チョコレートといえばウイスキーボンボンやラムレーズン入りのチョコレートなど、お酒との相性が良いイメージがありますが、ワインとの相性はどうなのでしょうか?
そこで今回はエノテカ編集部がワインとチョコレートのペアリングを徹底検証!ベストペアリングを見つけます。
検証スタッフ紹介
左から
川畑 あかり
エノテカ編集部の一員としてライティングを担当。
仕事の合間のチョコレートが癒し。
中井 りさ
大名古屋ビルヂング店勤務後、エノテカ編集部の一員としてライティングを担当。
好きなチョコレートは生チョコレート。
杉山 綾
エノテカアプリの運営を担当。
チョコレートプロフェッショナルを保有。現地でしか購入できないチョコレートを求めて、フランスへ渡るなど、エノテカきってのチョコレート通。
今回試すワインとチョコレートはこちら
【ワイン】
【チョコレート】
・ホワイトチョコレート
・ミルクチョコレート
・ブラックチョコレート
ワインとチョコレートのペアリングは難しい……?!
川畑 : 今回はチョコレートとワインの香りや味わいの共通点から、赤ワインに絞って様々なタイプのものを用意してみました。
中井 : 私もチョコレートに合わせるワイン言えば一般的に赤ワインというイメージがあります。どんな風に合うのか楽しみですね!
川畑 : 赤ワインの味わいの要素の一つとしてチョコレートを感じることもありますし、相性は良いのではないかなと思っています。杉山さんはどうでしょうか?
杉山 : うーん、ワインとチョコレートのペアリングって実は結構複雑なんですよね。チョコレートに含まれる糖分やカカオバター(油脂)とワインの味わいとのバランスが難しかったり、チョコレートの苦み成分であるカカオマスが赤ワインのタンニンを強調してしまい、ワインをより渋く感じてしまったりすることもあるんです。
川畑 : さすがエノテカきってのチョコレート通!チョコレートとワインのペアリングは意外と難しいんですね。ベストペアリングが見つかるといいですが……。
ペアリングの予想は?
今回のワインと合わせるチョコレートはホワイト、ミルク、ブラックの3タイプ。実験前にそれぞれのチョコレートとのペアリングを予想してみました。
中井 : 先ほどの杉山さんのお話にもありましたが、チョコレートの甘さを考えると全体的に甘口ワインの方が合いそうですよね。
杉山 : そうなんです。チョコレートの甘さはどうしてもワインの酸味を強調してしまうので、合わせるのは難しいかもしれません。あとはワインのタンニンとチョコレートの苦み成分がどうペアリングに影響するのかがポイントになりそうですね。
川畑 : そう考えるとホワイトチョコレートはカカオマス=苦み成分が唯一入っていないので比較的ワインと合わせやすいのかも?
中井 : ⑤やや甘口・発泡とかどうでしょう。ワインのもつ程良い甘さはチョコレートの甘さとも喧嘩せず、ワインの発泡の感じやベリー感とマッチしそうではないかなと思いました。ミルクチョコレートは甘さとボリューム感の共通点から⑥甘口・酒精強化が合いそう。辛口タイプはワインの酸味や渋みが強調されるので難しそうです……。ブラックチョコレートは程良い甘みのある⑤やや甘口・発泡が合うのかなと。
川畑 : ミルクチョコレートは⑥甘口・酒精強化が間違いなさそうですよね。ブラックチョコレートはワインが甘いとチョコレートの苦みと喧嘩してしまうのかなと思い、味わいのバランスから③辛口・タンニン中程度が合うと予想しました。
杉山 : ミルクチョコレートはお二人と同意見です。ブラックチョコレートは今回のチョコレートのタイプ中でもカカオマスの比率が最も高く口に含んだ時のボリューム感もあるので、同じくアルコール分の高くボリューム感のある⑥甘口・酒精強化が合うのではないかと思いました。
3人の予想をまとめると
・ホワイトチョコレート→⑤やや甘口・発泡
・ミルクチョコレート→⑥甘口・酒精強化
・ブラックチョコレート→③辛口・タンニン中程度 or ⑤やや甘口・発泡 or ⑥甘口・酒精強化
となりましたが、実際はどうなるのでしょうか……?
検証結果
気になる検証結果は次の通りです!
