ヴェネト州の名手アレグリーニが、2007年からイタリア・トスカーナ州で手掛けるワイナリー「サン・ポーロ」を、今年7月にエノテカスタッフが訪問してきました!
ワインメーカーのリカルドさんと輸出部長のサヴェリオさんの案内のもと、ブドウ畑やセラーを見学。
ワイナリーが力を入れているサスティナブルなワイン造りや、今注目の単一畑キュヴェなど、サン・ポーロの”今”を見てきました。
サン・ポーロとは
サン・ポーロは、2007年にトスカーナ州・モンタルチーノの地でスタートしたワイナリー。
フラッグシップであるブルネッロ・ディ・モンタルチーノはじめ、手頃な価格ながらも高評価を得るサン・ポーロ ルービオなど、サンジョヴェーゼの魅力を余すことなく表現したワインを生み出しています。
このワイナリーを所有しているのは、イタリアの権威あるワイン評価誌「ガンベロ・ロッソ」の2016年版にて「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、イタリア最高の生産者に輝いた名門、アレグリーニです。
ヴェネト州の名手がトスカーナという新境地で生み出すワインとして、近年注目を集めています。
Topics1 セラーまでサスティナブル!?
サン・ポーロを説明する上で欠かせないキーワードが「サスティナビリティ」です。サン・ポーロでは、当初からサスティナブルなワイン造りを意識してきたそう。
彼らのサスティナブルな取り組みは、今回訪問したワイナリーの建物自体からも感じることができました。
セラーは半地下の状態になっており、温度や湿度のコントロールに必要なエネルギーを少なくしています。エイジングセラーの壁と土の間にはあえて空間を作り、保温断熱効果、湿度対策をしているのだそう。
また、地下水を通すパイプがエイジングルーム天井に設置され、冷房を使わずにセラールームを冷却しているとのこと。
他にもワイナリー内の空気の循環は天井部分にある特殊な排気口を使用することでエネルギーを使わず行うなど、ワイナリーのあちこちでサスティナブルを意識した工夫を発見することができました。
近年、サスティナブルに力を入れるワイナリーは少なくありませんが、中でもこのサン・ポーロは積極的な取り組みをしているのだと、今回の訪問を通して感じました。
Topics2 注目の単一畑
さらに今回の訪問では、サン・ポーロが現在特に力を入れているという単一畑も見学することができました。
サン・ポーロでは2015年ヴィンテージより、優れた畑で採れたブドウのみを使用した単一畑キュヴェを生み出しています。
その畑がポデルノーヴィとヴィーニャヴェッキアです。
この二つの畑を選び出すために、サン・ポーロではまず畑の地質調査を行うところからスタート。丘の東西南北4方向の斜面の計90か所において、地下2mまでの地質を調査したそうです。
その結果、ブドウ栽培に適した土壌で、かつ日照量も多いこのポルデノーヴィとヴィーニャヴェッキアを選出しました。
ポデルノーヴィは、南東向きで緩やかな傾斜、土壌は粘土泥灰土でミネラルが豊富で、ヴィーニャヴェッキアよりも粘土の量が多い畑。ワインはエレガントかつ奥行きがある味わいになるそうです。
一方でヴィーニャヴェッキアは南西向きの畑。日照量が多く、また傾斜が強く水捌けが良く果実の水分量が少なくなるため、より凝縮感が強いワインが生まれるのが特徴です。
畑のもつ特徴を生かし、ポルデノーヴィでは複雑さを、ヴィーニャヴェッキアではエレガントさとハーモニーを意識したワイン造りを行っているそう。
今後ますます品質が向上していくであろう単一キュヴェから、目が離せません!
Topics3 最新ヴィンテージはどんな味わい?
今回は最新ヴィンテージの2017年のブルネッロ・ディ・モンタルチーノをテイスティングさせていただきました。
2017年のモンタルチーノは、デキャンタで「砂漠のヴィンテージ」と呼ばれるほどの厳しい年。
リカルドさんいわく、「冬は温暖で非常に乾燥しており、芽吹きは通常より2週間ほど早かった。通常のヴィンテージよりも甘やかで熟した果実のニュアンスが出ており、果実の要素が親しみやすいスタイルになっている」とのことでした。
熟したチェリーのような果実の味わいで、余韻も長くエレガントな仕上がり。熟成はもちろんのこと、早くからも楽しむことができる味わいでした!
サン・ポーロからメッセージ
『サン・ポーロでは「エレガントなスタイル」と「果実味、酸、ボディのバランス」の二つをキーワードにワインを造っています。
ワインが好きだという方にはぜひトライしてみてください!』
まとめ
今回の訪問では、改めてサン・ポーロのワイン造りに対するこだわりを実感することができました。
皆さんもサン・ポーロのワインをぜひ試してみてくださいね。
サン・ポーロのワインはこちら