今が楽しい、新時代を迎えた日本ワイン

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公開日 : 2023.8.31
更新日 : 2024.10.1
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ワインは数千年もの歴史を持つお酒です。ファッションや音楽に流行があるように、ワインも時代の流れとともに変化を続け、魅力はますます広がっています。


そんなワイン事情に敏感ないまどきスタッフが集まり、ベテランスタッフと語らいます。


第2回のテーマは、「日本ワイン」。2014年に山梨県の中央葡萄酒が権威ある「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード」で日本ワイン初の金賞と地域最高賞を受賞したことを皮切りに、今や数々のワイナリーが世界的アワードで高評価を獲得。


日本ワインへの注目度は国内外で年々高まりを見せており、今まさにブーム真っ只中と言えます。


今回はそんな日本ワインの魅力をエノテカスタッフに訊きました。

スタッフプロフィール

スタッフプロフィール

左から

井出智也

商品部 商品マスタ課

北海道のドメーヌ・アツシ・スズキのワインに出会って以来、日本ワインラヴァーに。昨年はチケット争奪戦を勝ち取り、北海道・余市のラフェト・デ・ヴィニュロン・ア・ヨイチに参加しました!今特に注目しているのは、長野の実家から近いワイン産地である小諸の糠地。ちなみに現在家で飲むワインの5分の1が日本ワインです。


安岡嵩生

商品部 ブランド課

ワイン会でよくご一緒する大先輩から日本ワインの魅力を教えてもらったことがきっかけで、日本ワイン好きに。1番好きな生産者は小布施ワイナリーです。以前、江戸前寿司と岩手の高橋葡萄園のリースリング・リオンを合わせたのですが、特にサヨリとの相性が素晴らしく忘れられません!


河獠

マーケティング部 企画販促課

前職時代から趣味の旅行で日本全国を巡っていた際、各地のワイナリーに立ち寄ってワインを飲むのが好きでした。今では50軒以上の日本のワイナリーを訪問しており、1番好きな生産者は山形県の高畠ワイナリーです。赤・白ワインともに国内外で高く評価され、日本を代表するワイナリーの一つだと思っています。

目次

日本ワインの世界へ

安岡嵩生

―日頃から世界中のワインに触れている中で、どういうきっかけで日本ワインにハマったんですか?

安岡

安岡

僕は周りに日本ワイン好きな方がいたのが大きいです。 その方はブルゴーニュラヴァーでもあるので、一緒にワインを飲むときはブルゴーニュのエレガントなピノ・ノワールや綺麗なシャルドネと比較して、「日本ワインでも甲州やこんなにエレガントなピノ・ノワールもあるんだよ」と教えてもらいました。 そうして日本ワインの魅力を知っていきましたね。

井出

井出

私は昔から勉強のために飲んではいたんですけど、自分で楽しむためには買っていませんでした。 それが最近では、家で飲むワインの5分の1くらいが日本ワインになりましたね。

河

いろんな国がある中で多いですね!

井出

井出

そうなんです。そうなった理由としては、やはり品質がかなり高くなってきていること、そして新しい小さい生産者もたくさん出てきているので、それを追うようになって楽しくなりました。

安岡

安岡

追いかけるのって楽しいですよね!推し活のような。 日本ワインは試験的な栽培や醸造がまだたくさんあって、毎年飲んでいると、スタイルが変わったり品質が上がったり、変化がわかって楽しいですよね。

談議中
井出

井出

しかも疑問に思ったら日本語で情報が得られるので。言葉の垣根がないのは大きいですよね。

河

そうですね。僕は元々趣味の旅行で目的地の近くのワイナリーを訪れ、その土地のワインを飲んだのがきっかけです。 生産者の方のお話も直接聞けますし、やっぱり現地に行って飲んでみると愛着が沸いて好きになりました。

目が離せない!転換期真っ只中の日本ワイン

説明中

―日本ワインならではの魅力って、どういったところだと思いますか?

