ブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区最大の面積を持つジュヴレ・シャンベルタン村には九つのグラン・クリュ(特級畑)があります。
その一つ、シャルム・シャベルタンは、力強く男性的なワインが多いこの村のグラン・クリュワインの中で、ひときわエレガントなワインを生むと言われています。
今回はそんなシャルム・シャンベルタンについて解説したいと思います。
産地 | フランス ブルゴーニュ コート・ド・ニュイ ジュヴレ・シャンベルタン村 |
面積 | 28.43ha(マゾワイエール・シャンベルタンの区画でシャルム・シャンベルタンを表示しているものも含む) |
土壌 | 粘土質を含む石灰岩 |
品種 | ピノ・ノワール |
タイプ | 赤 |
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テロワール
シャルム・シャンベルタンはブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区北部ジュヴレ・シャンベルタン村にあるグラン・クリュで、面積は約28.43ha(マゾワイエール・シャンベルタンの区画で、シャルム・シャンベルタンを表示しているものも含む)、標高約260〜275mの日当たりの良い東向きの斜面にあります。
国道を挟んで西側の斜面上方にグラン・クリュのシャンベルタン、北側に同じくグラン・クリュのグリオット・シャンベルタン、南側にマゾワイエール・シャンベルタンと隣接しています。
夏は暑く冬は寒い半大陸性気候のブルゴーニュの中で、ジュヴレ・シャンベルタン村はグラン・クリュを擁する村としては北方に位置するため比較的冷涼です。この地域一帯の土壌は粘土石灰質土壌で、グラン・クリュは茶色い土壌で表土は薄く、泥土や砂利質の堆積物となっています。この泥土の土壌がワインにボディを与え、小石の多い砂利の土壌がワインにエレガンスを与えています。
ジュヴレ・シャンベルタン村の九つのグラン・クリュ
ワインの特徴
1937年にA.O.C.に認定されたシャルム・シャンベルタンはピノ・ノワールから造られる赤ワインです。
シャルム・シャンベルタンのワインはジュヴレ・シャンベルタン村の他のどのグラン・クリュよりも熟成が早く、比較的若いうちから楽しめます。しっかりとした酸味と豊富な果実味、口当たりはやわらかく、タンニンもきめ細やかで非常にエレガントなワインになります。
なお、マゾワイエール・シャンベルタンの畑のブドウから生まれるワインはA.O.C.シャルム・シャンベルタンを名乗ることができます。そのため、マゾワイエール・シャンベルタンのブドウを使用するたいていの生産者は知名度がより高いシャルム・シャンベルタンの名前でワインをリリースしています。
また、ジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュでは最も面積が広いため、ネゴシアンも買い付けがしやすく、ネゴシアンワインで優れた物が多いのも特徴です。
代表的な生産者
- カミュ・ペール・エ・フィス
- アルマン・ルソー
- クロード・デュガ
- ベルナール・デュガ・ピィ
- ドメーヌ・アンリ・ルブルソー
- ジョゼフ・ドルーアン
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参考文献 「ブルゴーニュワインがわかる」 マット・クレイマー著 阿部秀司:訳