ソムリエのようにカッコよくワインを注ぎたいと思ったことはありませんか? コツを掴めば簡単、あなたもプロのように美しくワインを注ぐことができますよ。
この記事では、ワインの正しい注ぎ方や注意点、マナーをご紹介します。ワインの正しい注ぎ方を知っていれば、会食やホームパーティーの場で不安にならずに済みます。スマートな立ち振る舞いで、好印象を与えましょう。
目次
ワインの正しい注ぎ方の手順
ワインを注ぐ時に意識する手順は以下の4点です。順番に各ステップの注意点やコツを解説していきます。
- ラベルを上向きにして相手に見えるように持つ
- 両手もしくは片手でボトルを持ち上げる
- 香りが溜まるようにグラスの3分の1を目安にして注ぐ
- ワインがこぼれないように軽くひねりながらボトルを上げる
ラベルを上向きにして相手に見えるように持つ
ワインを注ぐ時に最も重要なことが、ワインのラベルがボトルの上にくるように持つことです。ラベルはワインの顔。注いでいる相手に、ラベルがしっかりと見えるように注ぎましょう。
また、ラベルを上にして注ぐことで、液だれしてしまった場合にラベルが汚れることを避けることができます。飲んだワインの写真を撮ろうと思った時、ラベルが汚れていると恰好がつきませんよね。それを防ぐためにも、ラベルは上向きになるようにして注ぎましょう。
両手もしくは片手でボトルを持ち上げる
ソムリエが片手でボトルを持ち上げて注いでいるイメージがあるかもしれませんが、片手で持つことはマナーではありません。たしかに片手で注ぐとカッコよく見えますし、両手で持つと遠い席に注ぎづらいというデメリットはあります。
しかし、最も避けたいのはワインをこぼしてしまうという事態。ワインがたくさん入ったボトルは、思いのほか重たいものです。両手で持っても問題ないので、注ぎやすい方法を選んでください。
注ぐ際は、持ち手でラベルが見えなくならないように気を付けましょう。
香りが溜まるようにグラスの3分の1を目安にして注ぐ
ワインを注ぐ量は、膨らみの大きいグラスの場合は直径が最大になるあたりまで、比較的ストレートで目安となる膨らみがないグラスであれば3分の1ほどを目安に注ぎます。
ワイングラスはワインの香りを溜めて楽しむために、大きめに設計されています。バルーン型のグラスであれば、おおよそボトル1本分の量が入ってしまいます。
また、スペースがあるからとたっぷり注ぐと香りがわかりづらくなるので、おいしく感じられなくなります。グラスに空間が残るような量を注ぐのが正しいのです。
ちなみに、上述の量はあくまでもワイングラスに対しての適量です。大人数でワインを楽しむ時は、全員が同じ量になるように注ぐことが大切。まずは全員に少なめに注ぎ、後から注ぎ足して均一に揃えましょう。
ワインがこぼれないように軽くひねりながらボトルを上げる
ワインを注ぎ終えた後、ボトルを少し捻りながら起こすのが最大のコツです。
こうすることでテーブルクロスや注いだ人の袖が汚れるといった、ワインを注ぐ時の液だれを防げます。
スパークリングワインは数回に分けて注ぐ
スパークリングワインは2回に分けて注ぎましょう。注ぐと炭酸がグラスの中で泡立ち、どうしても1回で適量を入れられないためです。
1回目は泡がグラスからこぼれないように、液体の量としては3割弱ほど注ぎます。想像以上に泡立つので、勢いよく注がないように気をつけてください。
泡が落ち着いたら2回目をゆっくり注いで、グラスの6割ほどにすれば完了です。
上記は縦長のスパークリングワイン用グラスでの目安量になっています。その他のグラスを使う場合は、グラスの適量に対して換算してください。
ワインを注ぐときの注意点
ワインを注ぐ時の注意点は下記の2つです。
- グラスのフチにボトルを当てない
- 白いナプキンを用意してグラスを拭けるようにしておく
グラスのフチにボトルを当てない
ワイングラスのフチにボトルを当てないように気を付けてください。
瓶ビールを注ぐ時、グラスのフチにボトルを引っかけるようにお酌している光景を目にします。しかしワイングラスの場合はフチが繊細に作られているため、同じように注ぐと割れる可能性が高いです。
ワイングラスが良質なものになればなるほど、フチは薄く割れやすくなっていきます。ボトルを当てないように注意しましょう。
白いナプキンを用意してグラスを拭けるようにしておく
ワインを注ぐ時、紙ナプキンや布巾を用意しておき、利き手と逆の手に持っておくようにしましょう。
瓶口の形状によってはどうしてもワインが残ってしまうため、注いだ後に拭きとるとボトルが汚れずエレガントです。