井出

井出

日本ワインは昔からあったとはいえ、フランスなどの伝統的な国と比べると歴史が浅いじゃないですか。地理的表示(GI)もでき始めての今という。 なので、本当に今、ワイン造りを取り囲む環境も品質もどんどん変わっていて、どんどん新しい生産者が出てきている。 フランスなどはもうそういったところが確立している中で、日本ワインのこの転換期に自分たちは飲めるという、この「今」感がすごい魅力だと思います。

安岡

安岡

確かに、今追いかけるのが1番面白いと思います。

河

僕も同意です。今やっぱり過渡期だなというのはすごく思います。しかもただ単に一過性のブームというより、皆さんに本物の実力があってのことだと思うんです。 ワイナリーを訪問してお話を聞いているとわかるんですけど、本当に造り手さんたちのワイン造りに対する情熱がすごいんですよね。 例えば、海外から情報を取り入れたり、広島県にある酒類総合研究所の醸造に関する論文を読んだりされている方もいて。 やっぱり日本に住んでいるので、応援していきたいという気持ちもありますし、でも贔屓でなくて本当に質が上がっているんですよ! なので、井出さんも安岡さんも仰っていましたけど、ちょうど今面白い時期なんじゃないかなと思います。本当に目が離せないです。

河
井出

井出

あと私、北海道のワインが好きで、中でもドメーヌ・アツシ・スズキという生産者が1番好きなんですけど。

安岡

安岡

ああ~、美味しいっすね……!

井出

井出

旨味と透明感というか、とても日本っぽい味わいなんですよね。滋味深さとかが他の銘醸地にはないものだと思っています。 世界の銘醸地を真似して造っている感じではないんですよね。あくまで日本の、北海道のテロワールを表現しているというか。やっぱそういうところがいいなと思います。

安岡

安岡

わかります。北海道ってそういう生産者が多いですよね。ピノ・ノワールでも他の産地とは全然違う世界というか。北海道の味ってなんかありますよね。

井出

井出

はい、他の世界の産地と比べてちょっと薄いとか、もちろんそう思う方もいらっしゃるかもしれないんですけど、目指している方向が違うんですよね。 そういうのが確立されているのが長野とか北海道だと思います。テロワールの個性が表現されているんだと思います。

河

個人的には日本のワイナリーの方向性って、大きく三つに分かれると思っています。一つ目は「世界の銘醸ワインと競っているところ」、二つ目は「日本の風土に合わせたワイン造りをするところ」、三つ目は「その二つの掛け合わせたところ」と思っています。 どの方向性のワイナリーも情熱を持ってワイン造りをされていますし、国内のワイナリーだと訪問しやすいと思います。 そのため、実際に行ってその土地やワイン造りへの想いを身近に感じることができる、というのも日本ワインの大きな魅力の一つですよね。

―同じ日本だから、海外に比べて簡単にその地に行けるというのがいいですね!今まで訪れたワイン産地やワイナリーで印象的だったところはありますか?

談議中
安岡

安岡

僕は山梨しか行ったことがないんですが、勝沼に行った時、通りがかった小学校の校庭に棚仕立ての樹勢の強い甲州がそのまま育っていたんですよ。そして地元のニュースでは、ちびっこたちが醸造してワイン造りに触れるというのが取り上げられていて……。 小さい頃からそのように実際に体験して地域の産業に触れている様子を見ると、ワイン造りがちゃんと根付いていっているんだなと思いました。

井出

井出

確かに最近よく聞きますね。 子供たちに興味を持ってもらうために、収穫やワイン造りを体験させたり、自分でデザインしたラベルを貼ったワインをプレゼントするなどの取り組みもありますよね。それすごい良いことだなと思います。

河

そうだ、井出さんは長野県出身ですよね。そういう取り組みは地元でなかったですか?

井出

井出

そうなんですけど、私が子供のころはなかったと思います。長野に住んでいるときは、地元がワイン産地ってこともあまり知りませんでした。

河

長野ってやっぱここ最近ですもんね。ここ20年くらいですかね。

井出

井出

はい、それで私が訪れた産地で印象的だったのはやっぱり長野です。 エノテカに就職してからも全然長野ワインのことは知らなかったんですけど。最近は帰省のたびに東御をはじめとした県内のワイナリーを巡っていて、それがやっぱり楽しくて! 車で1時間以内のところに色んなワイナリーがあるんですけど、今まで自分が生まれ育った場所なのに全然知らなくて。 なので、今は周っていてすごい楽しいですね。どんどん新しい生産者も増えているので面白いです!

