お寿司のネタとして人気があるいくらやおせち料理に出てくる数の子など、日本人に馴染みのある食材、魚卵。
そんな魚卵ですがワインと一緒に食べると生臭さが強調され、合わせるのが難しい食材と言われています。
しかし同じく魚卵のキャビアとシャンパンの組み合わせは王道のペアリングとされており、必ずしも「魚卵とワインは合わない」とは言えないのではないか……?
その真相を探るべくエノテカ編集部が実際に魚卵とワインのペアリングを徹底検証します。
いざ実際に検証!
それでは本当に魚卵とワインは合わないのか?実際に検証していきましょう。
魚卵はスーパーでも販売されている数の子、いくら、からすみの3種類を選びました。
ワインはスパークリングワイン、白ワイン、オレンジワイン、赤ワインなど様々な種類を用意し、魚卵とのペアリングを探りました。
魚卵は本当にワインと合わないのか?!検証結果
実際に検証してみると、やはり多くの組み合わせで魚卵特有の生臭さが表れるという結果に。
しかし組み合わせによっては生臭さを感じず、相性が良いペアリングを見つけることができたのでご紹介します!
ペアリングが成立した組み合わせはこちら!
いくら
鮭や鱒の卵であるいくら。そのプチプチした食感と噛んだ後にじゅわっと出てくる特有の旨味はいくらならではの美味しさですよね。
今回の実験では、スーパーでよく売られている醤油漬けのものを用意しました。
ペアリングの結果、相性が良かったのはジョージアで造られるオレンジワイン、ヴィノテッラ・ルカツィテリ。
いくらの旨味や醤油のニュアンスと、このオレンジワインのもつ出汁感との相性がとても良く、まるで一つの料理を味わっているような気分でした。
魚卵本来の味わいはもちろん、加工の過程で加わる香りや味わいもペアリングのポイントであることが分かりました。
また発酵後に澱の上で熟成させるシュール・リー製法で造られる日本の白ワイン、源作印 甲州 シュール・リーとも生臭さなどの違和感なく合わせることができました。
数の子
数の子は、ニシンの魚卵および、ニシンの卵巣をそのまま塩漬けまたは乾燥させたものでプチプチした食感と程良い塩味が特徴です。
「干し数の子」「塩蔵数の子」「味付け数の子」などの種類がありますが、今回は「塩蔵数の子」を塩抜きしたものを用意しました。
ペアリングが成立したのはフランス、ブルゴーニュ地方のスパークリングワイン、クレマン・ド・ブルゴーニュ ブラン ・ド・ブラン エクストラ・ブリュット。
このワインは瓶内での熟成期間が18ヶ月と、澱との接触期間が非常に長いのが特徴。
そのためワインの持つ酵母由来の香ばしさと、数の子の塩味や食感のバランスがとても良く感じられました。
またいくらとのペアリング同様、オレンジワインのヴィノテッラ・ルカツィテリはワインのもつ出汁のニュアンスと数の子の相性が良く、美味しく合わせることができました。
からすみ
からすみは、魚の卵巣を塩漬け・乾燥させた食品のこと。色は深いオレンジ色で、「海のチーズ」と表現されるほど濃厚な味わいが特徴です。
相性が良かったのはアルゼンチンで造られるピュアな果実味が魅力の赤ワイン、バルダ。
からすみを食べた後に口の中に広がる熟成由来の旨味とこのワインのもつ赤系果実の風味が上手く調和しました。
またからすみ特有のねっとりとした食感との相性も良く、「海のチーズ」の異名のとおり、まるでチーズと赤ワインを合わせているような印象で余韻まで美味しく楽しむことができました。
まとめ
魚卵とワインは本当に合うのか?と最初は半信半疑でしたが、一緒に合わせることでより美味しく感じる組み合わせもあり、編集部一同驚きの結果となりました!
合わせるのが難しいと言われていたからこそ、ペアリングが成立したときの感動もひとしお。改めてペアリングの面白さを知ることができました。
ぜひ皆さんも魚卵とワインのペアリングを試してみてくださいね。