ジュヴレ・シャンベルタン村とシャンボール・ミュジニー村に挟まれた面積わずか150haのモレ・サン・ドニ村は、グラン・クリュ(特級畑)とプルミエ・クリュ(1級畑)で総面積の57%をも占めるという、絶好の区画に位置しています。
そのモレ・サン・ドニ村にある五つのグラン・クリュの一つがクロ・デ・ランブレイ。"コート・ド・ニュイの宝石"とも称される偉大な特級畑です。
今回はそんなクロ・デ・ランブレイを解説します。
産地 | フランス ブルゴーニュ コート・ド・ニュイ モレ・サン・ドニ村 |
面積 | 8.22ha |
土壌 | 主に粘土質を含む石灰岩、砂岩質、小石など |
品種 | ピノ・ノワール |
タイプ | 赤 |
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テロワール
クロ・デ・ランブレイはブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区モレ・サン・ドニ村にあるグラン・クリュで、標高は約270〜300mで東向き、この村のグラン・クリュの中では最も急斜面にあります。
ブルゴーニュ地方の気候は年間を通して比較的穏やかな半大陸性気候です。厳密には海洋性、地中海性、大陸性これら三つの気候が交差する位置にあり、年間の平均降水量も日照量もブドウ栽培に適した量とされています。
モレ・サン・ドニ村の土壌は主にジュラ紀中期の石灰岩及び粘土石灰質ですが、クロ・デ・ランブレイの土壌は粘土石灰質の他にウミユリ石灰岩、砂岩質、プレモー石灰質、小石と5種もの地質で構成されています。
モレ・サン・ドニ村の五つのグラン・クリュ
ワインの特徴
クロ・デ・ランブレイは、ピノ・ノワールから造られる赤ワインです。
しっかりとした骨格をもち、グラン・クリュワインの中では比較的若いうちから楽しむことができます。
ですが、やはり熟成を経たものは別格です。若いうちはチェリーのような赤い果実の風味と硬質なタンニンがありますが、熟成が進むにつれてダークチェリーのような豊かなアロマ、テロワールに由来する風味の複雑さ、タンニンも凝縮してきめ細かく、エレガントさが際立ちます。余韻は長く深く続き、力強さとしなやかさを兼ね備えたスタイルに変貌を遂げます。
そんなクロ・デ・ランブレイにふさわしい料理は、ジビエや牛のリブロース、クセのあるウォッシュタイプチーズなど。特別な日に特別な料理と合わせたい、まさに至高の逸品です。
歴史
クロ・デ・ランブレイは1365年のシトー会修道院の記録証書にもその名前が残るほど歴史を持つ畑で、400年以上もの間、修道院によって守られてきました。
しかし、偉大な畑と謳われていながらも1930年代の原産地呼称統制法(AOC法)制定時はプルミエ・クリュにとどまり、何十年も畑は荒廃していました。
その後、1979年にオーナーになったサイエ家が畑と醸造の改革に取り組み、1981年にグラン・クリュに昇格しました。これはAOC法創設以来、初めてのことでした。
代表的な生産者
- ドメーヌ・デ・ランブレイ
- ドメーヌ・トプノ・メルム
クロ・デ・ランブレイの99%はドメーヌ・デ・ランブレイが所有しており、モノポールに近い状態です。
そして、残りの1%である僅か0.043haをドメーヌ・トプノ・メルムが所有しています。もともと野菜畑でしたが、1974年にブドウを再び植樹しました。この小さな畑から生まれるワインは年間約200本です。
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