大切な人との特別な食事での1杯も、疲れた1日の終わりに飲む1杯も、ワインはその時の気持ちに寄り添い、心を豊かに落ち着かせてくれる存在です。
1杯のワインがいつもの日常にちょっとだけ彩りを与えてくれます。
そんなワインのある暮らしを覗いてみませんか?エノテカスタッフの生活に馴染んだワインのある生活をお伝えします。
著:俵田瑞貴
ワインショップ・エノテカ横浜そごう店スタッフ。 生まれは広島。夏はアクティブに冬はインドアでも楽しめるタイプです。 最近はドイツの白ワインや冷やした赤ワインにハマり中。 2月に神奈川県へ引っ越してきたばかりで、最近できた新しい趣味は神社巡り、美術館巡り、酒屋で角打ちなど神奈川県を堪能しています。
数年前から趣味になったキャンプ。神奈川に引っ越してからは行きづらくなってしまいましたが、広島にいたときは季節問わずキャンプを楽しみ、夏には月に3、4回行くこともありました。
ここまでハマったのは、以前の職場の同僚がきっかけ。もともとドライブが好きだった私のお気に入りドライブスポットが同僚のキャンプスポットであることが発覚し「今度は一緒にキャンプに行こう!」と連れて行ってもらいました。それ以降も毎回二人でキャンプを楽しむようになったのです。
最近のアウトドアブームで新しく綺麗なキャンプ場も一気に増えたけれど、機能性の高いキャンプグッズをあれこれ用意して、おしゃれなキャンプ場で……、というのは何だかしっくりこない。
持ち物も必要最低限に、人気が少なく自然を満喫できる、あえてあまり設備の整っていない場所を選びます。
そのすべてはお酒とキャンプ飯をおいしく楽しむため。
そうしてどっぷりハマったキャンプ。実はワインが好きになったきっかけもキャンプでした。
ある時、「ちょっと気分を変えてみよう!」といつもは選ばないワインをキャンプに持って行くことにしました。
目的地に到着し、いつものようにキャンプ飯を準備しワインを抜栓。
料理を口に運び、ワインを飲む……すると、いつものキャンプ飯なのに味わいが違う!と、料理とワインが互いを引き立てあうマリアージュ体験に感動しました。
いつもとは違う特別感を感じさせ、満足度を高めてくれたワインの魅力にこの時目覚めたのです。
今では、夏は川にワインボトルをそのままざぶんと浸けてキンと冷えたワイン、冬は焚火で熱々のホットワイン、というように季節ごとにキャンプならではの楽しみ方でワインを満喫しています。
そんな私たちの鉄板のキャンプペアリングはスペアリブと赤ワイン!
メインイベントのキャンプ飯には手間はかけたいものの、だからといって簡単にできるものに越したことはない、そんなわがままを叶えてくれるのが「スペアリブ」です。
出発前からタレに漬け込んでおけば、目的地に到着して準備が一通り終わるころにはしっかりとタレが染み込みます。そのまま七輪で焼いたらあっという間に完成!
香ばしく、甘辛いタレの香りが食欲をそそるスペアリブと濃厚な赤ワイン、という最高な組み合わせです。手間がかからないのに、この二つだけで何だか贅沢な気分を味わえます。
ワインといってもワイングラスではなく、キャンプではステンレスマグに注ぎ、とにかく気軽に楽しむのが私流です。
そうして食事を終えたら、あとは二人それぞれの自由時間。
海でぷかぷか浮かんだり、本を読んだり、ぼーっと景色を眺めたり……各々自由に過ごしながらも、たまにラジオから流れてくる話から自然と二人の会話が始まり、気付いたらワインを手にまた盛り上がります。
特別なことはないけれど、自然に囲まれてゆったり気ままにワインと食事を楽しむ。これが私のワインのある暮らしです。