まだまだ残暑が厳しいですが暦の上では、9月は秋。秋と言えば芸術の秋、食欲の秋、そしてスポーツの秋ですよね。

様々なスポーツイベントが開催されますが、フランス・ボルドーではメドックマラソンが行われます。

新型コロナウイルスの影響で2020年、2021年は延期となりましたが、2022年は9月10日（土）に開催されます！

メドック地区と言えば名だたるシャトーがひしめくワイン産地。

そんな中を走り抜けるメドックマラソンとはどんなものなのか？詳しくお伝えします！

メドックマラソンは毎年9月上旬に開催される、ボルドー・メドック地区を走るフルマラソンです。

フランス国内だけでなく世界各国から、毎年約8,500人ものランナーが参加します。

日本からも参加者が増えており、旅行会社が企画するメドックマラソン参加ツアーに申し込み、観光も兼ねて参加する人も多いようです。

コースはポイヤックを中心にサン・テステフ、サン・ジュリアン地区周辺に設定されており、道の至る所に有名シャトーが点在しています。

ボルドーのシャトーは格式高い佇まいで優雅な建造物が多く、実際に見るその姿は圧巻！思わずマラソンを忘れて見入ってしまうでしょう。

もちろんポイヤック地区の格付け1級シャトーであるシャトー・ムートン・ロスチャイルドやラフィット・ロスチャイルド、ラトゥールもランニングコースの付近に位置しており、憧れのシャトーを直接見ることができるかもしれません。

さらに開催時期である9月はブドウ収穫直前の季節。たわわに実った各シャトーのブドウ畑を眺めながら走ることもできますよ。

メドックマラソン最大のイベントは何といってもワインが飲めること！

レース中には給水所ならぬ“給ワイン所”が用意されていて、ワインを飲みながら走ることができるんです。

格付けシャトーもワインを出していますが、人気のシャトーのワインは早い者勝ち！運が良ければファーストラベルの高級ワインをテイスティングできるかもしれません。

ちなみに給ワイン所は約2キロごとに設置されており、各シャトー自慢のワインを飲み比べながら走ることも！まさにワインラヴァーのための大会ですよね。

ただしワインを飲みながらのマラソンは間違いなくハードだと思うので、水分補給も忘れずに行いましょう。

事前にコースマップが公開されているので、あらかじめ自分が飲みたいシャトーのワインに狙いを定めておくのもありかもしれませんね。

またレース中はワインだけでなく牡蠣やステーキ、チーズやアイスクリームなどの補給所もたくさんあり、ワインと共に美味しい食事を味わうことができるんです。

他にも各地で音楽隊の演奏が行われていたりと、レース会場はお祭りのように賑やか。楽しみながら走ることができます。

そのほか注目すべきは、出場者のマラソン衣装。

メドックマラソンには毎年テーマが決められており、出場者の多くはそのテーマに沿った衣装で参加します。

それぞれが工夫を凝らした衣装で走る様子はまるで仮装パーティーのよう！見ているだけでも楽しめそうですよね。

ちなみに2022年のテーマは「Le marathon des Châteaux du Médoc fait son Cinéma（＝シャトー・デュ・メドック・マラソンで映画鑑賞 ）」。映画のワンシーンを連想させるようなユニークな仮装にも期待が集まります。

ワインが飲めて現地の食事も楽しめて最高！と言いたいところですが、実はメドックマラソンは意外とハード。

マラソンコースはポイヤック特有の砂利道が多くアップダウンも多いため、フルマラソンを完走するのは決して楽ではありません。

朝の9時半からスタートした後はだんだんと日差しが厳しくなっていき、特にレース後半はランナーの体力をじりじりと奪います。

また時間制限も設けられており、多くのフルマラソン同様、6時間30分以内に完走できないとゴールが封鎖されてしまいます。

とはいえメドックマラソンは他のマラソン大会と違い、タイムを競うランナーは少数派。大多数のランナーは完走タイム関係なく、時間制限の中でいかにレースとワインを楽しむかを競います！

ちなみに完走すると、ワインやメダルなどの記念品がもらえます。

そしてレースの優勝者にはなんと体重分のワインが贈呈されるというユニークな副賞も！どうやって持って帰るかはさておきワイン好きにはたまらないプレゼントですよね。

ワイン好きなら一度は走ってみたいメドックマラソン。

実際のシャトーやワイン畑を見ながらのマラソンは、他のマラソンにはない楽しみがたくさんあり、特にワインラヴァーにとってはかけがえのない経験になることでしょう。

興味のある方は来年の出場に向けて体力をつけ、ぜひチャレンジしてみては？