「マリアージュ」という言葉を聞いたことはありますか?
なんとなくのニュアンスはわかってもどんな時に使ったらいいかわからない!という方も多いでしょう。
この記事ではマリアージュの意味や使い方を解説します。知っていればもっとワインとのお食事が楽しくなりますよ。
目次
マリアージュの意味
マリアージュ(mariage)とは、フランス語で「結婚」を意味する言葉。英語のマリッジ(marriage)と同義です。
転じてもともとは別の二つのものが、調和している状態の組み合わせをマリアージュといいます。
日本ではとりわけワインと料理の組み合わせについて使用されることが多いですが、それだけでなく、カラーパターンや空間と音楽など、飲食物に限らずに組み合わせの妙を表現する際にも使用されます。
マリアージュの使い方
それでは実際にマリアージュという言葉の使い方を見てみましょう。「マリアージュ」を使うのは主に下記の4つの場面です。
- ワインと料理の組み合わせを示す時
- お菓子とお茶の組み合わせを表現する時
- 食材とソースの相性を指す時
- 食べ物以外に相性が良いと感じたものに出会った時
ワインと料理の組み合わせを示す時
「子羊のローストとシャトー・ムートン・ロスチャイルドのマリアージュに感銘を受けた」
ほとんどの場合はこちらの使い方になるでしょう。ワインだけに限らず、飲み物と食べ物の絶妙な組み合わせを表現します。
ちなみに世界的なブームになっている和食とワインの組み合わせは、マリアージュ本来の意味にかけて「国際結婚」などと表現されることもあります。
お菓子とお茶の組み合わせを表現する時
「チョコレートとほうじ茶は意外なマリアージュを見せる」
先述のとおり、マリアージュという言葉を使えるのはアルコール類だけに限りません。飲食物であれば違和感なく、何にでも使用できます。
食材とソースの相性を指す時
「鹿肉とブルーベリーソースのマリアージュはクラシックフレンチの王道だ」
マリアージュはワインと料理の相性を表現するためだけの言葉ではありません。食材とソース、メイン食材と付け合わせ食材の相性など、食べ物と食べ物の組み合わせにも使用できます。
食べ物以外に相性が良いと感じたものに出会った時
「音楽とアートのマリアージュを存分に体験した」
繰り返しにはなりますが、飲食物に限らず良い組み合わせを表現する際に使うことができます。食べ物以外で、特によく使われるのがアートや音楽です。
有名なシャンパン「クリュッグ」は、音楽とのマリアージュを提案していることで知られています。
ワインと料理のマリアージュを楽しむポイント
食事とワインのマリアージュは、食中酒であるワインならではの楽しみの一つ。でも何の手掛かりもないと、無限の組み合わせから見つけるのは難しいものです。
そこでポイントとなるのが「共通点を探すこと」。きっかけとなるような何かしらの共通点がないとマリアージュが難しいのは人間も同じですね。
小難しそうなマリアージュの理論は色々と語られていますが、風味や味わいの強さ、食感など、どんなマリアージュにも何かしらの共通点は必ず存在します。まずはこれだけを意識して考えてみてください。
ここからは誰でもできる、簡単マリアージュの探し方をご紹介します。
ワインと料理の色を合わせる
何より簡単でおすすめの方法が、ワインと食材の色を合わせることです。
例えば魚貝類であれば、鯛や平目といった上品な味わいの白身魚には白ワインが合いますし、サーモンやエビにはロゼワイン、マグロやカツオなどの赤身魚には赤ワインが合います。
これは肉でも同様に、鶏肉は白ワイン、牛肉は赤ワインとなります。面白いところは、同じ鳥類でも鴨のように赤身の強いものは、やはり赤ワインの方が合うのです。
魚には白ワイン、肉には赤ワインのような固定観念は捨てて、シンプルに色で考えてみましょう。これに加えて味付けとなるソースの色も同様に考えると、かなりマリアージュする確率が上がります。
同じ豚肉を調理するのでも、白いクリーム系のソースで味付けあれば白ワイン、醤油やバルサミコ、ポートワインなどを使った濃厚なソースは赤ワインとの相性が高まります。
風味を合わせる
次のポイントはワインと食事の風味を合わせることです。
例えば、レモンのような爽やかな風味の白ワインをお刺身に合わせる時は、魚介に柑橘類を絞ってみてください。とても単純ですが、その風味がワインと料理の橋渡しとなり、相性の良さをぐんと引き上げてくれます。
最初から相性を考えるにはワインの味わいを想像することが必要になってくるので、少し上級者向けに感じますが、この方法の素晴らしいところは応用が効く点です。
実際にワインを味わってみて、ワインに感じた風味に近いスパイスやハーブなど、ご家庭にある調味料を一振りすればマリアージュに近づけることができます。前述の食材の色合わせと併用するとプロ顔負けです。
例えば、鶏肉に合わせて白ワインを用意した場合を考えてみましょう。白ワインが爽やかなタイプなら、シンプルに塩コショウで味付けし、カリっと焼いてレモンを絞る。白ワインが樽熟成された濃厚なタイプなら、バターやクリームを使ったソースを作る。……といった具合です。
ワインと料理の重みを合わせる
ここまでご紹介したポイントだけでも十分にマリアージュが楽しめますが、もっとベストマッチさせたいという方は、ワインと料理の重みを合わせることを意識しても良いかもしれません。
重みを合わせるというと難しく聞こえますが、じつはシンプル。ワインと料理の濃厚さを合わせるだけです。
恐らくステーキの付け合わせとしてお刺身を食べても、お刺身本来の美味しさを感じられないのではないでしょうか。ワインと料理の間でも同じことが言えます。
繊細な料理に濃厚なワインを合わせると、ワインの味が一方的に勝ってしまい、マリアージュとはほど遠い関係になります。逆もしかりです。
サッパリした食事には爽やかなワインを、コッテリした食事には濃厚なワインを合わせてみましょう。
類義語として扱われる「ペアリング」との違いとは
マリアージュの類義語に「ペアリング」があります。何が違うのか気になりますよね。
ペアリングは英語で、広義の意味では「Bluetoothでペアリングする」のように単純に何か二つのものを繋げたり、組み合わせることです。
マリアージュはある組み合わせが“良い”という状態を表現しているのに対して、ペアリングは組み合わせる動作自体を表しているのです。
しかし、実際にはレストランやワインの世界において、マリアージュとペアリングの違いはほとんどありません。なぜならば相性が良いかわからない食べ物と飲み物のセットを、わざわざペアリングと言って提供するレストランはないからです。
またマリアージュはフランス語ゆえ、どうしてもフランス料理店のイメージになるため、最近ではペアリングと表現するレストランが増えてきています。
ソムリエに相談!マリアージュに関するよくある質問
ここでは、マリアージュに関するよくある質問にプロのソムリエが回答します。
Q.ソムリエおすすめのマリアージュは?
マリアージュを体験してみたいという方におすすめの外さないマリアージュは、マカロン×シャンパン、ブルーチーズ×貴腐ワイン、仔羊のロースト×ボルドーなどがあります。
ぜひお試しください!
まとめ:ワインと料理の素晴らしい組み合わせに出会えた時にマリアージュを使おう
フランス語なので日常生活で使うには少し気取った言葉ですが、高級レストランで食事を楽しんでいる時には違和感なく使えるはずです。
ワインと料理の素晴らしい組み合わせに出会えた時は、ぜひ使ってみてくださいね!