ジュヴレ・シャンベルタン村はブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区最大の面積を持ち、なおかつコート・ド・ニュイの中で最多となる九つのグラン・クリュ(特級畑)を保有します。
その九つのグラン・クリュの中で最小の畑がグリオット・シャンベルタンです。
グリオット・シャンベルタンにはドメーヌ・ポンソやルネ・ルクレール、クロード・デュガといった優良生産者が名を連ねており、信頼のおけるグラン・クリュのワインを長年生み出しているのですが、いかんせん生産量が非常に少ないため市場ではあまり見かけません。
今回はそんなグリオット・シャンベルタンについて解説します。
産地 | フランス ブルゴーニュ コート・ド・ニュイ ジュヴレ・シャンベルタン村 |
面積 | 2.65ha |
土壌 | 粘土質を含む石灰岩 |
品種 | ピノ・ノワール |
タイプ | 赤 |
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テロワール
グリオット・シャンベルタンはブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区北部ジュヴレ・シャンベルタン村にあるグラン・クリュで、面積は約2.65ha、標高約265〜275m、西から東にかけて緩やかに傾斜する日当たりの良い斜面にあります。
国道を挟んで西側の斜面上方にグラン・クリュのシャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、南側に同じくグラン・クリュのシャルム・シャンベルタン、北側にシャペル・シャンベルタンと隣接しています。
夏は暑く冬は寒い半大陸性気候のブルゴーニュの中で、ジュヴレ・シャンベルタン村はグラン・クリュを擁する村としては北方に位置するため比較的冷涼です。この地域一帯の土壌は粘土石灰質土壌で、グラン・クリュのある西側の斜面上部は茶色い土壌で表土が浅く、泥土や砂利質の堆積物で水はけが良いのが特徴です。
ジュヴレ・シャンベルタン村においては地勢に由来する局地気候が著しく、グラン・クリュ群の北に位置するコンブ・ド・ラヴォーと呼ばれる急峻な渓谷が雹などの悪天候を西側に逃す働きをするため、グラン・クリュが雹の被害に遭うことは稀です。
また、冷たい空気は斜面の底部に流れ込むため、斜面上部に位置するグラン・クリュが遅霜の被害に遭うこともあまりありません。
ジュヴレ・シャンベルタン村の九つのグラン・クリュ
ワインの特徴
1937年にA.O.C.に認定されたグリオット・シャンベルタンはピノ・ノワールから造られる赤ワインです。
グリオットとはフランス語で野生のサクランボのことで、その名の通りグリオット・シャンベルタンのワインにはグリオットやキイチゴのような酸味のしっかりした赤い果実の風味を感じることが多くあります。
若いうちは非常に果実味が豊かで、この村のグラン・クリュ・ワインの中では比較的早めに成熟します。グリオット・シャンベルタンのワインは、ジュヴレ・シャンベルタンのワインらしい力強さと豊満さに加えて、凛とした酸と、滑らかできめの細かいタンニン、エレガントさを持ち合わせた類稀なる逸品と言えるでしょう。
代表的な生産者
※グリオット・シャンベルタンの最大の所有者は、ブルゴーニュの銘醸地を数多く所有する大地主のドメーヌ・デ・シェゾーです。シェゾーはポンソやルネ・ルクレールに畑を貸し、完成したワインの一部を小作代として貰い受け、ドメーヌ・デ・シェゾーの名を冠して販売する「メタヤージュ」の契約を締結しています。
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