グラーヴとは

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公開日 : 2022.9.10
更新日 : 2023.7.12
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グラーヴとは

グラーヴとは、フランス・ボルドー市の南、ガロンヌ河左岸に幅約12km、全長約60kmの地帯に広がるワイン産地です。


圧倒的に赤ワインの生産量が多いボルドーにおいて、グラーヴ地区は赤ワイン、白ワイン、甘口ワインと多様なスタイルのワインを生む独特な地区となっています。


グラーヴ地区にはA.O.C.グラーヴおよびグラーヴ・シュペリュール、1987年にグラーヴから独立したペサック・レオニャン、そして貴腐ワインで有名なソーテルヌとバルザック地区も含まれますが、今回はA.O.C.グラーヴ、グラーヴ・シュペリュールとペサック・レオニャンについて紹介します。

産地フランス ボルドー地方 グラーヴ地区
面積1,480ha
土壌砂利質、粘土質、砂岩
タイプ赤、白、甘口白
品種赤ワイン用:カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ、コー、プティ・ヴェルド、カルムネール

白ワイン用:セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ソーヴィニヨン・グリ、ミュスカデル

グラーヴのワイン

ペサック・レオニャンのワイン

目次

ワインの特徴

赤ワインと白ワインの画像

フランス語で砂利を意味するグラーヴという地名は、この地の土壌がピレネー山脈を源流とするガロンヌ河が運んだ砂利に覆われていることに由来しています。


同じくガロンヌ河左岸に位置するメドックと似た土壌ではありますが、グラーヴはメドックより南部に位置しガロンヌ河の輻射熱も影響するため、ブドウの生育はメドックより幾分早くなります。


A.O.C.グラーヴおよびグラーヴ・シュペリュールはボルドー市の南西からランゴン市の先に位置する42の村に認められており、より上質な赤ワインを産出するペサック村やレオニャン村など北部の10の村のみに認められたA.O.C.がペサック・レオニャンです。1855年のメドック格付けで唯一グラーヴ地区から選ばれたシャトー・オー・ブリオンは、ペサック村にあります。


また、グラーヴ・シュペリュールは貴腐または遅摘みにより熟度の上がったブドウから造られる甘口白ワインに認められたA.O.C.です。


グラーヴで造られる赤ワインは、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体にメルロやカベルネ・フランをブレンドして造られます。芳醇で複雑な香りがあり、繊細で柔らかみのあるもの、また、新樽を使用した重厚感のあるものなどシャトーによってスタイルは異なりますが、いずれにせよ長期熟成可能で気品を備えた赤ワインが造られています。


白ワインはソーヴィニヨン・ブランを主体とし、豊富な果実味を持ちながらバランスの良い辛口で、長期熟成させることも可能なワインが生産されています。

グラーヴの歴史と格付け

グラーヴのワイン造りの歴史は古く、中世の頃にはすでに名醸地として知られており、メドックが有名になる18世紀以前は、グラーヴのワインが圧倒的に人気でした。


かつてボルドーがイギリス領だった時代に「クラレット」という呼び名で親しまれたワインはグラーヴのものだったと言われています。


グラーヴの格付けは、1855年のメドックの格付けから100年近く後の1953年に公表、1959年に承認されました。階級分けは行われず、16のシャトーがワインの色とともに選ばれています。


具体的には赤ワインが選出されたのが7シャトー、白ワインが選出されたのが3シャトー、赤ワインと白ワインの両方が選出されたのが6シャトーの合計16シャトーです。


もちろん、メドックの格付けで第1級に選ばれた赤ワインのシャトー・オー・ブリオンもこの格付けに入っています。しかし、当時すでに造られていた白ワインは生産量があまりにも少なくオーナーが辞退したため格付けには入っていません。


なお、グラーヴの格付けシャトーは全てA.O.C.ペサック・レオニャンに属しています。

代表的な生産者

グラーヴのワイン

ペサック・レオニャンのワイン

参考文献:日本ソムリエ協会 教本2021

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