甘口ワインのいろは

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公開日 : 2023.2.23
更新日 : 2023.7.12
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甘口ワイン

暦の上では春とはいえ、まだまだ寒い日が続いています。こう寒いと身体は自然とは甘いものを欲するものです。


そんな時はブドウ本来の甘みが凝縮された甘口ワインはいかがでしょうか?


甘口ワインは寒い時や疲れた時に飲むと、心も身体もほっと温めてくれます。普段は甘いものを口にしないというワインラヴァーの皆さんも、そんな時にはぜひ甘口ワインを試してみては?


今回は甘口ワインのいろはをお伝えしたいと思います。

目次

どうして甘く感じるの?

ワインのテイスティングの様子

甘口ワインを語る前に、どうして甘く感じるのか、ということについてお話ししたいと思います。


食べ物の味は、甘み、塩味、酸味、苦味、旨味の五つの「基本味」に分類されます。ひと昔前までは、この五つの基本味は、それぞれ舌の異なるエリアで感知されると考えられていました。


例えば、甘みは舌の先、塩味は舌の中央、酸味は舌の横、苦味は舌の奥といった具合です。しかし、現在は一つの味蕾ですべての基本味を感知しているということが解明されています。


味蕾とは味覚を感知する花の蕾状の細胞の集まりで、頬の内側や唇にもありますが、大部分が舌にあります。舌にある味蕾の数は大人で約7,500〜10,000個で、舌のどの部分にある味蕾も味をまんべんなく感知すると言われています。


そしてワインの甘みや辛味は、アロマ、タンニン、酸味によって左右されると考えられています。


甘い香りがする辛口ワインは、その甘い香りによって辛味が緩和されるように感じますし、タンニンを含む赤ワインは含有糖度に比べて甘みをそれほど感じません。


酸味の強い白ワインは、酸味が甘みに勝り、甘みを感じにくくなるのです。

ワインが甘くなるわけ

甘く感じる理由が分かったところで、どうしてワインが甘くなるのかご説明いたします。


ワインはブドウに含まれる糖分が酵母の働きで発酵しアルコールと二酸化炭素に変わることで生まれるお酒です。


その発酵はブドウジュースの糖分がすべて消化される、もしくは、容量パーセントで15度前後になると停止します。一般的に、糖度25度でアルコール度数15度前後のワインとなりますから、糖度が25度以下のブドウでワインを造れば辛口になり、25度以上のブドウでワインを造れば糖分が残り、甘いワインができます。


また、ブドウのアルコール発酵を途中で止めても甘口のワインができます。ブドウの糖分がアルコール発酵によりすべて消化されると辛口のワインになりますが、途中で発酵を止めれば糖分が残るため甘口になるのです。


そんな甘口ワインにもたくさんの種類があります。それぞれどんなブドウからどのように造られているのか見てみましょう。


  • 貴腐ワイン
  • アイスワイン
  • 遅摘みワイン
  • ストローワイン
  • 酒精強化ワイン

貴腐ワイン

貴腐ブドウ

貴腐ワインは、貴腐菌が付着して果皮に穴があき、そこからブドウの水分が蒸発した、非常に糖度の高いブドウを原料とします。よって、アルコール発酵後も十分な糖度が残るため極甘口となります。


ただ、しっかりとした酸を持ち合わせているので、残糖度のわりに甘さを感じません。貴腐菌に由来する複雑な風味が特徴で、長期熟成も可能です。


フランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイワインは世界三大貴腐ワインと呼ばれています。

レゼルヴ・ムートン・カデ・ソーテルヌ

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アイスワイン

凍結したブドウ

アイスワインもまた、糖度の高いブドウ果汁を使用して造られる甘口ワインです。アイスワインはブドウが樹上で凍結した状態の時に収穫し、凍ったまま圧搾して造られます。凍結したブドウを圧搾すると、ブドウ果粒内の水分は凍っていますが、その他のエキス分は凍っていないため、非常に凝縮した糖度の高いブドウ果汁が得られます。


アイスワインはブドウを過熟させるわけではなく、ブドウが適度に熟した状態で凍結するため、搾汁したジュースにはピュアな果実味と高い酸が残ります。


そのため、甘みと酸味のバランスが優れており、甘口ながらすっきりとした味わいのワインに仕上がります。主な生産国はカナダ、ドイツ、オーストリアです。

イニスキリン アイスワイン・ゴールド・ヴィダル

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遅摘みワイン

遅摘みブドウ

遅摘みワイン(=レイトハーヴェスト)は、完熟したブドウの収穫時期を遅らせ、水分が蒸発し糖度の上がった遅摘みのブドウから造られます。


ブドウの残糖度によって濃厚な甘みのものから、ほのかに甘いものまで、多様なスタイルの遅摘みワインが各国で造られています。

レイト・ハーヴェスト・セミヨン

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ストローワイン

藁の上にあるブドウ

ストローワインは干しブドウから造られるワインのことで、かつて収穫したブドウを藁(straw)の上で乾かしてから造られていたためこのように呼ばれるようになりました。


乾燥して水分が蒸散した干しブドウは糖度が高いため、醸造すると通常のワインよりもアルコール度数が1〜3%程度高くなり、赤ワインの場合でも白ワインの場合でも味わいは非常に濃厚な甘口となります。


フランス、イタリア、スペイン、オーストラリアなどで主に生産されています。

マルケーゼ・アンティノリ・ヴィンサント・デル・キャンティ・クラシコ

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酒精強化ワイン

樽

シェリーマデイラポートワインなどの酒精強化ワインは、一般的にブドウ果汁の発酵途中または発酵後にアルコールを添加して造られます。ブドウ果汁の発酵途中にアルコールを添加した場合は、糖分が残った状態で発酵が止まるため甘口となります。


また、ブドウ果汁の発酵中にアルコールを添加して造られる甘口ワインもあります。フランスではヴァン・ドゥー・ナチュレルと言い、南フランスで造られるモーリィやバニュルス、リヴザルト等がこれにあたります。

アルマセニスタ オロロソ・パタ・デ・ガリーニャ 1/38

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まとめ

甘口ワインは糖度が高いため、辛口ワインに比べて開栓後もしばらく風味が落ちません。ですから、グラス1杯ずつ、数日かけてゆっくりと楽しむことができます。


寒い夜は甘口ワインでほっと一息ついてはいかがでしょうか?

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