銘醸地ブルゴーニュのヴォーヌ・ロマネ村には、世界で最も高値で取引されるロマネ・コンティをはじめ、六つの偉大なグラン・クリュがあります。
ラ・ターシュもその一つで、時にロマネ・コンティを凌駕するとも言われており、ワインラヴァーなら一生に一度は飲んでみたい垂涎の銘柄です。今回はそんなラ・ターシュについて解説します。
産地 | フランス ブルゴーニュ地方 コート・ド・ニュイ ヴォーヌ・ロマネ村 |
面積 | 6.06ha |
土壌 | 粘土質を含む石灰岩 |
タイプ | 赤 |
品種 | ピノ・ノワール |
テロワール
ラ・ターシュはブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区ヴォーヌ・ロマネ村にあるグラン・クリュ(特級畑)で、面積は約6.06ha、ロマネ・コンティ同様にドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(以下、DRC)が単独所有するモノポールです。
この地域一帯の気候は、夏は暑く冬は寒い半大陸性気候で、ブドウ畑の土壌は主に粘土・泥灰岩混じりの石灰岩となっています。ラ・ターシュの土壌は茶色の石灰岩で上部の表土はかなり薄くなっています。
ラ・ターシュはグラン・クリュのラ・グランド・リュの南側に隣接し、標高は250〜300mと高低差があります。水捌けがよく、日当たりの良い東向きの斜面に高樹齢のブドウ樹が並んでいます。
元々ラ・ターシュは約1.42haでロマネ・コンティよりも小さな畑でしたが、所有者のDRC社の申し立てにより、1932年に上方に隣接するゴーディショの畑、約4.62haを併合し、今の形になりました。
ヴォーヌ・ロマネ村の六つのグラン・クリュ
- ラ・ターシュ
- ラ・ロマネ
- ロマネ・サン・ヴィヴァン
- ロマネ・コンティ
- リシュブール
- ラ・グランド・リュ
ワインの特徴
ラ・ターシュはピノ・ノワール100%で造られる赤ワインです。畑名は「労役」や「請負」を意味する「a la tache」に由来しています。
ヴィンテージにもよりますが、飲み頃を迎えるまで少なくとも10年程度は必要とされる長期熟成型のワインで、DRCのグラン・クリュワインの中でも抜群の安定感を誇ります。
生産者DRCは、有機栽培の一種であるビオディナミ農法でブドウ栽培を行い、収穫は近隣の他の畑よりも遅く、もちろん手摘みです。厳しい選果、極めて低い収量、醸造においても非常に手間をかけており、ワイン造りに一切の妥協はありません。
ラ・ターシュのワインはエレガントでありながら、非常に力強いスタイル。黒い果実の芳醇で複雑な香り、味わいは濃密な果実味と野生味にあふれ、タンニンも力強く豊富です。
2000年以降の年間生産量は多い年で、2万3,000本程度、少ない年では1万2,000本程度となっています。
代表的な生産者
- ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
参考:http://www.romanee-conti.fr/