シャンパンの泡立ちの美しさや、グラスから沸き立つ香りは、場の雰囲気をグッと上質なものにしてくれますよね。
そんなシャンパンについて、こんな風に思った経験はありませんか。
「どんな種類があるの?」「銘柄がたくさんあって、どれを選べばよいのか迷ってしまう」
今回はその悩みを解決するシャンパンの選び方をお教えします。
選び方のポイントは5つです。
- 色で選ぶ
- 味わいで選ぶ
- ブドウ品種で選ぶ
- グレードで選ぶ
- 生産者で選ぶ
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1.色で選ぶ
シャンパンには、白とロゼの2種類があります。
ロゼはフランス語で「ピンク」という意味で、ベースとなる白ワインに赤ワインをブレンドする方法と、黒ブドウからロゼの色合いを抽出する造り方があり、力強いボディやタンニンを楽しむことができます。したがって、お食事もしっかりとした味付けのものと相性が良いですよ。
その日の気分や食事に合わせて選んでみてください。
2.味わい(甘辛度)で選ぶ
シャンパンは、甘口のものから辛口のものまで存在します。
よく聞く「Brut(ブリュット)」も甘辛度を表した言葉の一つで、辛口を意味しています。また最近では「Extra brut(エクストラ・ブリュット)」や「Nature(ナチュール)」などの、極辛口タイプの人気も高まっています。
これらはワインのラベルに記載されています。自分の好みの度合いを探してみましょう。
表示 | 残糖量 |
---|---|
ブリュット・ナチュール(Brut Nature) | 3g/l未満 |
エクストラ・ブリュット(Extra Brut) | 0~6g/l |
ブリュット(Brut) | 12g/l未満 |
エクストラ・ドライ(Extra Dry) | 12~17g/l |
セック(Sec) | 17~32g/l |
ドゥミ・セック(Demi Sec) | 32~50g/l |
ドゥー(Doux) | 50g/l以上 |
3.ブドウ品種で選ぶ
シャンパンは、原料となるブドウ品種によっても分類することができます。
シャンパンに使用することが認められている品種は8品種ありますが、実際は「シャルドネ」「ピノ・ノワール」「ムニエ」の3品種が占めており、それ以外の品種を使うことはほとんどありません。
これらのブドウ品種のブレンドの違いが、味わいやスタイルを決める重要な要素となっています。
ブドウ | 特徴 |
---|---|
シャルドネ | 白ブドウ。味わいに酸味とキレをもたらす。 |
ピノ・ノワール | 黒ブドウ。シャンパンの骨格や重厚さを担っている。 |
ムニエ | 黒ブドウ。フルーティーさが特徴で、丸みや柔らかさをもたらす。 |
また、このブドウ品種のうち、白ブドウのみで造ったシャンパンを「ブラン・ド・ブラン」、黒ブドウのみで造ったシャンパンを「ブラン・ド・ノワール」と言います。
酸味があって、より繊細で爽やかなタイプが好きな方は白ブドウ主体のものを、ふくよかな果実味やタンニンを感じたい方は黒ブドウ主体のものを選んでみましょう。
4. グレードで選ぶ
シャンパンは、以下の3つに分けられます。
グレード | 特徴 |
---|---|
ノン・ヴィンテージ | 複数の収穫年のワインをブレンドして造られたスタンダードタイプで、ラベルに「NV(ノン・ヴィンテージ)」と記載されており、造り手のスタイルが最も表れている。 |
ヴィンテージ | ラベルに書かれた収穫年のブドウを100%用いて造られ、最低3年間の瓶内熟成の後に出荷されます。単一ヴィンテージならではの個性が楽しめるほか、長期熟成も可能。 |
プレスティージュ | 造り手が“威信(プレスティージュ)”をかけてリリースするトップ・キュヴェ。作柄の良い年に、最高区画のブドウだけを使用して造られることが多く、長期熟成に耐えうるポテンシャルを持つ。 |
