ジュヴレ・シャンベルタン村はブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区最大の面積を持ち、なおかつコート・ド・ニュイの中で最多となる九つのグラン・クリュ(特級畑)を保有します。
そのグラン・クリュ群の最北に位置するマジ・シャンベルタンのワインは、ジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュワインの中でも傑出した力強さを誇ります。
今回はこの偉大なグラン・クリュについて解説したいと思います。
産地 | フランス ブルゴーニュ コート・ド・ニュイ ジュヴレ・シャンベルタン村 |
面積 | 8.27ha |
土壌 | 粘土質を含む石灰岩 |
品種 | ピノ・ノワール |
タイプ | 赤 |
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テロワール
マジ・シャンベルタンはブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区北部ジュヴレ・シャンベルタン村にあるグラン・クリュで、面積は約8.27ha、標高約275〜300mの日当たりの良い東向きの斜面にあります。
マジ・シャンベルタンはコート・ドール最北のグラン・クリュで、南には同じくグラン・クリュのシャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、西の斜面上部にはリュショット・シャンベルタン、北にはプルミエ・クリュのレ・コルボー、街道を挟んで東の斜面低部には同じくプルミエ・クリュのオー・クロゾー、レ・ペリエール、クロ・プリウール、シェルボードと隣接しています。
夏は暑く冬は寒い半大陸性気候のブルゴーニュの中で、ジュヴレ・シャンベルタン村はグラン・クリュを擁する村としては北方に位置するため比較的冷涼です。また、この地域一帯の土壌は粘土石灰質土壌で、グラン・クリュは茶色い土壌で表土は薄く、泥土や砂利質の堆積物となっています。
マジ・シャンベルタンは、斜面上部レ・マジ=オーと低部レ・マジ=バの二つの区画に分けられます。1860年のボーヌ農事委員会によるブドウ畑の格付けでは、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズと地続きにある上部のレ・マジ=オーの方がレ・マジ=バより格上とされました。
しかしその後、土壌、日照、斜面の傾き具合など、両者にほぼ違いはないとされ、1937年に両者を合わせマジ・シャンベルタンとして一つのA.O.C.に認定されました。
ジュヴレ・シャンベルタン村の九つのグラン・クリュ
ワインの特徴
マジ・シャンベルタンはピノ・ノワールから造られる赤ワインです。
マジ・シャンベルタンは、豊富な果実味と酸味、力強いタンニンが特徴の肉付きの良いワインとなります。また、その豊富な酸味や力強いタンニンが長期熟成を可能にします。
マジ・シャンベルタンの力強さは、ジュヴレ・シャンベルタン村にある九つのグラン・クリュの中でもとりわけ力強いワインを生むとされるシャンベルタンやシャンベルタン・クロ・ド・ベーズをも時に上回るほどです。力強さというよりは、良質かつ生命力にあふれたブドウの野生味と表現した方が良いかもしれません。
マジ・シャンベルタンの芳醇かつ複雑なアロマ、エキス分に富んだ濃厚な風味、果実味の凝縮感は比類ありません。まさに貫禄のグラン・クリュワインと言えるでしょう。
代表的な生産者
- オスピス・ド・ボーヌ
- フェブレイ
- アンリ・ルブルソー
- アルマン・ジョフロワ