イタリア・ピエモンテ州の土着品種バルベラ。同じくピエモンテ州の土着品種であるネッビオーロから造られるバローロやバルバレスコが格の高い長期熟成型の赤ワインであるのに対して、バルベラから造られる赤ワインは親しみやすく、地元で根強い人気です。
そこで今回はバルベラから造られるワイン、バルベラ・ダスティを紹介します。
面積 | 3,378ha |
主な土壌 | 粘土質と石灰質の砂岩 |
栽培されている主な品種 | バルベラ主体、フレイザ、ドルチェット、グリニョリーノ |
生産可能タイプ | 赤 |
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テロワール
バルベラ・ダスティの産地はピエモンテ州中東部のアスティの街を中心に広がっています。
この地域の気候は大陸性気候に属しますが、比較的温暖で、主な原料ブドウであるバルベラの畑は標高150~400mの日当たりの良い斜面にあります。また、土壌は粘土質と石灰質の砂岩です。
バルベラ・ダスティは、1970年にD.O.C.に、2008年にイタリアワイン最上位格付けのD.O.C.G.に認定されました。
ちなみに2000年にバルベラ・ダスティのサブゾーンとして、ニッツア、ティネラ、コリ・アスティアーニの三つが制定されましたが、ニッツアは2016年に単独でD.O.C.G.に認定され、バルベラ・ダスティのサブゾーンから独立しています。
ワインの特徴
バルベラ・ダスティはこの地方の土着品種バルベラ主体で造られるワインで、補助品種としてフレイザ、ドルチェット、グリニョリーノの使用が認められています。これら三つの品種も全てピエモンテの土着品種です。
バルベラから造られるワインは、紫色がかったルビー色で、香りも華やか、ストレートな果実味と豊富な酸味があり、タンニンは控えめです。早いうちから気軽に飲めるタイプから、新小樽で熟成させた力強いタイプまで幅広く造られています。
バルベラ・ダスティの1番の魅力は、親しみやすく、どんな料理にも合わせやすいことでしょう。イタリアの家庭料理ならトマトソースのパスタやピッツァ、生ハムやサラミなどのシャルキュトリ、和食ならトンカツなど。
渋みが少ないので、少し冷やして飲むのもおすすめです。
イタリア国内でバルベラから造られるワインは複数ありますが、バルベラ・ダスティは例えば同じピエモンテ州のバルベラ・ダルバと比べると一般的に色合いが薄く、果実味は控えめで、より長期の熟成に耐えうるワインとなります。
バルベラ・ダスティはバルベラの故郷であるアスティ及びその隣のモンフェッラート地区で造られていますから、バルベラのワインの中では最もピュアなバルベラを表現していると言えるでしょう。
代表的な生産者
- プルノット
- ブライダ
- トリンケーロ
- ベルテッリ
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参考文献:日本ソムリエ協会 教本2021 バルベラ・ダスティ モンフェッラート コンソーシアムHP https://www.viniastimonferrato.it/en/