プレスティージュは高価なものが多いので、特別な日のディナーや、お世話になった方へのギフトにもおすすめですよ。
5.生産者で選ぶ
知っておきたいシャンパンの生産者をご紹介します。とっておきのシャンパンを選ぶ際などの参考にしてください。
ルイ・ロデレール
ルイ・ロデレールは、1776年創業のシャンパンメゾンです。イギリスの専門誌「ドリンクス・インターナショナル」の「世界で最も称賛されるシャンパーニュ・ブランド2024」において、名だたるメゾンを抑え、5年連続で第1位に選ばれた名門として知られています。
ルイ・ロデレールは、深い洞察力と先見性を持ちながら、クオリティへの飽くなき追求の精神を頑なに守っています。手仕事の芸術品ともいえるシャンパーニュを生み出すことで、多くの愛好家を魅了し続けています。
ルイ・ロデレールについて
モエ・エ・シャンドン
モエ・エ・シャンドンは、創業から270年以上に渡り、世界中で愛され続けるシャンパンメゾンです。
「シャンパーニュの魔法を世界に」という目標を掲げ、高い品質の洗練されたシャンパンを人々に届け、魅了し続けてきました。モエ・エ・シャンドンのシャンパンは、時代を超えて多くのセレブリティーに愛飲されているだけでなく、国際映画祭やシャンパンファイトなど、世界各国で開催されるイベントにおいて、多くの祝福のシーンを彩っています。
モエ・エ・シャンドンについて
ドン ペリニヨン
ドン ペリニヨンは、世界的に有名なシャンパンメゾンであり、その歴史は17世紀の修道士、ドン・ペリニヨンにまで遡ります。「最高のワインを造る」という志のもと、彼の名前を冠したメゾンが誕生しました。
ドン ペリニヨンはシャンパンの進化に大いに貢献し、その思いは今も受け継がれています。ドン ペリニヨンのシャンパンは長期熟成されることで、複雑で豊かな風味を持つことが特徴です。また、特別な瞬間を祝うためのお酒として、多くのセレブリティーや美食家に愛され続けています。
ドン ペリニヨンについて
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シャンパンについてもっと知りたい!
気になるシャンパンを見つけたら、今度はその楽しみ方を知ってみませんか。
いくつかのポイントを押さえるだけで、シャンパンをもっと楽しむことができますよ。
1.グラスにこだわる
シャンパンはフルート型のグラスで飲むものというイメージが強いかもしれません。
しかし近年、ホテルやレストランでは銘柄やシーンによって、グラスを使い分けるのが一般的になりつつあります。家で楽しむ際も、せっかくならばグラスを使い分けてみてはいかがでしょうか。
フルート型グラス
定番中の定番、背の高いフルート型グラスです。
シャンパンの泡立ちの美しさを感じられるため、華やかな場面で活躍するのはもちろん、泡や酸の力強さを味わいたいならぴったりのグラス。
泡や酸の爽快さがダイレクトに舌に感じられるため、料理が一通り終わってもう一杯となった時に、口の中をリフレッシュさせるのにも適しています。
シャンパンで華やかさを演出したいお祝いの場や、シャンパンの酸味やフルーティーさを楽しみたい日はこちらのグラスがおすすめです。
クープ型グラス
1980年代にフルートグラスが普及するまで一般的だったグラスです。
大きく開いた口元が香りを発散させ、グラスの周りにも香りが纏わりつくため、シャンパンの香りをしっかり感じつつ味わうことができます。
ボウル部分を持つ手の美しさが際立ち、背の高いボウルのフルートグラスと異なり、首を反らすことなく唇をそっとつけるだけで飲めるため、シャンパンを飲む姿がエレガントな印象になります。ゆっくりと香りを楽しみたいとき、あるいは甘口シャンパンの甘みを楽しみたいときなどにおすすめです。
