あのひとの、特別な日に飲む「ハレ」ワイン、日常に馴染む「ケ」ワイン。
ワイン好きで知られるあのひとに、それぞれのワインと楽しみ方を語ってもらいました。
1980年5月31日生まれ。愛媛県西条市出身。横浜国立大学卒業。大学在学中からタレント活動を始める。 30歳から海外一人旅にハマり、訪れた国と地域は20以上。その経験を綴った「世界をひとりで歩いてみた」(祥伝社)も話題となる。また、趣味が高じてチーズとワインの資格も取得する。パリ発祥の名門ワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」でも講座を持つなど、活動の幅を拡げている。 資格 J.S.A. 認定ワインエキスパート CPA 認定チーズプロフェッショナル
ワインとの付き合い方って、なんだか人間関係みたいだなと感じます。そのときの年齢や生活スタイルによって会う人が変わったり、会う頻度が変わったり。だけど大切な人はずっと大切だし、久々に会っても安心感がある。ワインも人間関係も、今の自分にとって一番居心地のいいスタイルでいられたら、幸せですよね。
20代の頃は、朝起きた瞬間から、その日に飲むワインと、合わせる料理を考えて生きていました。それがあるから一日頑張れたし、仕事の前でもランチに1、2杯シャンパーニュを飲むくらいならノーカウントだと思っていました。今と比べるとかなり量も飲んでいましたね(笑)とりわけフランスワインが好きで、ブルゴーニュやボルドーの格付けをチェックしながら、その土地のロマンに思いを馳せていたものです。
▼ケワイン
子どもが産まれてからは生活スタイルもガラっと変わり、当たり前ですが毎日深酒することもなくなりました。なにせ18時頃には夕飯を食べ終わって22時前には寝てしまいますし、朝は5時半に起きて支度をします。そんな毎日なので、ゆっくり夕食を楽しみながらワインを飲む余裕はないのですが、だからこそ、週末の夜に子どもを寝かせたあとの一杯や、親しい友達とのホームパーティーで飲む一杯が、とてもありがたく感じます。
早寝早起きに加えて、食生活の意識もかなり健康的になったからか、自然派ワインやオーガニックワインをカジュアルにいただくのが今の気分。
オーストラリアや南アフリカなど、色々な産地のものを楽しんでいます。中でもお気に入りは、アルゼンチンの固有品種トロンテスで造られた白ワイン。フルーティーで華やかなアロマは、まるでいつ会っても元気をくれる友達のような存在です。
▼ハレワイン
逆に特別なシチュエーションでは、飲むワインに意味を持たせたくなります。例えば、若い頃から酸いも甘いも共にした戦友と、お互い子育ての合間を縫って久々に飲める!という機会に飲むワイン。あの頃、ムルソーにハマってよく一緒に飲んだねー、なんて思い出話をしながら、当時とヴィンテージ違いの同じワインを飲むのも、なかなか良いものです。
ヴィンテージといえば、はじめて特定の年のワインを狙いうちしたのが、2015年のシャトー・ムートン・ロスチャイルドでした。娘の生まれた年のワインを20歳で一緒に飲みたい、という夢を叶えるため、熟成中のワインを先行販売するエノテカの「ボルドープリムール」に申し込み、3本手に入れました。毎年ラベルのアートが変わるこのワインなら、味だけでなくデザインも記念になりますし、節目のお祝いにはぴったりです。今は大切にワインセラーに眠っていますが、とりあえず10年や15年のタイミングでも、ハレの日に大人だけで味わおうと思っています。娘の成長とともにワインもどんな風に熟成していくのか、今から楽しみです。