ご自宅で毎回用意してられないという方には、ドロップストップといわれる液だれ防止グッズがありますので、気になるようでしたらチェックしてみてください。
動画で見る ワインの正しい注ぎ方
ワインを注ぐときに守りたい4つのマナー
どちらかというとレストランマナーに近い話ですが、ワインを注ぐことに関する4つのマナーをご紹介します。
- 注ぐ順番はレディーファーストと年功序列
- フランス式では飲み干す前、イギリス式では飲み干した後に注ぎ足す
- 自らワインを注がない
- 女性にワインを注がせない
注ぐ順番はレディーファーストと年功序列
ワインを注ぐ順番は女性から、年功序列、ホスト(もてなす側)は最後という3つの原則があります。
レストランでの流れで考えると、まずはホストに少量のワインを注ぎ、テイスティングで異常がないか確認します。これをホストテイスティングといいます。
問題がなければ女性から順番に注いでいき、次に男性です。同性内では年功序列で年上の方から注ぎます。
そして最後に、テイスティングをしたホストのグラスに適量を注ぎ足し乾杯という流れになります。
カジュアルなシーンではそこまで厳格に気にする必要はありませんが、自然と女性から注ぎ、自分のグラスは最後にするとスマートです。
フランス式では飲み干す前、イギリス式では飲み干した後に注ぎ足す
ワインを注ぎ足すタイミングは、相手のペースに合わせて配慮しましょう。
ちなみにレストランのサービススタイルにはフランス式とイギリス式があり、それぞれ注ぐタイミングが異なっています。フランス式ではまだ飲み干していなくても、グラスのワインが少量になっていたら注ぎ足します。一方でイギリス式は、グラスのワインが空になってから注ぐスタイルです。
どちらが正解ということもありませんので、レストランによって様々です。タイミングによって正解などはないので、自分が注ぐ時には相手のことを第一に考えたタイミングで注いであげてください。
自らワインを注がない
高級レストランではソムリエが注いでくれるはずです。何かと事故にも繋がりやすいので、自分たちで積極的に注ぐことは避けましょう。タイミングによってはお店のスタッフが気付いてくれないこともあります。そんな時は、アイコンタクトでお願いしてみましょう。
しかしカジュアルなレストランだと、そこまでしっかりとフォローしてくれないお店が多いです。シチュエーションによって臨機応変に対応したいところですが、やはり最初から積極的に自分たちで注ぐのは避け、判断してからにしましょう。
ちなみに、必要以上に注がれて飲み過ぎてしまいそうな時は、注がれる前にグラスの上に手をかざしましょう。ソムリエに対して、「おかわりは不要です」という意思表示になります。さりげなく伝えられて同席者にも気を使わせないため、口頭で伝えるよりも上品なレストランマナーです。
女性にワインを注がせない
女性にワインを注がせないのもマナーです。ソムリエがいない場所では、男性が積極的にワインを注ぎましょう。
先述のとおり、ワインの入ったボトルは想像以上に重たく、慣れていないと男性でも片手では上手に注げないことがあるほど力仕事なのです。
レディーファーストの観点でも、男性が注いであげるようにしましょう。
ソムリエに相談!ワインの注ぎ方に関するよくある質問
ここでは、ワインの持ち方に関するよくある質問にプロのソムリエが回答します。質問は下記の2つです。
- ワインは高い位置から注いだ方がいい?
- ワインボトルをひねる方法・コツは?
Q.ワインは高い位置から注いだ方がいい?
一概に高い位置から注ぐのが良いわけではありません。古酒やデリケートなワインは、乱暴に扱って香りが飛ばないように、優しく注いであげましょう。
「デキャンタ」を使うべきワインなのか?という判断と同じです。ちなみに、ワインを空気に触れさせる事を英語ではエアレーションといいます。
Q.ワインボトルをひねる方法・コツは?
ワインを適量注いだら、ボトルの角度を少し戻して一旦停止。手首を内側に捻りながら縦に起こしてください。
最後に紙ナプキンや布巾で注ぎ口を拭けば、テーブルもラベルも汚さずスマートです。
正しい手順でワインを注いで、心おきなく会食を楽しもう
ワインを上手に注ぐのはそれほど難しいことではありません。ご紹介してきたポイントを押さえて、日ごろからワインを楽しむ時に意識して注げば、あっという間にプロのように注げるようになります。
正しい所作とレストランマナーを知っておけば、レストランや会食の際に不安もなくなりますよね。心置きなくワインライフを楽しみましょう。