ヴェルディッキオは、イタリア中部マルケ州で広く栽培される土着品種。
フレッシュで軽やかなワインから、複雑で長期熟成向きのワインまで、幅広いタイプのワインを生み出します。
そんなヴェルディッキオについて詳しくご紹介します。
ヴェルディッキオの特徴
種類 | 白ブドウ |
主要産地 | イタリア マルケ州 |
香り | 柑橘類、白い花、アーモンド |
味わい | 高い酸、豊かなミネラル感、ほろ苦い余韻 |
ヴェルディッキオは、イタリア土着の白ブドウ品種。
緑(verde ヴェルデ)がかったブドウの色合いから、こう名付けられました。
イタリア北部のヴェネト州から中部のマルケ州に伝わったと言われており、14世紀からヴェルディッキオの使用が記録されています。
そんなヴェルディッキオの名が知れ渡ったのは1950年代のこと。
ヴェルディッキオのワインがアンフォラ型のボトルで世界的に大成功を収め、各地のイタリア料理店でよく提供されるようになったのです。
1980年代初頭からは通常のボトル形状が一般的となり、ワインの品質も向上していきました。
ヴェルディッキオから造られるワインは、しっかりとした酸味とミネラル感、アーモンドを思わせるビターな風味が特徴。
若いうちは、グレープフルーツやレモンといった柑橘果実を思わせるフレッシュな味わいです。
熟成とともにハチミツやマジパンを思わせる甘やかで複雑なニュアンスが現れます。
代表的な産地
ヴェルディッキオの主要産地はイタリア中部にあるマルケ州です。
マルケ州のブドウ畑は丘陵地帯に広がっており、土壌は主に石灰質。
州都アンコーナより北は亜大陸性気候と地中海性気候が混ざった気候、南は地中海性気候となっており、夏の暑さは海風により和らげられています。
そんなマルケ州には、ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージと、ヴェルディッキオ・ディ・マテリカという二つのD.O.C.があります。名前にもある通り、もちろんどちらもヴェルディッキオ主体で造られます。
ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージは、アンコーナ周辺のエジノ川両岸に広がる標高200〜500mの丘陵地帯で造られる白ワイン。
早くからも親しみやすい、フレッシュかつフルーティーなワインから、長期熟成向きの力強く深みのあるワインまで様々なタイプが造られています。
一方、ヴェルディッキオ・ディ・マテリカはアンコーナから内陸に入ったマテリカ渓谷で造られます。
アペニン山脈の影響による昼夜の激しい寒暖差があるため、酸味を高く保持し、ミネラル感の強い、長期熟成向きの白ワインが生み出されます。
おすすめワイン
初めてヴェルディッキオを飲むなら、ヴェルディッキオの評価向上に尽力した造り手「ガロフォリ」のワインがおすすめです。
ヴェルディッキオを100%使用し、樽熟成を行わずステンレスタンクのみで仕立てているため、ヴェルディッキオの個性がしっかりと表現されています。
フローラルで柑橘果実を思わせるアロマ、凝縮した果実味とアーモンドのニュアンスが魅力。
それまでのヴェルディッキオの安く味気ないワインというイメージを覆した1本と高く評価されています。
さらに、10年もの長期熟成のポテンシャルを備えています。
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まとめ
世界中で土着品種や伝統的な技術を守る取り組みに注目が集まっている今。
今回はイタリアが誇る白ブドウ品種、ヴェルディッキオをご紹介しました。
早飲みのデイリーワインとしても、長期熟成用としても魅力的なヴェルディッキオワイン。
ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
参考文献:日本ソムリエ協会 教本2018