ブルゴーニュのコート・ド・ニュイとコード・ド・ボーヌをつなぐ位置にあるコルトンの丘。この美しい丘の斜面にグラン・クリュ、コルトンはあります。
白ワインの生産が中心のコート・ド・ボーヌにおいて、コルトンは唯一赤ワインと白ワインの両方が認められたグラン・クリュです。今回はコルトンについて解説します。
産地 | フランス ブルゴーニュ コート・ド・ボーヌ アロース・コルトン村 / ラドワ・セリニー村 / ペルナン・ヴェルジュレス村 |
面積 | 95.61ha ※3村にまたがる |
土壌 | 石灰岩、泥灰土、小石 |
品種 | ピノ・ノワール / シャルドネ |
タイプ | 赤 / 白 |
ワイン一覧はこちら
テロワール
コルトンはコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌをつなぐ位置にある標高400m弱の丘陵地、通称「コルトンの丘」の斜面上部(標高約250m〜330m)に位置するグラン・クリュで、面積は95.61ha。アロース・コルトン村、ラドワ・セリニー村、ペルナン・ヴェルジュレス村の3村にまたがっています。
東〜南東を向いたコルトンの畑の斜面の中腹は、傾斜も緩やかで、茶色の石灰岩に由来し泥灰を多く含む赤い小石の多い土壌になり、ピノ・ノワールの栽培に向いています。
畑の斜面上方は傾斜も急になり、石灰岩と粘土質の豊かな泥灰岩が交互に混ざり、シャルドネが栽培されています。
コルトンには、多くのクリマ(小区画)が存在しますが、中でも東向きの斜面にあるル・クロ・デュ・ロワ、レ・ブレッサンド、レ・ルナルドの三つのクリマの品質は群を抜き、コルトンの中でも高く評価されています。
コルトンの主なクリマ
- ル・クロ・デュ・ロワ
- レ・ブレッサンド
- レ・ルナルド
- ル・コルトン
- ル・ロニェ・エ・コルトン
アペラシオン規定
コルトンは、ピノ・ノワールから造られる赤ワインとシャルドネから造られる白ワインが認められたグラン・クリュです。生産量の大半は赤ワインになります。
コルトンの赤ワインは、単一クリマのブドウから造られた場合に限りコルトンの後にクリマを明記することができます。複数のクリマのブドウをブレンドした場合はクリマを明記することができません。
コルトンの白ワインはコルトン・ブランとなりますが、東向きの斜面にある特定のクリマで造られた場合、隣接する白ワインのグラン・クリュ「コルトン・シャルルマーニュ」を名乗ることができます。ただし、いずれもクリマを明記することはできません。
ワインの特徴
コルトンは広大なグラン・クリュでクリマも複数あり、さらに生産者も多いため、グラン・クリュのワインとしては多様な個性を持つと言えます。
総じてコルトンの赤ワインは、芳醇でストラクチャーもしっかりしており、若いうちはタンニンも硬く厳格です。飲み頃を迎えるまでに5年〜10年は必要です。特にル・クロ・デュ・ロワは、コルトンの赤ワインの典型的なスタイルで、凝縮した果実味と力強さがあります。熟成が進むにつれて複雑味を増し、官能的な味わいに変化します。
コルトンの白ワインは、明るい黄金色で石灰質土壌に由来する火打石の香りや、白い花の香り、蜂蜜のような香りと粘性が特徴です。味わいに深みを与える果実味と、キレのある酸味、ミネラル感が絶妙なバランスを保ち、長い余韻へと続きます。ブルゴーニュ最高クラスの白ワインであることに間違いないでしょう。
代表的な生産者
- ボノー・デュ・マルトレイ
- ジョゼフ・フェブレ
- ルイ・ラトゥール
- ドメーヌ・シャンドン・ド・ブリアイユ
- ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
ワイン一覧はこちら