ブルゴーニュの中で最も女性的と表現されるシャンボール・ミュジニー村のワイン。この村にある二つのグラン・クリュ(特級畑)のうちの一つがミュジニーです。
グラン・クリュらしい風格を備えながらも可憐で繊細。多くのブルゴーニュワイン愛好家が虜になるのも頷ける、唯一無二のグラン・クリュです。今回はミュジニーを解説します。
産地 | フランス ブルゴーニュ コート・ド・ニュイ シャンボール・ミュジニー村 |
面積 | 10.77ha |
土壌 | 石灰岩を母岩の上に粘土質を含む薄い表土 |
品種 | ピノ・ノワール / シャルドネ |
タイプ | 赤 / 白 |
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テロワール
ミュジニーはブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区シャンボール・ミュジニー村南端にあるグラン・クリュで、標高約260〜300m、かなり傾斜のある東向きの斜面に位置します。
ヴージョ村のグラン・クリュ、クロ・ド・ヴージョを見下ろし、フリジエ・エシェゾー村のグラン・クリュ、エシェゾーの隣接する格好の立地にあります。
総面積10.77haのミュジニーはレ・ミュジニー、レ・プティ・ミュジニー、ラ・コンブ・オルヴォーの三つの古い区画からなります。
土壌は主に石灰岩の母岩の上に、粘土質を含む薄い表土が広がっています。そもそも、シャンボール・ミュジニー村の土壌はコート・ド・ニュイ地区の中でも極めて石灰分が多く含まれており、この特異な土壌が他のブルゴーニュワインとの違いを生み出しています。
ミュジニー村の二つのグラン・クリュ
ワインの特徴
1936年にA.O.C.に認定されたミュジニーは、ピノ・ノワールから赤ワイン、そしてコート・ド・ニュイ地区のグラン・クリュの中で唯一シャルドネから白ワインを造ることが認められたグラン・クリュです。
シャルドネの作付けはわずか0.66ha、ミュジニーの約70%の畑を所有するドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエが単独所有し、白ワインを造っています。
そのミュジニー・ブランは、1985年~1993年に行ったブドウ樹の植え替えにより若樹になったため、1994年ヴィンテージから格下げしてブルゴーニュ・ブランとしてリリースをしていました。しかし、樹齢が25年になった2015年から、再びグラン・クリュのミュジニー・ブランとしてリリースされています。
ブルゴーニュのグラン・クリュワインの中でもとりわけ女性的な赤ワインと表現されるミュジニーですが、その理由は石灰岩に由来するミネラルが優美な骨格をなす、極めて気品の高いワインだからです。
同じシャンボール・ミュジニー村のグラン・クリュ、ボンヌ・マールが非常に豊満で力強いワインであるのと対照的に、ミュジニーはエレガントで繊細。それでいてグラン・クリュにふさわしい格調の高さ、圧倒的な果実の芳しさ、長く肉厚的な余韻を備えています。
だからこそ、この特異なグラン・クリュは多くのワインファンを惹きつけてやまないのでしょう。
代表的な生産者
- コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ
- ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ
- ジャック・フレデリック・ミュニエ
- ルロワ
- ルイ・ジャド
- ジョゼフ・ドルーアン
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