ブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区最大の面積を持つジュヴレ・シャンベルタン村には九つのグラン・クリュ(特級畑)があります。
その九つの畑はすべて、村の標高の高い場所に密集していますが、土壌や日当たり等のわずかな違いによって個性の異なるワインが生まれています。
今回は村の最南端に位置するグラン・クリュ、マゾワイエール・シャンベルタンを解説します。
産地 | フランス ブルゴーニュ コート・ド・ニュイ ジュヴレ・シャンベルタン村 |
面積 | 1.82ha |
土壌 | 粘土質を含む石灰岩 |
品種 | ピノ・ノワール |
タイプ | 赤 |
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テロワール
マゾワイエール・シャンベルタンはコート・ド・ニュイ地区北部ジュヴレ・シャンベルタン村にあるグラン・クリュで、面積は約1.82ha、標高約260〜275mの日当たりの良い東向きの斜面にあります。
この村の九つのグラン・クリュの中では最南端にあり、国道を挟んで西側の斜面上方にグラン・クリュのラトリエシエール・シャンベルタン、北側に同じくグラン・クリュのシャルム・シャンベルタン、南側はモレ・サン・ドニ村と隣接しています。
夏は暑く冬は寒い半大陸性気候のブルゴーニュの中で、ジュヴレ・シャンベルタン村はグラン・クリュを擁する村としては北方に位置するため比較的冷涼です。この地域一帯の土壌は粘土石灰質土壌で、グラン・クリュは茶色い土壌で表土は薄く、泥土や砂利質の堆積物となっています。この泥土の土壌がワインにボディを与え、小石の多い砂利の土壌がワインにエレガンスさを与えています。
ジュヴレ・シャンベルタン村の九つのグラン・クリュ
ワインの特徴
1937年にA.O.C.に認定されたマゾワイエール・シャンベルタンはピノ・ノワールから造られる赤ワインです。
マゾワイエール・シャンベルタンの畑のブドウから生まれるワインは北に隣接するA.O.C.シャルム・シャンベルタンを名乗ることができます。そのため、マゾワイエール・シャンベルタンのブドウを使用するたいていの生産者は知名度がより高いシャルム・シャンベルタンの名前でワインをリリースしています。
とは言え、シャルム・シャンベルタンとマゾワイエール・シャンベルタンが同じような個性を持ったワインかと言えば、そうとも限りません。
シャルム・シャンベルタンが口当たりの柔らかい非常にエレガントなワインであるのに対して、マゾワイエール・シャンベルタンは明らかに堅牢で男性的、タンニンはきめ細やかながら非常に豊富です。ミネラル感もしっかりと感じられ、硬質的な味わいが特徴です。
シャルム・シャンベルタンはジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュの中では比較的早く熟成が進みますが、マゾワイエール・シャンベルタンはシャルム・シャンベルタンよりも長期熟成型のワインとなります。
代表的な生産者
- カミュ・ペール・エ・フィス
- ドメーヌ・アンリ・リシャール
- ドメーヌ・トプノ・メルム
- ドメーヌ・アルマン・ルソー
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