ブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区最大の面積を持つジュヴレ・シャンベルタン村には九つのグラン・クリュ(特級畑)があります。中でもナポレオンが愛飲したことで知られるシャンベルタンはその代表格であり、この村の名声を築いてきた立役者でもあります。
今回はブルゴーニュきっての長寿ワインでもあるシャンベルタンを解説します。
産地 | フランス ブルゴーニュ地方 コート・ド・ニュイ ジュヴレ・シャンベルタン村 |
面積 | 13.62ha |
土壌 | 粘土質を含む石灰岩 |
品種 | ピノ・ノワール |
タイプ | 赤 |
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テロワール
シャンベルタンはブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区北部ジュヴレ・シャンベルタン村にあるグラン・クリュ(特級畑)で、面積は約13.62ha、標高約275〜300mの日当たりの良い東向きの斜面にあります。
夏は暑く冬は寒い半大陸性気候のブルゴーニュの中で、ジュヴレ・シャンベルタン村はグラン・クリュを擁する村としては北方に位置するため比較的冷涼です。
土壌は粘土石灰質土壌、グラン・クリュは茶色い土壌で表土は薄く、泥土や砂利質の堆積物となっています。
シャンベルタンは北側に隣接するシャンベルタン・クロ・ド・ベーズと共に、ワインの評価も人気も、この村の他のグラン・クリュとは別格とされています。
ジュヴレ・シャンベルタン村の九つのグラン・クリュ
ワインの特徴
シャンベルタンは、肉付きの良い男性的なワインが特徴です。芳醇で色調も濃く果実の凝縮感もありながら、洗練されており繊細なのは、さすがグラン・クリュの風格と言えるでしょう。
シャンベルタンがこの村の他のグラン・クリュとは別格と評価されるのは、他に優って多くの特性を兼ね備えているからです。それはつまり、ラトリシエール・シャンベルタンの持つフィネス、マジ・シャンベルタンにある力強さ、シャペル・シャンベルタンのような豊かな芳香、といった具合に、ジュヴレ・シャンベルタンの美質の全てを持ち合わせているから。
また、豊富な酸とタンニンは長期熟成を可能にしています。少なくとも10年、概ね20年前後は熟成させことが可能で、長期熟成によってビロードのような滑らかな口当たりと複雑妖艶なアロマ、複雑な風味が生まれます。
ブルゴーニュワインの王と言われる所以も納得の逸品となるのです。
歴史
シャンベルタンの名前の由来は、13世紀にベーズ修道院が所有していたクロ・ド・ベーズから造られるワインが有名になったのがきっかけと言われています。
噂を聞きつけた地元のベルタンという農夫が、クロ・ド・ベーズの隣の畑にブドウ樹を植えたため「ベルタンの畑」という意味のフランス語「シャン・ド・ベルタン」がなまって現在のシャンベルタンと呼ばれるようになったと言われています。
18世紀の英雄ナポレオンはロシア遠征にまでシャンベルタンを運ばせたという逸話が残るほどこのワインを愛飲し、その名声は不動のものとなりました。
もともとジュヴレ・シャンベルタン村はジュヴレ村という名称でしたが、1848年、村長が村のワインの評判を高めるために、村名にシャンベルタンの名を付け、「ジュヴレ・シャンベルタン村」と改名。この時同時に、村に九つあるグラン・クリュの畑にも「シャンベルタン」の名が付けられました。
代表的な生産者
- アルマン・ルソー
- ルロワ
- ピエール・ダモワ
- ロシニョール・トラペ
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参考文献:『The World Atlas of WINE 8th Edition 世界のワイン図鑑』