ワインにスクリューキャップ……と聞くと「安ワイン」を想像しませんか?
スクリューキャップで栓をされたワインは、ひねるだけで開く上、飲み残した場合は再栓もできるので、コルク栓のワインよりも気軽に手に取れますよね。
そのためか、コンビニやスーパーで売られている安価なワインはスクリューキャップである場合がほとんどです。
しかし、近年はそういった安価なものばかりではなく、フランスやイタリアの名門生産者もスクリューキャップを採用するケースが増え、今や世界のワインの10本に4本はスクリューキャップが使われていると言われるほど。
とりわけオーストラリアやニュージーランドにおいての普及率は90%以上にのぼります。
その有用性から注目を集めるスクリューキャップと、その普及活動に精力的に取り組むイタリアの団体についてご紹介いたします。
スクリューキャップのメリット
ワインの栓と言えばコルク。特に名門生産者の造る高価なワインには、そんなイメージがありますよね。
ワインの熟成には微量の酸素供給が必要なためコルク栓が最適、というのが長年の通説で、多くのワイナリーは伝統的にそれを続けてきました。
しかしコルク栓はワインの熟成に最適とされる反面、ブショネや乾燥による劣化といった避けがたい問題も多々あります。
その解決に代用として台頭してきたのがスクリューキャップでした。
気密性に優れたスクリューキャップですが、僅かに空気を通すため、コルク栓より速度は遅いもののしっかりとワインを熟成させられるということが判明しています。
さらに高い密封性から、フレッシュさなどの風味などを保ったままワインの保存ができ、酸化防止剤の使用量を減らすことも可能。その利点を最大限に生かしたワイン造りを行う生産者も多くいます。
また、多くのスクリューキャップは環境に優しいアルミニウムで造られており、SDGsが叫ばれる昨今、その持続可能性においても非常に有用であることが注目されている理由の一つと言えるでしょう。
イタリアの5生産者による協会「リ・スヴィターティ」
そんなスクリューキャップをイタリアで普及していこうと精力的に活動をしている協会が「リ・スヴィターティ」です。
イエルマン、フランツ・ハース、プラ、ヴィニェーティ・マッサ、ポイエル・エ・サンドリというイタリアを代表する5生産者による団体で、2023年3月6日に初の公式会合が開催されました。
ガンベッラーラのヴィラ・ソリオで行われた会では、スクリューキャップに関する会議と討論、コルク栓ワインとスクリューキャップワインの比較試飲が行われました。
伝統を尊重しコルク栓を採用する風潮が強いイタリア。その中でリ・スヴィターティは、ワインの品質を高く維持するための選択肢として、また持続可能な開発目標の一つとして、スクリューキャップが非常に有用であるということをこれからも伝えていくと言います。
生産者の中の一例として、イエルマンでは2006年よりスクリューキャップの積極的な採用を開始。
天然コルク、人工コルク、プラスチックなどを同時に試し研究した結果、スクリューキャップは非常に有効なクロージャーであり最もイエルマンのワインの表現に適していると結論付けました。
その研究によるスクリューキャップの利点は以下の通りです。
1. 余分な酸化を防ぐため、酸化防止剤の使用量を30%軽減することができる。
2. 赤ワインでもタンニンがソフトで熟成の必要がないものはコルクである必要性がない。若くてもすぐに楽しめるワインであれば、スクリューキャップを使用するメリットがおおいにある。
3. ブショネがほぼない。
まとめ
スクリューキャップにより、イタリアをはじめとして、長らく伝統を守ってきたワインの世界に革新的で新しい風がもたらされています。
「スクリューキャップは安ワイン」という見方がある方はぜひそれを取り払って、積極的に手に取ってみてくださいね。