モレ・サン・ドニ村とシャンボール・ミュジニー村にまたがるグラン・クリュ(特級畑)、ボンヌ・マール。
ボンヌ・マールのワインはモレ・サン・ドニ村やジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュワインに似た、非常に男性的なワインになります。今回はこのボンヌ・マールについて解説します。
産地 | フランス ブルゴーニュ コート・ド・ニュイ モレ・サン・ドニ村 / シャンボール・ミュジニー村 |
面積 | 14.72ha |
土壌 | 粘土を含む石灰質土壌 |
品種 | ピノ・ノワール |
タイプ | 赤 |
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テロワール
ボンヌ・マールはブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区モレ・サン・ドニ村最南部とシャンボール・ミュジニー村最北部にまたがるグラン・クリュで、標高約250〜280mに位置し、東向きの日当たりの良い、ゆるやかな斜面にあります。
総面積14.72haのボンヌ・マールの畑のうち、モレ・サン・ドニ村に約1.5ha、残りの約13.22haがシャンボール・ミュジニー村にあります。もともと、モレ・サン・ドニ村のボンヌ・マールの畑は現在よりも広かったのですが、それはモメサン家が単独所有していたグラン・クリュ、クロ・ド・タールの石垣の内側にボンヌ・マールがあったためで、その区画は1965年にクロ・ド・タールに併合されました。
ボンヌ・マールの土壌は主に石灰岩と白い泥灰岩の下層土に、砂利まじりの褐色や赤みを帯びた軽い粘土珪質岩が広がっています。畑の南東から北西に向かって対角線上に小道が走っており、その小道の斜面上部(テール・ブランシュ=白い土)は石灰質が多く、斜面下部(テール・ルージュ=赤い土)は粘土質が多い土壌となっています。
シャンボール・ミュジニー村の二つのグラン・クリュ
- ボンヌ・マール(モレ・サン・ドニ村と2村にまたがる)
- ミュジニー
モレ・サン・ドニ村の五つのグラン・クリュ
- ボンヌ・マール(シャンボール・ミュジニー村と2村にまたがる)
- クロ・ド・ラ・ロッシュ
- クロ・サン・ドニ
- クロ・デ・ランブレイ
- クロ・ド・タール
ワインの特徴
1936年にグラン・クリュに認定されたボンヌ・マールは、ピノ・ノワールから造られる赤ワインです。
豊満なボディを持つ実に堅牢なワインで、特にモレ・サン・ドニ村の区画から生み出されるワインは、固くしっかりとしたスタイルになります。
ボンヌ・マールのワインは、全体的にフローラルというよりは凝縮した果実のコクがあり、少々野性的でもあります。
長期熟成タイプで、頑丈なタンニンは短くとも10年は経ないと柔らかくならないと言われているほどです。飲み頃を迎えるのはおそらく20年後くらいからで、30年から50年近く熟成させることができるワインも存在します。
ボンヌ・マールの畑は、女性的なワインを生むと言われるシャンボール・ミュジニー村に大半が属していますが、生まれるワインは非常に男性的。むしろモレ・サン・ドニ村やジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュワインに近い、力強さと優雅さを兼ね備えた極上のワインと言えるでしょう。
代表的な生産者
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