フランス産の発泡性ワインと言えばシャンパーニュ(シャンパン)が真っ先に思いつくと思いますが、フランスではシャンパンの他にも美味しい発泡性ワインがたくさん造られています。
その一つに“クレマン”が挙げられます。シャンパーニュ地方を除くワイン産地で、それぞれの産地の主要なブドウ品種を用い、シャンパンと同じ製法で造られている発泡性ワインです。
今回ご紹介するクレマン・ド・ブルゴーニュは、その名の通り、ブルゴーニュ地方で造られる発泡性ワイン。どんなワインなのか、シャンパンとの違いも含めて解説します。
産地 | フランス・ブルゴーニュ地方 |
面積 | 2,009.7ha |
主な土壌 | 粘土質を含む石灰岩 |
タイプ | 発泡性白・ロゼ |
品種 | ガメイ、ピノ・グリ、ピノ・ノワール、アリゴテ、シャルドネ他 |
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クレマンとは
クレマンとは、フランスのシャンパーニュ地方を除く地域で、瓶内二次発酵(※)というシャンパンと同じ製法を用いて造られる発泡性ワインのことを指します。
原料となるブドウは産地によって異なり、一般的に9ヶ月以上の瓶熟成(一部12ヶ月以上)を経てリリースされます。
フランスのA.O.C.に認定されている八つのクレマンは以下の通りです。
- クレマン・ド・ブルゴーニュ(ブルゴーニュ地方)
- クレマン・ダルザス(アルザス地方)
- クレマン・ド・ジュラ(ジュラ地方)
- クレマン・ド・サヴォワ(サヴォワ地方)
- クレマン・ド・ディー(ローヌ地方)
- クレマン・ド・リムー(ラングドック・ルーション地方)
- クレマン・ド・ボルドー(ボルドー地方)
- クレマン・ド・ロワール(ロワール地方)
各々のA.O.C.に個別の規定があり、例えばクレマン・ド・ディーは12ヶ月以上の瓶熟成が必要です。また、クレマン・ダルザスは手摘みによる収穫や収穫翌年の1月1日以降に瓶詰めすること、クレマン・ド・リムーは収穫年の12月1日以降に瓶詰めすることなどが定められています。
なお、フランス国内で最も消費されているクレマンはクレマン・ダルザスです。
※瓶内二次発酵とは、スティルワインを瓶に詰め、糖分と酵母を加え密閉して瓶内で二次発酵を起こさせる製法。他の発泡性ワインの製法に比べて非常に手間がかかる製法ですが、気泡の持ち、細やかさ、なめらかさ、味わいの奥深さなど、他の製法で造られたものより格段に上質なものとなります。
クレマン・ド・ブルゴーニュとは
クレマン・ド・ブルゴーニュは、ブルゴーニュ地方全域で造られる発泡性ワインで、白とロゼがA.O.Cに認定されています。
瓶内二次発酵で造られ、瓶での熟成期間は9ヶ月以上、ブドウ品種はガメイ、ピノ・グリ、ピノ・ノワールの黒ブドウ3品種と、アリゴテ、シャルドネ、ムロン・ド・ブルゴーニュ、ピノ・ブラン、サシーの白ブドウ5品種が認められています。
ちなみにブレンドする場合は、シャルドネ、ピノ・ブラン、ピノ・グリ、ピノ・ノワールで30%以上、ガメイは20%以下と定められています。
シャンパンとの違い
クレマン・ド・ブルゴーニュは、シャンパンの原料ブドウと同じシャルドネやピノ・ノワールを主体にして造られることが多いため、シャンパンと比較されることがよくあります。
大きな違いは、クレマン・ド・ブルゴーニュの方がシャンパンより、アルコール度数や気圧の規定が低いことです。そのため、クレマン・ド・ブルゴーニュの方が泡立ちはやさしくマイルドな飲み心地になります。
味わいにはシャンパンのようなシャルドネのキリリとした酸味やピノ・ノワールのふくよかさをしっかりと感じます。そしてシャンパンと比べると、手に取りやすい価格であることが大きな魅力と言えるでしょう。
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