フランスを代表する銘醸地ブルゴーニュにおいて、最高峰と格付けされているのが特級畑です。
そんな名だたるブルゴーニュの特級畑の中でも、2番目に広い面積と多数の生産者が存在し力強いワインを生み出すことで知られる「エシェゾー」。
今回は、この偉大な特級畑についてご紹介します。
産地 | フランス ブルゴーニュ地方 コート・ド・ニュイ フラジェ・エシェゾー村 |
面積 | 35.77ha |
土壌 | 粘土、石灰、泥灰土など |
タイプ | 赤 |
品種 | ピノ・ノワール |
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テロワール
エシェゾーは、コート・ド・ニュイにあるフラジェ・エシェゾー村にある畑です。
フラジェ・エシェゾー村は、周りをヴォーヌ・ロマネ村、シャンボール・ミュジニー村、ヴージョ村の名だたる銘醸地に囲まれた非常に優れた立地。
この村には、エシェゾーの他にグラン・エシェゾーという特級畑もあります。しかしながら、フラジェ・エシェゾーという村の名前は他の村に比べてそこまで認知されていません。
というのもフラジェ・エシェゾーというアペラシオンはなく、特級・一級畑以外のブドウで造られたワインはヴォーヌ・ロマネあるいはブルゴーニュ・ルージュなどの名で販売されているからです。
ヴォーヌ・ロマネのグラン・クリュ
そんなフラジェ・エシェゾー村の東側、標高約230~300mの斜面にエシェゾ―の畑は広がります。土壌は複雑で、ジュラ紀の石灰岩盤に粘土石灰質の表土に小石や泥、黄色の泥灰土がモザイクのように広がっています。
さらに、エシェゾーは以下の11のリューディー(小区画)に分けることができます。
レ・ボーモン・バ(Les Beaux Monts Bas)
レ・シャン・トラヴェルサン(Les Champs Traversins)
クロ・サン・ドニ(Clos St Denis)
レ・クリュオ/ヴィーニュ・ブランシュ(Les Cruots ou Vignes Blanches)
エシェゾー・デュ・ドシュ(Echezeaux du Dessus)
レ・ロアショス(Les Loachausses)
アン・オルヴォー(En Orveaux)
レ・プレレール(Les Poulailleres)
レ・カルティエ・ド・ニュイ(Les Quartiers de Nuits)
レ・ルージュ・デュ・バ(Les Rouges du Bas)
レ・トゥルー(Les Treux)
中でもエシェゾー・デュ・ドス、レ・プレレール、アン・オルヴォーのリューディーは、日当たりが良好で水はけも良く、最高の区画と言われています。
ワインの特徴
エシェゾーではピノ・ノワールのみでワインが生産されています。
ピノ・ノワールはブルゴーニュ全域で栽培される非常に繊細で栽培が難しい品種ですが、その分畑がもつテロワールをしっかりと表現してくれます。
エシェゾーで生み出されるワインは、紫がかったルビー色の外観。
プルーンなどの果実やスパイスの香りが特徴で、若いヴィンテージではバラやスミレ、チェリーのニュアンスが。熟成とともにムスク、革、毛皮、キノコの香りも感じられるようになります。
他の特級畑のワインと比較しても、たくましくふくよかな印象。口に含むといきいきとしたアタックとしなやかなタンニンが感じられます。
ヴィンテージや生産者のスタイルにもよりますが、最低でも4〜5年は熟成させてから楽しむのがおすすめです。
歴史
フラジェ・エシェゾー村は、もともとはフラジェという名の村でした。
偉大な特級畑エシェゾーに敬意を払い、19世紀後半に名前が統合されたと言われています。
こうした畑の名前を村名につけるといった名称変更は、他の村でも行われており、ピュリニー・モンラッシェやジュヴレ・シャンベルタンも同様の理由で名前が変わっています。
代表的な生産者
最大所有者はドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティで、およそ5ヘクタールの畑を所有しています。
ドメーヌ・モンジャール・ミニュレとエマニュエル・ルジェもまた、この畑に大きな区画を所有している生産者です。
- ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(最大所有者)
- ドメーヌ・モンジャール・ミニュレ
- エマニュエル・ルジェ
- フランソワ・フュエ
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