アンチワインとワインおじさん 第3話「高いワインじゃなきゃ美味しくないんでしょ?」
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思いもしないちょっとした出会いが、劇的ではなくても、小さくその後の人生を変えていく……。
この物語は、そんな奇天烈な出会いをなぜか果たしてしまったアンチワインな今どき会社員の、ワインを巡るちょっと不思議なお話。
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中井戸りこ(25歳)/演:中井りか(NGT48)
アパレル商社に勤めるOL。富山県出身。
おしゃれ大好き、骨格パーソナルカラー完璧把握女子。
休日はカフェに行って、美容メンテやコスメや服のショッピング、夜は赤提灯系で日本酒を飲むのが好き。
若手アントレプレナー風遊び人元カレに浮気されて別れて以来、その人が趣味にしていたワインが嫌いに。
謎のワインおじさん(??歳) /演:加藤章太郎
なぜかりこが「だからワインって好きじゃない……」など苦手意識発言をするとどこからともなく現れるスタイリッシュイケオジ。
大変紳士的にワインの魅力をりこに伝えて颯爽と消え去っていく謎の人物。
でもよく見ると、どこかで見たことあるような……?
「高いワインは美味しい」ってお金持ちの道楽感……無理!
「この間、ホムパでワイン、楽しかったな……」
ワインおじさんに教えてもらって、先日のホムパで勇気を振り絞って初めてワインを出してみたりこ。
「えー! りこが日本酒以外を出すの珍しいー!」
「何があったの!? まさかまたワイン好きの彼氏が……」
「ちーがーうーー!(笑)ワインってもしかしてもっと気楽に楽しんでみてもいいのかなーって思っただけー」
友達にびっくりされたものの、ワインに合うおつまみを作って、いつもと少しだけ違う雰囲気でいつもの友達と楽しい時間を過ごしたのでした。
「今日もワイン買ってみようかなぁ」
そんなこんなで、最近はお酒を買いに行くとワインの棚の前でも少し足が止まるようになったのですが……。
「いやー、でも買うとなるとどうせ高いのが美味しいわけだし、『安いのなんて美味しくない!』とかワイン好きは言うんでしょ?
そういうところ、お金持ちの道楽感ある! やっぱりまだハードルが高いなぁ。この間はあのおじさんが選んでくれたからよかったけど……」
確かに、ワインの棚には値段もピンキリ、いろいろな説明と共にたくさんの種類のワインが並んでいる……。
「こっちは5,000円、こっちは10万円!? 説明が書かれてはいるけど何もわからない! けど普通に考えて高い方が美味しいんでしょどうせ。なんか高級なブドウ使ってそうだし……っにしても! 10万円とか無理!」
両手にワインボトルを持ったまま途方にくれるりこ。すると後ろから……あの人が……アゲイン……!
「今、価格を見て高い方が美味しいのかな? 安い方は美味しくないのかな……と思いましたね?」
みなさま、お待たせしました。ワインおじさん登場。
ワインの価格ってソレで決まってたの!?
「……出た!!!」
「出ましたよ、また私です。高級ワインだけが美味しい! 価格が高ければ高いほど良い! というわけでもないんです」
「え? そうなの?」
「確かに良いブドウで造られるワインは高くなるし、手間ひまかけて造られたワインはそれだけ価格が上がるのは事実です。
でも実は、有名な超高級ワインの価格は、需要の高さからきているものもあります。ワインはそもそも畑から造られるので、どんなに需要が高まっても生産量を増やせず、欲しい人が多ければその分、価格が上がってしまうんです」
「高い、安いの裏側には実はそういう理由があったの!?」
「そうなんです。でも逆に言えば! まだまだ注目されていない産地や生産者なら、安くて美味しいものもたくさん!」
「じゃあ例えば、まずはお手頃なものからいろいろ試してみたら、自分の好みの味がわかってくるし、まだ知られていない“穴場”的なワインに出会えるってこと?」
「まさに!!! いろいろ飲んでみて、それを発見していくのもワインの楽しみのひとつなんです! おっと、また喋り過ぎましたね……。私は、今日はこちらを初めて飲むんです! 値段も手頃で、まだ未知の味……んー楽しみだ」
笑顔でお手頃ワインを愛でながら、カゴに入れ去ってくワインおじさん。
自分好みの味を探す、冒険への第一歩!?
「あ、まーたあのおじさんひとしきり喋って行っちゃった……。そうか、高ければ良い!ってわけではないのか……。よし、じゃあ私は今日はこっちにしてみよーっと!」
新しい小さな冒険に、ちょっぴり心躍らせながらお手頃な方のワインに決めたりこ。
価格に捉われず、まだまだ知らない自分の好みとワインのマッチングを探してみる。それもワインの楽しみ方であり、魅力なんです。
ワインおじさんからもうひとこと
どうも、ワインおじさんアゲインです。
いやぁ、今日もまたワイン好きへの一歩を後押ししてしまいました。
ワインの価格、これは誰もが気になるポイントだと思います。メディアではとても高いワインが取り沙汰されることもありますよね。
もちろん、希少なワインは高くて注目もされやすい。でも、人の好みは様々。1番素敵なのは自分の好みに合う、自分が美味しいなと思えるワインに出会えることだと思っています。
ワインは産地も造り手も世界中に、本当に星の数ほどいらっしゃって、皆さんそれぞれ情熱を持ってワインを造っています。
味もひとつとして同じものはありません。あぁ、なんと素敵なことでしょう……。あ、失礼。ついワインへの愛が溢れてしまいました。
だから僕は、飲んだことのないワインをたくさん飲み比べて、まだ知らない新しい“美味しい!”や自分の知らなかった“好き!”に出会えることが、ワインの楽しみのとても大きな部分だと思っています。
だからぜひ、コスパの良いお手頃ワインをいろいろ試してみて、どんどん新しい味わいに出会ってみてほしいのです。その中で自分の好みの方向性がわかってきたら……。これはまた次のワイン好きへの扉を開けてしまったということになります。このへんのお話はまた今度。
では、皆さんも素敵なワインライフを。
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アンチワイン役:中井りかさん
中井りか 1997年8月23日生まれ。富山県出身。2015年7月、NGT48の1期生オーディションに合格。2016年11月、「ハイテンション」でAKB48のシングル曲選抜メンバーに選ばれ、2017年のNGT48デビュー時には、表題曲「青春時計」でセンターを務めた。愛称は「りかちゃん」「りか姫」。
ワインおじさん役:加藤章太郎さん
加藤章太郎 モデル。18歳からキャリアをスタートし、現在ではメンズファッションメディアを中心に、CMや俳優業など多方面で活躍。雑誌「東京カレンダー」の人気Webドラマ「港区おじさん」の主人公を好演し、そのイケおじっぷりが話題に。