バニュルスとは

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公開日 : 2022.8.10
更新日 : 2023.7.12
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バニュルスとは

バニュルスはフランス最南端、スペインと国境を接する沿岸部にある産地名(A.O.C.)であり、そこで造られるヴァン・ドゥー・ナチュレル(天然甘口ワイン)のことを指します。


そんなバニュルスのワインについて解説します。


産地フランス ルーション地方のピレネー・オリエンタル県に属する
バニュルス・シュール・メール、セルヴェール、コリウール、ポール・ヴァンドルの4つの村
面積828ha
土壌シスト(結晶片岩)
タイプヴァン・ドゥー・ナチュレル(天然甘口ワイン) / 赤・白・ロゼ
品種

グルナッシュ、グルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・グリ、マカブー、ミュスカ・ア・プティ・グラン、ミュスカ・ダレキサンドリー、トゥルバ

(補助品種としてカリニャン、サンソー、シラー)


目次

テロワール

バニュルスの産地は、冬は穏やかで夏は暑く乾燥し、雨がほとんど降らない典型的な地中海性気候です。


ブドウ畑は海に向かって傾斜する吹きさらしの結晶片岩の険しい段丘にあります。この地方独特の「トラモンタン」と呼ばれる、乾いた冷たい風によってブドウ樹は過度の暑さから守られると同時に、乾燥していることから病害も少ないため、有機栽培を実践している畑が多いのが特徴です。


バニュルスの色合い、スタイルは多種多様ですが、いずれもグルナッシュを主体としています。

ワインの特徴

赤ワインの画像

ヴァン・ドゥー・ナチュレルのバニュルスはブドウ果汁の発酵途中にアルコールを添加し、発酵を停止さることで天然の糖分をワインに多く残留させるため、甘口になります。1936年にA.O.C.に認定されました。


バニュルスには以下の5種類のタイプがあります。

・バニュルス・アンブレ

果皮と果汁を発酵前に引き離し、最低3年の酸化熟成を施したもの。主要品種はグルナッシュ・ブラン。


・バニュルス・ブラン

果皮と果汁を発酵前に引き離し、少なくとも収穫翌年の5月1日まで還元的に熟成させたもの。主要品種はグルナッシュ・ブラン。


・バニュルス・リマージュ

果皮とマストを引き離す前に酒精強化し、少なくとも収穫翌年の5月1日まで還元的に熟成させたもの。主要品種はグルナッシュ。


・バニュルス・トラディショネル

発酵中、マストと果皮を絶えず醸し、最低3年の酸化熟成を施したもの。主要品種はグルナッシュ・グリとグルナッシュ。


・バニュルス・ロゼ

果皮と果汁を発酵前に引き離して造られたもの。主要品種はグルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・グリ、グルナッシュ。

豆知識

樽の画像

バニュルスの上位のA.O.C.として1962年に認定されたバニュルス・グラン・クリュは、赤のヴァン・ドゥー・ナチュレルにのみ認められており、グルナッシュを75%以上使用し、オーク樽で30ヶ月以上熟成させて造られます。


濃厚な甘みとタンニンによるほろ苦さはチョコレートとの相性が大変良いことで知られています。


なお、5年以上熟成させたアンブレやトラディショネル、バニュルス・グラン・クリュには『Hors d’age(オールダージュ)』の表記が許され、ランシオ香(※)が生じたワインには『Rancio』の表記ができます。

※ランシオ香とはブランデーのコニャックの熟成が進むにつれて現れる長熟コニャック特有の香味の一つ

代表的な生産者

参考文献:日本ソムリエ協会 教本2021

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