モルゴンは、フランスのブルゴーニュ地方、ボジョレー地域にあるワイン産地です。
ボジョレーといえば、毎年11月第3木曜日に解禁する「ボジョレー・ヌーヴォー」が有名で、新酒ならではのフルーティーでフレッシュな味わいが魅力です。
しかし、ボジョレー地域の中にはそんなボジョレー・ヌーヴォーとは異なる、複雑で深みのある味わいのワインが生み出される「クリュ・デュ・ボジョレー」という区画が存在します。
ボジョレー北部に位置しており、10の地区だけがA.O.C.(原産地呼称)として認められています。
モルゴンはそのうちの一つ。
今回はそんなモルゴンをご紹介します。
産地 | フランス ブルゴーニュ地方 ボジョレー地域北部 |
面積 | 1,140ha |
土壌 | 花崗岩、片岩 |
タイプ | 赤 |
品種 | ガメイ |
モルゴンのワインはこちら
テロワール
モルゴンは、クリュ・デュ・ボジョレーの中で、ブルイィに次いで二番目に広い1,140haの面積を誇ります。
ソーヌ川の西側斜面に位置しており、夏は暑く冬は寒い半大陸性気候。
花崗岩と片岩に基づいた、鉄分の豊富な土壌を有しています。
ワインの特徴
モルゴンのワインに使用するブドウは、ガメイ種です。
フレッシュな赤系果実やキャンディを思わせるアロマ、穏やかな酸味と軽やかな口当たりが魅力のワインを生み出し、ボジョレー・ヌーヴォーや若いガメイのワインにはこのような特徴が顕著に現れます。
一方モルゴンの地では、豊富な日照量のため複雑な風味としっかりとした骨格を持つ濃密な味わいとなり、瓶詰後の熟成に2~3年ほどの長い時間を必要とします。
このようなモルゴンのワインは、クリュ・デュ・ボジョレーの中でも最も男性的と表現されています。
豆知識
上述のように、モルゴンは特に熟成能力に長けているため「モルゴンヌする "il morgonne" ("it morgons") = 時間をかけて熟成する」といい、モルゴンという言葉自体が動詞として使われることもあるのです。
また、モルゴンの中央部にはコート・ド・ピィという特別な丘があります。
標高460mにもなる丘の頂上に畑があり、傾斜地のため日照量が多くしっかりとブドウが熟すことから、モルゴンの他の地域よりも高品質なワインが造られることで有名です。
熟成向きのボジョレーワインを探すなら、モルゴン、さらにコート・ド・ピィのワインがおすすめと言えるでしょう。
代表的な生産者
- ドメーヌ・ジャン・フォイヤール
- アンソニー・テヴネ
- ドメーヌ・ジュール・デジュルネイ
- ドメーヌ・ルイ・クロード・デヴィーニュ
- ドメーヌ・マルセル・ラピエール
- ギィ・ブルトン
- ジャン・ポール&チャーリー・テヴネ
- ドメーヌ・ジャン・マルク・ビュルゴー
- ダニエル・ブーランド
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参考文献:日本ソムリエ協会 教本2018