シャンパンの認可品種、全8種の栽培をドラピエが実現

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公開日 : 2023.5.16
更新日 : 2023.5.16
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シャルドネ

シャンパンに使用されるブドウ品種といえば何が思いつきますか?


きっと大半の方がピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエを思い浮かべるはずです。


それも当然。実際ほとんどのシャンパンがこの3品種から造られています。


しかし実はシャンパンには8品種もの使用が認められているのをご存知でしょうか。


なんと2023年5月、その8品種すべての栽培を「ドラピエ」が実現したことが発表されました!


多くの生産者が前述の3品種でシャンパンを生産しているのにも関わらず、ドラピエはなぜ8品種すべての栽培を行ったのでしょうか。


その経緯から品種の特徴まで詳しくお伝えします。

目次

ドラピエ、シャンパンの認可ブドウすべてを栽培

ドラピエのボトルとグラス

2023年5月5日、ドラピエがAOCシャンパーニュで使用が認められている8品種すべてを栽培した初の生産者となったことが報じられました。


ドラピエはシャンパーニュ地方最南端のコート・デ・バールに拠点を構える、自然派シャンパンの代表格と言われている生産者です。


彼らはこれまでにシャンパンの認可品種の中でピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエの三つに加え、滅多に見かけることのないプティ・メリエ、アルバンヌ、ピノ・ブラン、ピノ・グリの四つをすでに栽培していました。


この中でもプティ・メリエやアルバンヌは病気に弱く繊細なため栽培されることが特に少なくなっており、忘れ去られた品種とも言われています。


しかし、彼らにとってこれらの品種を保存することは8世代にもわたるシャンパンメゾンとしての使命であると感じ現在も栽培を続けているのです。


そしてこれらに続き2023年、ドラピエの当主ミシェル氏は8品種目を植樹。


この8品種目は、2021年にAOCシャンパーニュの認可ブドウとして承認された「ヴォルティス」という名前の白ブドウ。


ヴォルティスはシャンパーニュ地方で初めて認められたハイブリット品種であり、べと病とうどんこ病の両方に耐性を持ちます。


そのため殺菌剤や殺虫剤の使用を抑えることができ、サステナブルな面においても高い期待が寄せられています。


ただし、このヴォルティスは認可品種とは言っても他の7品種とは違い実験的にのみ認可されており、栽培面積は敷地面積の5%未満でなければなりません。


さらにヴォルティスのブドウで造られたワインは最大10%までしか使用できないというルールもあります。


これらのルールは今後10年間適用され、その間にヴォルティスを使用したシャンパンの品質分析が行われることとなっています。


もし品質が不十分であった場合、ヴォルティスは認可品種から除外される可能性があるのです。


また今すぐに使用されるわけではなく、ヴォルティスは2028年までワイン製造に使用されず、シャンパンのブレンドに使用することができるのは早くても2030年になるであろうとミシェル氏が述べています。

まとめ

シャンパンに8品種ものブドウの使用が認められている、今回のニュースでこのこと自体に驚いた方も多いのではないでしょうか。


プティ・メリエやアルバンヌは現在ではほとんど知られていない品種ですが、ここ最近はシャンパンのアロマに新たな可能性をもたらすとして注目が集まっています。


そのような動きの中でヴォルティスの試験が上手くいき使用されるようになれば、またさらにシャンパンのスタイルも大きく変わるのではないでしょうか。


ヴォルティスが正式に認可品種となるのか、その結果が待ち遠しいですね!

参考文献 ・Patrick Schmitt, "Drappier becomes first to grow all eight Champagne grapes", the drinks business, 2023-05-05, https://www.thedrinksbusiness.com/2023/05/drappier-becomes-first-to-grow-all-eight-champagne-grapes/(参照2023-05-16) ・"the vineyard", champagne drappier, 2023, https://www.champagne-drappier.com/(参照2023-05-16)

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