の赤ワインは少し低めの12〜14度、ミディアムボディの赤ワインなら14度〜16度、フルボディの赤ワインや熟成感のある赤ワインは、少し高めの16度〜18度にするとよりタンニンはソフトになり複雑な香りや味わいを楽しむことができます。
夏場は外気温が高いので、いずれのタイプの赤ワインも上記の温度よりもう1度前後低くても良いかもしれません。
ワインの風味は、冷房の効いた室内で飲むのか、暑い日のアウトドアで飲むのか、さらにはどんな料理と合わせるのかなど、シチュエーションによって変わります。ですから、特にライトボディの赤ワインは、この時期ならさらに冷やして10度前後で飲めば、果実味と酸味、そして軽いタンニンが引き締まり、より美味しく感じるはずです。
そこで肝心なのが赤ワインの冷やし方。ワインセラーをお持ちの方は、夏場はセラー内の温度をいつもより少し低めに調節すると良いでしょう。
ワインセラーをお持ちでない方は、白ワインを冷やす要領で赤ワインも事前に適温まで冷やしましょう。
夏は赤ワインを冷そう!
それでは、具体的にどのような方法でどのくらいの時間冷やせば適温になるのか見てみましょう。下記の三つの方法をご紹介します。
- 冷蔵庫で冷やす
- 冷蔵庫の野菜室を活用する
- ワインクーラーで冷やす
①冷蔵庫で冷やす
冷蔵庫で適温に調節する場合は、前もって早めに冷蔵庫に入れておき、飲む時間から逆算して温度を適温まで上げるという方法が簡単です。
冷蔵庫の設定温度にもよりますが、例えば前日の晩からしっかり冷やして6度前後にまで冷えたワインは飲む1時間ほど前に冷蔵庫から出しておくと10度前後になります。
②冷蔵庫の野菜室を活用する
冷蔵庫の野菜室は冷蔵室より少し温度が高めに設定されていますから、野菜室で保管しておいても良いかもしれません。
野菜室の温度は一般的に3度〜8度ですから、飲む直前まで野菜室に保管しておき、グラスに注いでから少し温度が上がるまで待つなどして調節すると良いでしょう。
③ワインクーラーで冷やす
とにかく急いで冷やしたい場合は氷水をはったワインクーラーで冷やすのが1番です。
室温が25度の場合、1分で約1度温度は下がりますから、15分程度クーラーに浸けておくと10度前後の適温まで下がります。
ただし、ワインクーラーに入れっぱなしにしておくと冷えすぎてしまうので注意が必要です。
ワインは冷やすより温度を上げる方が時間を要すため、ワインを冷やし過ぎてしまった場合は、グラスに注いでからボウルの部分を手のひらで温めて温度を調節しましょう。
しっかり冷やして楽しむ赤ワイン
赤ワインのタイプ別適温について理解はできても、毎日猛暑が続くと、やはりよく冷えたものが飲みたくなりますね。
そこで、あまり神経質にならずに冷蔵庫やクーラーでしっかり冷やしても美味しく飲める赤ワインを紹介したいと思います。
①発泡性赤ワイン
スパークリングワインは白かロゼが一般的ですが、赤のスパークリングワインもあります。代表的なものはイタリアのランブルスコ。
発泡性ワインですから白やロゼ同様しっかり冷やして飲んでください。
辛口タイプのランブルスコは心地良いタンニンと軽い口当たりが特徴で、生ハムやソーセージなどのシャルキュトリとよく合います。
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②渋みの少ない赤ワイン
前述の通りワインは温度が下がれば下がるほど渋みが強調され苦味を感じてしまいますから、渋みの少ない赤ワインならしっかり冷やしても美味しく飲めます。
例えばガメイで造られたフレッシュなワインなどです。ボジョレー・ヌーヴォーを想像していただけるとわかりやすいかもしれません。
ピノ・ノワールの若いワインもおすすめです。ニューワールド産の若いピノ・ノワールのワインなら、酸味や渋味が穏やかなものが多いので冷やして飲んでも美味しいでしょう。
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③果実味主体のフルーティーなワイン
熟成感のある赤ワインで複雑な香りや味を楽しむなら適温で飲むのがおすすめですが、シンプルに果実味を楽しむ赤ワインであればしっかり冷やしても楽しめます。
例えば南フランスや南イタリア産で、太陽の恵みを十分に受けて育った完熟ブドウから造られたジューシーな赤ワイン。
イタリア・プーリア州で造られる「フィキモリ」は、暑さが厳しいこの地方で古くからある赤ワインを冷やして飲む習慣にヒントを得て生まれたワインです。
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まとめ
冷やして飲めば暑い夏も美味しく赤ワインが楽しめそうです。
トマトなど夏野菜を使った料理や、ハムやパテなどのおつまみには冷たい赤ワインがよく合います。
今年の夏は赤ワインを冷やして楽しみましょう!