知っておきたい!日本酒の種類と違い

お気に入り追加

公開日 : 2022.7.20
更新日 : 2022.7.22
シェアする
知っておきたい!日本酒の種類と違い

2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されてから、海外では日本酒ブームが続いています。


ここ10年、輸出量は毎年過去最高を記録しており、2021年には輸出金額が1,000億円を超えました。


日本特有のお酒「日本酒」は日本人にとって馴染み深いものですが、詳しく知ろうとすればするほど奥深く難しいイメージもありますよね?


居酒屋や日本料理店で日本酒を頼む際、同じ銘柄ばかりが並び混乱したこともあるかもしれません。


そのため、今回は日本酒を知る第1歩として日本酒の種類についてご紹介します。

目次

本醸造系と純米系

日本酒が並ぶ様子

日本酒はまずは醸造アルコールが使われているか、そうでないかの2種類に分けられます。


醸造アルコールとは主にサトウキビを発酵させた純度の高いアルコールのことで、もろみに適量添加すると、日本酒がより香り高く、スッキリとした味わいになります。


醸造アルコールが添加されているものを本醸造系、添加されていないものを純米系と言います。


ちなみにこの本醸造系、純米系はどちらも特定名称酒といい、お米の精米歩合や原料などの条件を満たしたものを指します。


それ以外の日本酒は普通酒と呼ばれます。


特定名称酒の生産は年々増加傾向にあり、日本酒全体の約40%(※)を占めます。

※国税庁鑑定企画官.“平成28酒造年度における清酒の製造状況等について” .国税庁.2018-02.https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/seizojokyo/2016/01.htm,(参照2022-07-19)

特定名称酒
本醸造系
純米系
本醸造酒純米酒
特別本醸造酒特別純米酒
吟醸酒
純米吟醸酒
大吟醸酒純米大吟醸酒

表に表すと上記の通りです。他はどんな分類なのでしょうか。

吟醸とは

ここで気になるのは「吟醸」という言葉かもしれません。日本酒のラベルでもよく見かけますよね。


これは吟醸造りをしている日本酒を指します。


吟醸造りとは吟味して醸造すること。よりよく精米した白米を低温でゆっくり(4、5週間)発酵させ、粕の割合を高くして特有な香りを有するように醸造させます。


日本酒はこの「精米」によっても種類が異なります。特定名称酒は精米歩合の表示が義務付けられているのです。


玄米をどのくらい磨いたかを表す数値が精米歩合で、残った米の比重の割合です。精米歩合60%と表記されているものは、玄米を40%磨いたということになります。


米を磨く理由はその表面近くにたんぱく質や脂質などが多く含まれ、日本酒にしたときにそれらが雑味となるから。磨けば磨くほど少量となるため、その分高価にもなります。


本醸造系
純米系



70%以下本醸造酒純米酒
60%以下、特別な醸造方法特別本醸造酒特別純米酒
60%以下吟醸酒純米吟醸酒
50%以下大吟醸酒純米大吟醸酒


生酒と生詰酒

特定名称酒が大きく純米酒、本醸造酒、吟醸酒の三つに分けられることをお伝えしてきました。


ただ、日本酒のラベルを見ると他の単語が書かれていることもあるかと思います。


ここからはそんなラベルに書かれた分類についてお伝えします。


生酒、生貯蔵酒、生詰など「生」と書かれた日本酒を見たことはありませんか?


これは日本酒造りの工程で行う加熱殺菌(火入れ)のタイミングと回数の違いによるもので、酒質が変わってきます。


通常、日本酒は貯蔵前と出荷前に火入れを行いますが、「生酒」は一度も火入れを行わず、「生貯蔵酒」は瓶詰めの直前に一度だけ火入れを行い、「生詰酒」は火入れを行ってから貯蔵します。


特に手間はかかっても手作業で火入れを行ってから低温貯蔵を経て出荷される「生詰酒」が注目されています。


貯蔵前火入れ出荷前火入れ
通常の日本酒
生酒××
生貯蔵酒×
生詰酒×

ひやおろしと夏酒

また、四季とともに移り変わる日本の景色と同じように、日本酒も季節ごとに味わいが変わります。


秋ごろに「ひやおろし」と書かれた日本酒を見かけたことはありませんか?


日本酒は通常、秋に収穫した米を晩秋から冬の間に仕込み、初冬から春に新酒となります。ひやおろしとはその新酒をひと夏、熟成させたものを指します。


ひやおろしの始まりは江戸期。劣化を避けるため春先に火入れしたうえで、新酒を大桶で貯蔵し、夏の間涼しい蔵で寝かせていたそうです。そして涼しくなった秋ごろに、二度目の火入れはせずに「冷や」のまま樽へ「卸し(移し)」売り出されたことから「ひやおろし」と呼ばれるようになったそう。


穏やかな香りやなめらかな口当たり、濃密な味わいが魅力です。


また、6月頃から出回るのが「夏酒」。明確な定義はありませんが、「冷やして飲んでおいしい日本酒」でフレッシュな味わいのものが多いです。

まとめ

ワイン同様奥深い日本酒の世界に足を踏み入れてみました。少しややこしい日本酒の種類が整理できましたか?


いろいろな味わいを試してみて自分好みの日本酒を探してみてください。

    この記事をシェア

    公式SNS・APP

    最新情報やワインの読み物を 毎週お届けします

    line お友達登録

    お買い物に便利! アプリ限定クーポンも随時配信

    公式アプリ

    ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。
    妊娠中及び授乳中の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。

    ほどよく、楽しく、良いお酒。のんだあとはリサイクル。

    エノテカ株式会社はアサヒグループです。