ジゴンダス、ついに白ワインが認可

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公開日 : 2022.11.18
更新日 : 2022.12.16
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ジゴンダス、ついに白ワインが認可

南フランス、ローヌ地方南部に位置するジゴンダス。ジゴンダスといえば、グルナッシュやシラーなどから造られる濃厚な赤ワインをイメージする方が多いのではないでしょうか。


それもそのはず、今までA.O.C.ジゴンダスは赤ワインとロゼワインのみが認められていました。


そんなジゴンダスにニュースが!今年9月、長きにわたる検討を経てついに白ワインが認められたのです。


そこで今回はジゴンダスのこれまでの歴史から白ワイン認可に至る経緯、気になる今後について詳しく解説します。

目次

ジゴンダスの歴史

ジゴンダス風景

ジゴンダスのワイン造りの歴史は、紀元前1世紀、ローマの軍人が最初のブドウの樹を植えたことから始まったと言われています。


19世紀末にはフランス全土をフィロキセラが襲い、ジゴンダスではブドウに代わってオリーブが栽培されるようになりました。


しかし1929年と1956年の冬にオリーブが霜の被害に遭ったことで再びブドウが栽培されるようになり、1960年代初頭にはジゴンダス全体の丘の中腹がブドウ畑で覆われるようになります。


それからしばらくの間ジゴンダスは広域A.O.C.のコート・デュ・ローヌに属していましたが、1966年にコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュに格上げされます。


そして1971年、ジゴンダス村単独のA.O.C.として赤ワインとロゼワインが認定されました。


現在、ジゴンダスで造られるワインの割合は赤ワイン99%、ロゼワイン1%と圧倒的に赤ワインが多いのが特徴です。

ついにジゴンダスに白ワインが認可!

白ワイン

そんな赤ワインの生産が大半を占めるジゴンダスに今年新たな動きがありました。


2022年9月8日、国内委員会会議が開かれ、I.N.A.O.(国立原産地品質研究所)のメンバーがA.O.C.ジゴンダスの白ワイン導入を満場一致で承認したのです。


これまでA.O.C.コート・デュ・ローヌとしてリリースされていたジゴンダスの白ワイン。これで晴れてジゴンダスの名を冠することができるようになりましたが、ここまでには長い道のりがありました。


なんとジゴンダスの白ワイン導入は10年以上も前から検討されていたのです。


2011年、白ワイン認可のためジゴンダスの生産者団体はワイン生産者とネゴシアンの専門調査委員会を立ち上げ、ジゴンダスの様々な場所で栽培された白ブドウを使って実験を行ってきました。


その試験の品質の高さが評価され、2018年にO.D.G.(防衛管理組織)理事会がジゴンダスの生産仕様を変更する計画を承認。そしてようやく今年、正式に認められたのです。


今回の白ワイン認可を受けシャトー・ド・サン・コムのオーナー、ルイ・バリュオール氏は


「私たちはこのテロワールで何十年も白ワインを作ってきましたが、それらをジゴンダスと呼べないことは歴史的な誤りでした。これで、石灰岩のクレレットが正しい言葉で謳えるようになります。私には達成感があります。今日、この素晴らしいアペラシオンのために情熱と無私無欲で働いた先祖のことを思い出します。」(Matt Walls, "Gigondas to produce white wines", Decanter, 2022-09-15, https://www.decanter.com/wine/gigondas-to-produce-white-wines-487576/


と語り、喜びを露わにしています。


ジゴンダスの白ワインは2023年ヴィンテージから生産可能となり、以下品種の使用が認められています。

・クレレット・ブランシュ(最低70%使用必須)

・ブールブーラン

・クレレット・ロゼ

・グルナッシュ・グリ

・グルナッシュ・ブラン

・マルサンヌ

・ピクプール

・ルーサンヌ

・ヴィオニエ、ユニ・ブラン(最大5%まで使用可)

現在は16ha以上の畑で30人ほどの生産者が白ブドウを植えているとのこと。


1971年に原産地呼称を取得した際に赤ワインとロゼワインのみ認められたことで白ブドウの畑の多くが取り除かれてしまったようですが、今回の白ワイン認可を受け拡大していくことでしょう。


そして今後5年間で生産者の15%が白ワインを醸造すると予測されています。ジゴンダスは石灰岩土壌を有し、南部ローヌの他の地域と比べて標高が高く冷涼な気候。クリーンでミネラル感豊かな白ワインが生み出されるのではないかと期待されています。

まとめ

生産者たちの努力が実りようやく認められたジゴンダスの白ワイン。2024年頃には店頭に並んでいるかもしれません。満を持してリリースされる白ワインの仕上がりを楽しみに待ちましょう!


また近頃では2019年にスペインのリベラ・デル・ドゥエロでも白ワインにD.O.が認可されたり、今年7月にA.O.C.メドックの白ワインを認定する計画が承認されたりと、世界中で白ワインに対する動きが見られます。各地の今後の動向にも注目していきましょう。

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