ブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区にあるモレ・サン・ドニ村はわずか150haしかない小さな村ですが、五つものグラン・クリュ(特級畑)を有します。また、それらのグラン・クリュとプルミエ・クリュ(1級畑)で総面積の57%を占める、素晴らしい立地にあります。
クロ・ド・ラ・ロッシュはその五つのグラン・クリュの一つで、力強く長命なワインを生む屈指の名醸畑として知られています。
今回はそんなクロ・ド・ラ・ロッシュを解説します。
産地 | フランス ブルゴーニュ コート・ド・ニュイ モレ・サン・ドニ村 |
面積 | 16.84ha |
土壌 | 粘土質を含む石灰岩 |
品種 | ピノ・ノワール |
タイプ | 赤 |
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テロワール
クロ・ド・ラ・ロシュはブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区モレ・サン・ドニ村にあるグラン・クリュで、村の最北に位置しており、この村にある五つのグラン・クリュの中では最大の面積を持ちます。畑の標高は約270〜300m、日当たりの良い東向きの斜面にあります。
ブルゴーニュ地方の気候は年間を通して比較的穏やかな半大陸性気候です。厳密には海洋性、地中海性、大陸性これら三つの気候が交差する位置にあり、年間の平均降水量も日照量もブドウ栽培に適した量とされています。
モレ・サン・ドニ村の土壌は主にジュラ紀中期の石灰岩及び粘土石灰質で、下方の斜面は泥灰岩が多くなっています。斜面の上方にあるクロ・ド・ラ・ロッシュは石灰岩の割合が高く、畑名の由来(フランス語でロッシュ=岩という意味)となった石塊がところどころ露頭しています。
モレ・サン・ドニ村の五つのグラン・クリュ
ワインの特徴
1936年にAOCグラン・クリュに認定されたクロ・ド・ラ・ロッシュは、ピノ・ノワールから造られる赤ワインです。
北にジュヴレ・シャンベルタン村、南にシャンボール・ミュジニィ村に挟まれたモレ・サン・ドニ村では、ジュヴレ・シャンベルタンの力強さとシャンボール・ミュジニーの優雅さを併せ持つ、非常に高品質なワインが造られています。
中でもクロ・ド・ラ・ロッシュはジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュワインにも劣らない力強さが特徴です。
若いうちは非常に濃い色合いで、溢れんばかりの果実味と堅牢なタンニンがあります。熟成とともに香りは赤や黒系の果実からトリュフや腐葉土に変わり、濃厚でふくよかな果実味と硬質なミネラル感が長い余韻へと続いていきます。
良年の優れた生産者のワインであれば、「ブルゴーニュワインの王」との異名を持つグラン・クリュワインのシャンベルタンと肩を並べるほど力強く長命です。
瓶詰め後3〜4年でようやく開き始め、飲み頃を迎えるまで最低でも10年はかかります。さらに、ワインの本領が発揮されるのはそれから10年〜20年後と言っても過言ではないでしょう。
代表的な生産者
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