今年も残りわずか、間もなく2024年を迎えようとしています。
日本では年末年始に年越しそばやおせち料理、鏡餅などを食べますが、世界各国ではどのような料理が楽しまれているのでしょうか。
今回は様々な国のお正月料理をピッタリなワインとともにご紹介します。
目次
イタリア:幸運を招くお肉料理
まずはイタリアから。北イタリアの年末年始に欠かせないのが「ザンポーネ」。
豚のミンチ肉を豚足の皮に詰め、香辛料で味付けをした、ソーセージのような肉料理です。この料理には、必ずレンズ豆を添えていただくのが定番です。
豆は、丸くて平たい貨幣の形でもあり、「福を招く」「金運アップ」の意味を持ち、新年がより恵まれる縁起物とされています。
香辛料と塩で調味するシンプルな味わいの料理なので、肉の旨味と甘みにマッチする、タンニンが穏やかでフルーティーな赤ワインと相性が良いでしょう。イタリアのバルベラのように、チャーミングな品種もピッタリです。
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フランス:おみくじ入りパイ
お次はフランス。お正月料理はアーモンドクリーム入りのパイ菓子「ガレット・デ・ロワ」です。最近は日本でも年始になるとパン屋や菓子屋で販売されるようになってきました。
ガレット・デ・ロワは、1月のキリスト教の祭日に食べられるスイーツで、「王様のためのお菓子」という意味があり、小さな陶器製の人形(フェーヴ)が仕込まれています。
日本のおみくじのような風習がフランスにもあり、丸型のガレット・デ・ロワから人数分に切り分け、フェーヴが入っている人は今年1年、幸せに恵まれると伝えられています。
ガレット・デ・ロワにはシャンパンが好相性。サクサクのパイ生地の食感と、しっとりとしたナッティなアーモンドクリームの味わいに、長期熟成から得られる酵母の香り、繊細で細かな泡のシャンパンが合うでしょう。
パイの甘い味わいに合わせて、ほんのりと甘めのシャンパンもおすすめです。
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アメリカ:金運アップに豆料理
タイムズスクエアのカウントダウンなど華やかな年末の雰囲気があるアメリカ。
アメリカ南部の年末年始は意外にもシンプルな「ブラック・アイド・ピー」という豆料理が楽しまれています。
豆と肉の煮込み料理ですが、豆は黒目豆という大豆のような薄いベージュ色の豆に黒い目が付いているささげ豆の一種を使います。この黒目が貨幣を象徴しているとされ、金運アップの縁起の良いとされているのです。
ブラック・アイド・ピーは、イタリアのザンポーネ同様にシンプルな煮込み料理のため、穏やかなタンニンのワインがよく合います。トマトベースで煮込んだものは酸味のある赤ワインとも相性ピッタリ。グルナッシュのような甘やかな香りと酸味も兼ね備えた味わいにも合いますよ。
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2022年
3,630 円
(税込)
NEW
ロシア:当たり付き水餃子
ロシアでもフランスのガレット・デ・ロワ同様におみくじのような当たり付きの料理が楽しまれています。
水餃子のような見た目の家庭料理「ペリメニ」。肉と野菜の餡を皮で包み茹で上げ、ブイヨンやサワークリーム、ハーブを添えていただきます。
家族で手作りするペリメリのいくつかに、コイン入りのものを作っておき、当たった人は1年を幸せに過ごせると言われているそうです。
肉と野菜、香辛料など風味豊かな味わいには、フードフレンドリーなロゼワインがよく合います。肉や野菜の甘みと、ロゼワインのフルーティーさがマッチします。
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2023年
1,925 円
(税込)
韓国:食べたら年を取る!?お餅スープ
日本と同じアジアの国、韓国では日本のお雑煮に似た「トックク」という料理が定番です。
旧正月を祝う際に食べられている餅の入った伝統的なスープで、韓国では1月1日から数え年で年を取るため「一杯食べると、一つ年を取る」と言われています。
トッククは、濃いめの出汁や餅、肉、卵など様々な要素が含まれているため、複雑な味わいがあります。
合わせるワインは、トッククの複雑性を受け止めてくれるオレンジワインが良いでしょう。白ワインのフルーティーさと赤ワインの渋みを兼ね備えたオレンジワインは、アジアの料理との相性が良く、それぞれの食材の良さを引き立ててくれます。
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スペイン:鐘に合わせて食べる12粒のブドウ
最後は情熱の国、スペインです。これまでのお正月料理とはひと味違う、スペインには12粒のブドウを食べて年越しをするという文化があります。
日本の除夜の鐘のような、時計台の12時の鐘に合わせて、1粒ずつブドウそのものを食べるそうです。12回の鐘の音に合わせてブドウを食べ切ると願い事が叶うとされています。
大晦日はテレビ中継を見ながら、ブドウと乾杯用のスパークリングワインを用意するのが定番のようです。12粒のブドウが入った大晦日用のパッケージもあり、年越しの定番、根付いた伝統的習慣になっています。
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まとめ
日本ではおせち料理のように、それぞれ意味合いがある縁起の良いものを食べますが、世界でも同じようにおめでたい家庭料理が伝統的に楽しまれています。
2024年はいつもと違う世界のお正月料理に挑戦して、異文化を感じてみても面白いかもしれません。大晦日からお正月にかけて、ワインとともにぜひお試しくださいね。