チューリップ型グラス
比較的新しいタイプのグラス。ホテルやレストランだけでなく、好んでこの形を使う生産者もいるほど、幅広い用途に使用できる万能タイプのこちらのグラス。
このような小ぶり~中庸のグラスでは酸や発泡を活き活きと感じられるのはもちろん、ブドウに由来する香りを捉えやすいので、造り手が品種やヴィンテージの個性をどのようにワインに表現したかを感じ取るには最適です。
コクのあるブラン・ド・ノワールや、ヴィンテージシャンパンを飲むときにおすすめです。
ワイングラス一覧
2.料理と組み合わせる
どんな料理にも合わせやすいシャンパンですが、双方の旨味をより引き立てる組み合わせがあるんです。
ポイントを押さえるだけで、ペアリングをさらに楽しむことができるのでぜひ挑戦してみてくださいね。
魚介×シャンパン
生魚や貝類には、フレッシュさやミネラル感を感じられるタイプのシャンパンや、繊細な味わいが特徴のブラン・ド・ブランがおすすめ。
火を通した魚料理には、香ばしさを感じられる熟成タイプのシャンパンや、ロゼシャンパンが好相性です。
肉料理×シャンパン
肉料理には、力強いボディを持つブラン・ド・ノワールや、ヴィンテージ、プレスティージュのシャンパンを合わせるのがおすすめ。
肉料理といえば赤ワインのイメージが強いですが、シャンパンの酸味が肉の旨味を引き立てるとともに、脂をスッキリと感じさせてくれます。
著名なステーキ店や鉄板料理店ではシャンパンが多数オンリストされているんですよ。
3.シャンパーニュ地方のチーズと合わせる
シャンパンに合わせるチーズで迷ったら、同じくシャンパーニュ地方で造られるチーズを合わせてみてはいかがでしょうか。
シャンパーニュ地方の代表的なチーズをご紹介します。
ラングル
ウォッシュタイプ。シャンパーニュ地方のラングル高原が原産地のチーズです。
一番の特徴は、表面に「フォンテーヌ=泉」と呼ばれる噴火口のような窪みがあることで、この窪みに少量のワインを注いで楽しむとも言われます。
風味の強いチーズなので、ロゼシャンパンやブラン・ド・ノワールと合わせるのがおすすめです。
シャウルス
白カビタイプ。12世紀に、ブルゴーニュの修道士によって造られたチーズです。
名前の由来は、シャンパーニュ地方の南端にある「シャウルス」という小さな村の名前から取っています。
優しい味わいなので、ノン・ヴィンテージのシャンパンに合わせるのがおすすめです。
4.シャンパンとは
最後に、そもそもシャンパンとは?基礎知識をおさらいしましょう。
シャンパンはフランス最北のワイン産地であるシャンパーニュ地方で生産されます。収穫方法や熟成期間、醸造方法など、非常に細かく定められた条件をクリアしたものだけが「シャンパン」を名乗ることができます。
シャンパンに許されている製造方法は瓶内二次発酵のみ。この方法はトラディショナル方式、またはシャンパーニュ方式とも呼ばれます。
スティルワインを瓶に詰め、糖分と酵母を加え、密閉して瓶内で二次発酵を起こさせる方法で、手間と時間のかかる製造方法ですが、それによってシャンパン特有の味わいの奥深さや、泡のきめ細やかさが生み出されています。
ちなみに日本で馴染みのある「シャンパン」という呼び名はCHANPAGNEの英語読み。フランスでは「シャンパーニュ」と呼ばれます。
まとめ
シャンパンといってもさまざまな種類があり、迷ってしまうのも仕方がありません。まずはお気に入りの1本を見つけてみてくださいね。
お祝いの場はもちろんのこと、自分へのご褒美や、ちょっと贅沢な気分になりたいときに、ぜひお好きなシャンパンを楽しんでみてください。きっと素敵な時間になりますよ。
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