井出
河

僕は新潟ですね。新潟って日本酒のイメージが強いと思うんですけど、ワインも美味しいんです! 5年前に新潟のワインコースト呼ばれるエリアに行きました。レストランや宿泊施設、カフェやショップもあり、このエリアの代表的な生産者のカーブドッチをはじめ複数のワイナリーが隣接し、ワインツーリズムが非常に発展した場所でした。

安岡

安岡

新潟は僕も泊まりでいってみたいな……。

河

山梨や長野もワインツーリズム、いろいろとやっていますよね。去年は山梨の塩山に行ったんですが、バスを使って1日に10軒も巡れました!

井出

井出

長野もワインタクシーがあります。 ワイナリーに行くとどうしても試飲したくなるので、レンタカーで周るのは難しいのでそういったバスやタクシーがあると嬉しいですよね!

説明中
河

予約すれば1日で色々行ってもらえますもんね。 ただ、一つ失敗談があって……(笑)

安岡

安岡

どうしたんですか?

河

以前山梨に行ったときに行きたいワイナリーが定休日だったんです。現地にいるのに行けなくて……!

井出

井出

なんと!それはショックですね……ワイナリーって結構定休日がバラバラだったりしますもんね。

河

そうなんですよね。 あとはそもそも行きたくても見学を受け付けていなかったり、数日前までに予約が必要なワイナリーもあるので、事前にちゃんと調べてから行った方が良いですね。忙しい時期には見学をお断りされているところもありますし。

安岡

安岡

そういったところは気を付けて周りたいですね!僕も今度、どこか行ってみます!

日本ワインの楽しみ方

談笑中

―ワインはやっぱりフランスやイタリア、チリなど海外のイメージがあって、日本ワインって、と思っている方も今日の話を聞いたら楽しめそうですね!実際、どうやって選んでいますか?

安岡

安岡

僕、ジャケ買いが良いと思います。

河

ジャケ買い!

安岡

安岡

やっぱり日本人の方が日本人の方に飲んでほしいと思いながら造られているものが多いので、自分たちの感性でキャッチーなものが多いと思うんですよね。 アーティスティックなものもありますし、クラシックなものもありますし。ジャケ買いで選んだものが美味しかったことが結構あるんですよね。なんだか愛着も沸きます。

河
河

僕はやっぱり旅行で日本全国を巡っている時に、色んなワイナリーでワインを飲んで日本ワインにハマっていった経験があるので、この記事を読んでいる方々も住んでいるところの近くにワイナリーがあったら行ってみてほしいです。 今はほとんどの都道府県にワイナリーがあるので!近所のスーパーにもその地のワインが売っているんじゃないかなと思います。

井出

井出

私は好きな生産者を見つけてそれを追っていくのが良いかなと思います。 そうしていくうちに関連がある生産者とか増えてきますし、レストランやワインショップなどで「これが好きです」という話をすると似たようなものをおすすめしてくれて、もっと広がっていくと思うので。 私も北海道のワインを好きになってからどんどん広がっていったというのがあるので。1回飲んでみて好きなものを見つけて、そこから広げる、というのが楽しいんじゃないかと思いますね。

安岡

安岡

好きなワインのタイプがわかるとどんどん楽しくなっていきますよね!僕ワインショップの試飲会やデパートでやっているワインフェアによく行っています。

井出

井出

けどやっぱり日本ワインを知るきっかけとして、河さんが言っていた旅行はすごく良いですよね!あとは出身地とか。 一度自分に1番近いワインを飲んでみてほしいなと思います。

河

はい、そうやってまずは日本ワインに触れてみると楽しいんじゃないかと思います!

まとめ

志の高い造り手たちの努力により、その品質は目覚ましい向上を遂げ、今まさに大きな転換期を迎えている日本ワイン。その味わいは、世界の銘醸地にはない、日本の気候風土に合った日本ならでは魅力が詰まっています。


ほとんどの都道府県にワイナリーが点在する今、少し足を延ばせば馴染みのある土地で生まれたワインを味わえるのも日本ワインの魅力。


いつものビストロや旅先でお気に入りの1本を見つけられたら、ワインライフがもっと楽しくなるかもしれません。


いまどきスタッフの話から日本ワインの楽しさが広がりました。

日本ワインの一覧はこちら

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