今回のペアリング実証で分かったことは次の三つです。
①発泡ワインとの相性の良さ
ワインの泡立ちがチョコレートの油脂をすっきりと流してくれるため、チョコレートの甘さにワインの果実味や香りが上手くマッチし、一体感を感じることができました。
②ワインとチョコレートの甘さのバランスの重要性
甘×甘のペアリングが成立するという予想でしたが、一口に「甘い」といってもその甘さはワインとチョコレートで大きく差があり、ペアリングとなるには両者のバランスがかなり重要。ワインが甘口の場合でもチョコレートの甘さの方が強く、ワインの酸味が際立ってしまうことがありました。
③ワインとチョコレートの重さを合わせる
チョコレートは思っている以上に濃厚。軽めで繊細な味わいのワインと合わせると、チョコレートのコクや味わいがワインの香りや果実味を覆ってしまうため、ペアリングが成立しない要因の一つとなりました。
ミルクチョコレートは予想外のペアリングに!
ここからはそれぞれのチョコレートとワインのペアリング結果について詳しく見ていきましょう!まずは⑥甘口・酒精強化と合うと予想したミルクチョコレートとのペアリングです。
川畑:あれ?①辛口・発泡との相性が1番良い気が……!ワインの酸味が気になると思っていたのですが、上手くマッチしていますね。
中井 : 辛口ワインとは合わないと思っていたのに意外ですね。ワイン単体で飲むよりもよりワインの香りが華やかに感じます。
川畑 : 逆に合うと予想していた⑥甘口・酒精強化はチョコレートの甘さが際立ってしまいワインが酸っぱく感じてしまいますね。
杉山 : チョコレートは思っている以上に糖度が高く、ワインの甘さとのバランスが良くないと合わなくなってしまうんですね。
一方で①辛口・発泡との相性の良さには驚きました!チョコレートの甘さがワインのベリーの爽やかな果実味を上手に引き立ててくれていましたね。ワインの泡立ちが、チョコレートに含まれているカカオバター(油脂)をすっきりと流してくれました。このペアリングが成立するとは全く予想していなかったです。
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予想が分かれていたブラックチョコレートは?
続いては予想で意見が分かれていたブラックチョコレートとのペアリング。
川畑 : 私は⑥甘口・酒精強化がベストペアリングだと思いました。ブラックチョコレートは思った以上に濃厚でコクのある味わいだったので、ワインもボリューム感がある方が合いますね。
中井 : 予想していた⑤やや甘口・発泡も悪くはなかったですが、ビターチョコレートと合わせるには若干ワインが軽くアンバランスに感じました。
杉山 : ブラックチョコレートの程良い苦みが⑥甘口・酒精強化の果実味や甘みを引き立ててくれましたね。
川畑 : ④辛口・タンニン多めは予想では渋みが際立ってしまいあまり合わないと思っていたのですが、ワインに感じるカカオやローストの香りやボリューム感に共通点があり、⑥甘口・酒精強化には及ばないものの意外と良い組み合わせでした。
杉山 : 今回試したブラックチョコレートはそこまでカカオ成分が高くなく、チョコレートの苦み成分とワインの渋みが喧嘩しなかったのかもしれませんね。
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予想的中!ホワイトチョコレートとのペアリング
最後はホワイトチョコレート。⑤やや甘口・発泡とのペアリングが予想されていましたが、どうだったのでしょうか?
中井 : これは予想通り⑤やや甘口・発泡と相性抜群ですね。一緒に合わせると赤いベリーのジャムが入ったチョコレートを食べているみたいです。
川畑 : 確かに!ホワイトチョコレートの甘みの延長線上にワインの程良い甘みがあるような感じがしました。
杉山 : ホワイトチョコレートはチョコレートの甘みとワインの甘さとのバランスがちょうど良かったですね。⑥甘口・酒精強化も悪くなかったですが、⑤やや甘口・発泡がよりお互いを引き立ててくれていましたね。
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チョコレートと合わなかったのは......?
一方、残念ながら今回試したチョコレートとは合わなかったワインについて。
中井 : ②辛口・タンニン少なめはどのタイプのチョコレートとも相性が良くなかったですね。
川畑 : チョコレートと一緒に食べると、チョコレートの甘さからかワインの酸味だけが際立って感じました。
杉山 : あとはチョコレートを口に含んだ時のボリューム感も要因と思われます。②辛口・タンニン少なめは味わいも軽めなので、チョコレートと合わせるとワインの果実味や香りの要素が消えてしまい、酸味だけが残ってしまいました。
まとめ
実験前は甘さやコク、苦みなどチョコレート特有の味わいからワインとのペアリングは意外と難しいのかも……という不安もありましたが、実際に試してみると辛口から甘口まで幅広いペアリングを見つけることができました!
今回は赤ワインに絞って試しましたが、そのほかのタイプのワインでも試してみると新しいペアリングが見つかるかもしれません。
皆さんもぜひワインとチョコレートのペアリングを楽しんでみてくださいね。